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ブランディングとブランドロイヤルティ活動は別モノ【わたちゃんの、まったりビジネスコラム】

昔、「第3の居場所に行ってくる」と言って、スタバに出かけることが続いたある日、「そんなに我が家の居心地が悪いの?」と浮気疑惑を持たれた、わたちゃんです。そんな近所のスタバもちょっと前に閉店してしまいました。

ブランドとは、消費者の頭の中にある「識別記号」と「知覚価値」が接続して成立する概念です。知覚価値とは、そのブランドのカテゴリー、イメージ、ベネフィットなどを想起、保証する価値です。例えば「コカ・コーラ」という商品名やビンといった、いわゆる識別記号は「スカッと爽やか」という知覚価値を想起させるということです。そのブランドには、ニベア、レッドブルといった「商品ブランディング」、スターバックスといった「サービスブランディング」、ジョンソン&ジョンソン、パタゴニアといった「企業ブランド」の3階層があります。

ブランディング活動とは、この識別記号と知覚価値を消費者の意識の中で接続させる活動であり、いわゆる広告がその代表的な活動です。
しかしながら、素晴らしいブランディング活動で成果が出たとしても、ブランドロイヤルティが高まるとは限りません。ブランド力が高いこととブランドロイヤルティが高いことは、必ずしもイコールの関係ではないからです。

「コカ・コーラ」から「スカッと爽やか」を想起させる関係性が高まったからといって、コカ・コーラをずっと買い続けるとは限りません。もちろんまったくブランド力のない商品に比べると想起される商品が選ばれる可能性は高まりますが、ブランドロイヤルティを上げる活動がブランディング活動そのものだと思ってはいけないということです。

ブランドロイヤルティ向上を支える要因や施策はさまざまで、その中のひとつがブランディング活動であると位置づけるべきです。モノであればモノそのものの機能や品質に磨きをかけること、そして、そのモノを購買する際の購買体験やアフターサービス体験もブランドロイヤルティ向上の重要な要素です。そしてさらに重要なことが、購入した後に実際に想起させた知覚価値を体感させることです。

スタバの例でいうと、第3の居場所を想起させることだけではく、実際に第3の居場所を体感させる顧客体験が提供できて初めて、ブランドロイヤルティが向上します。ロイヤルティやLTVの視点で考えると、ブランド知覚体験を高める「認知」や「共感」を広める活動もさることながら、「体感」を味わってもらう活動の方が重要となります。

ということで、コロナ禍になり我が家の仕事部屋の充実化にともなって、居心地も仕事の生産性も向上した結果、僕の「第3の居場所」は必要なくなりました。これでカミサンに無実の疑いをかけられることもなくなりましたが、ちょっと寂しい気分にもなっています。スタバは僕に対して、別のブランド知覚&体感施策を考えて欲しいと思う今日この頃です。


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