見出し画像

シンガポールのデジタル技術を活用した事例に見る「CX」のポイント【わたちゃんの、まったりビジネスコラム】

日中ひとりで仕事していると、ついつい部屋が汚くなってしまいます。カミさんが帰ってきたら叱られる!と思い慌てて部屋を片付けている、わたちゃんです。アドラー心理学の「課題の分離」の考えでは、「褒められるから」「叱られるから」という理由でゴミを拾うのではなく、自分の課題として自発的に拾わなければいけないのです。まだまだ修行が足りません。

2023年10月に、海外小売事情の視察でシンガポールを訪問しました。繁華街の商業施設は、お洒落でゴージャスなつくりをしており、物価もそこそこ高く、日本以上の繫栄と豊かさを感じました。とくにシンガポール・チャンギ国際空港は、施設やサービスにデジタル技術を駆使し、これまでにない秀逸な空港体験が提供されていました。

シンガポールの街並みは、噂には聞いていましたがゴミひとつ落ちていない綺麗な街です。シンガポールは「ファイン(罰金)・シティ」として知られ、さまざまな行為に対して罰金を科すことで有名です。この国の厳しい罰金制度は、公共の場所を清潔に保ち、社会秩序を維持するためのものです。
個人的には、清潔なのはいいけど罰則によってしばられている国ってどうなんだろう、と思っていましたが、視察先の商業施設や空港であるものを見かけました。

それは、「トイレの満足度調査システム」です。トイレの出口に、利用者が評価する機械が設置されているのです。総合満足度を評価するモニターがあり、ボタンを押して4段階で評価をします。ここまでの評価機器は日本でも見かけることがあります。さらに興味深いのは右下にQRコードがあり、利用者が自分のスマートフォンで読み取ると、詳細なネガティブ/ポジティブ体験をフィードバックするサイトに誘導される仕組みとなっています。
入力されたフィードバックはリアルタイムでモニタリングされ、床が汚れているなどのフィードバックあれば、スタッフが即対応するといった仕組みです。デジタル技術を使って即時に清潔な環境をキープする取組を実現できているわけです。


同様にデジタル技術を使って清潔さをキープする取り組みとして、チャンギ空港ではゴミ箱の量をセンサーモニタリングしてフルになる前に対処しているといった事例もありました。
いずれも、ちょっとした工夫のデジタル技術適用例です。しかし、罰則だけに頼らず、デジタル技術を使ってリアルタイムに清潔さをキープする試みに積極的に取り組み姿勢は、国の文化になっているのだと感心させられました。

ということで、僕の部屋清潔キープへの取り組みも、叱られるからではなく、モニタリングの仕組みを導入することを検討しようかと思いましたが、やっぱりあの不機嫌そうな顔を頭に浮かべるのが、最も効果的なんだろうな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?