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「ファンづくり活動」が精神論で終わる理由【わたちゃんの、まったりビジネスコラム】

「あの方いい人で、私、ファンなんです」と言われている男は、本当には付き合う相手として見られていないケースが多いことを知っている、わたちゃんです。ちょっと危ない感じのする男の方がモテるのです。

企業にとってファンづくりが重要であることは誰も否定しません。企業方針や社長の年初メッセージにも「顧客第一主義」「お客様満足度向上」「ロイヤルティ向上」「LTV(Life Time Value)重視」といった、ファンづくりに関連したキーワードが多く登場します。一方で、こうした活動は精神論で終わってしまうケースも多く見られます。

その原因として、「購買者づくり」のマネジメントに注力してしまい、「ファンづくり」のためのマネジメントがおろそかになっていることがあげられます。
「購買者づくり」と「ファンづくり」の違いって何? 同じようなことじゃないの?と思われる方も多いと思いますが、実は大きな違いがあります。

そのひとつが、マネジメントの時間軸です。「購買者づくり」では、1日、1カ月、1年といった、短期間での期限付きの視野でのマネジメントになりますが、「ファンづくり」では期限のない中長期的視野でのマネジメントが求められます。

次が、評価指標の明確さです。購買者づくりの結果は数値で明確に評価できます。評価対象の期間において、どれくらいの購買者がいて、どれくらいの購買金額があったかは数値で把握でき、基準にのっとった評価が可能です。
しかし、「ファンづくり」では、まずファンそのものの定義が曖昧です。何をもってファンになったかが漠然としているため、定量的な評価がしづらい状況です。

そして、これら2つの違いがあるにも関わらず、「ファンづくり」マネジメントと「購買者づくり」マネジメントを同一化してしまった結果、現実と乖離したものになってしまうのです。具体的には、「購入量や購入金額が多い顧客がファンである」という誤った解釈をしてしまい、その結果「ファンづくり」を「購買者づくり」の手段にしてしまうのです。


だからこそ、顧客志向を掲げている企業は、「ファンづくり」について、心理的な視点を持って評価し、KGIとして定義すべきです。決して「ファンづくり」の活動を「購買者づくり」で適用される短期的視野のKGI達成の手段に位置付けるべきではありません。
素晴らしい「ファンづくり」の活動を実施していても、いつの間にか形骸化して活動の火が消えてしまうという現象が多く見られますが、これは、「購買者づくり」と「ファンづくり」マネジメントの同一化現象が大きな原因です。この2つを分離する必要があります。

ということで、僕も「チョイ悪オヤジ」でモテることを目指さず、中期的ファンづくり路線でモテる方法を考えてみます。って、今さら遅いか!

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