会社の歯車


アニメの会社で制作進行をしている。
まだやっと3年目になったばかりなのでほとんどのアニメーターが歳上だ。

多少きついお願いをすることもある。
そんなとき、こんな幻聴が聞こえてきて恐ろしくなる。

「遠山はアニメーターじゃないから/経験がないから作業の軽重を分かってない。だからそんな無茶が言えるんだ」

弊社は奇跡的なまでに"いい人"しかいない。
嫌味を言う人はいないし、ミスしたとき隠蔽したり開き直ったりする人もいない。
優しい人しかいない。

被害妄想と自意識、羞恥心が激烈に強い私は、この優しい人たちが優しさの裏でとんでもないストレスを抱えさせてしまってるのではないかと思ってしまう。

心身のバランスが危うくなって医者に相談しに行ったことがある。
「ロボットを操縦するように仕事をしなさい」
と、なんだか冷徹なアドバイスを受けた。

人から見える姿は制作進行ロボット。
生身のあなたは内側にいて、会社からの指令を受けてそのロボットを操縦しなさいと。

会社のために言ってるんです、というスタンスをとっていれば自分(の心)は守れる。気がする。


人間・遠山として仕事に従事するより、歯車Aとして扱われる方がいいのかもしれない。

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