見出し画像

#40 開墾は作品だ!

田舎の家を持つ前は、畑とか田んぼとかを見て自然豊かでいいなー!と思っていたが、それは大きな勘違いだった。畑も田んぼも自然にはできない。当然だけど人工物なので、ビルや工場と本質的には変わらない事に、野菜を育てみて始めて気がついた。

最初から野菜を栽培するのに適した場所など、自然が用意してくれているわけはない。地面を掘って石を取り除いて、土をサラサラにして等々いろんな手をかけなければ、野菜を作る場所はできない。

野菜を作る場所を確保するのに、一番簡単だと思われるのは焼畑農法だろうが、作る農作物も限られるだろうし、そもそも焼いてもいい広大な土地が必要となる。というわけで?個人で焼畑農園を所有することを諦めた結果、原野を開拓することになった。

大げさだと思われるかもしれないが、今開墾している我が家の敷地は、登記簿上「原野」なのだ。だから固定資産税は安いが、土質は作物栽培に全く向いていない。掘っても掘っても石ころがゴロゴロ出てくる。地中40センチを目安に掘り起こし、それを自作のふるいにかけて、石を取り出す。この作業を一人で一日中行っても、せいぜい2.3メートル出来る程度の気が遠くなる作業だ。それも天気が続いて、土が乾燥していないと石の選別が困難になるので、適している時期は真夏だが、作業は当然つらい。

田舎の物件を購入して、野菜作りがしたいと思ってる人は、良く手入れされていたであろう畑が付いているかも、確認しておいた方が良いと思う。なんといっても田舎生活の醍醐味と暇つぶしは、野菜作りだと思うので。


もちろんその「醍醐味と暇つぶし」を開墾作業にするのも悪くはない。

この作業は草刈りと同様に、無心になれるのが良いところだ。単純作業で頭を使うことが少ないので、いろんな考えやアイデアや妄想や、また昔の思い出が浮かぶこともある。過去の嫌な思い出を思い出し、思わずFワードを一人でつぶやく事もある。それはそれでストレス解消になっているかもしれない。

いずれにしても、成果が目に見える形で残る。自分が開墾した畑で農作物ができた時の誇らしさは、結構「いける」! 開墾して出来上がったふかふかな畑と、掘り起こした石の山が、自分ってスゴイ!と満足させてくれる。

地球上に自分の作品が、自分の力で誕生するのは気持ちいい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?