精神と時の部屋

年末休みから約3ヶ月間、実家で過ごしていた。
実家は音と動きで溢れていた。
父と母が生活している。猫が走り回る。テレビの中で芸能人がクイズに答えている。お風呂が沸いた、ご飯が炊けた、と家電が喋る。知らない間にコンロ周りがリフォームされていて、魚焼きグリルまで喋っていた。オート調理機能がついているそうで、これで焼いたトーストがべらぼうに美味い。

今日、一人暮らしの家に帰ってきた。
当たり前だけど生命体が私しかいない。テレビもねえ、電話もねえ。閑静な住宅街なので車もそれほど走ってねえ(それは実家もそうだった)。
四角い空間の中でじっと息を潜めて座っていると、部屋の中の空気も時間も止まっているような気分になった。なんだか恐ろしくなったので、YouTubeでVTuberの配信を流し続けている。
書いていて気がついたが、私は寂しいのか。
取り急ぎ小さめのテレビを買おう。


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