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#66 成長と鉢上げ

3月の末に蒔いた種が1か月ほど経ち、順調に本葉が出てきた。さあここからが私にプレッシャーがかかることになる。

種を蒔くことはそれ程難しい事ではない。器を用意して土を入れ水を掛けるだけだ。後は水が切れないように毎日見ていればよい。

しかし本葉が出てくると、ただ見ているだけでは済まなくなる。この状態のままほおっておくと成長が止まり、やがて枯れて消えてしまうらしい。

そこで、種を蒔いた器からもう少し大きい器に、移し替えてやらないいけない。これを鉢上げと言うらしい。

何といっても家庭菜園初心者が、本格的に種から野菜を育てようとしているのだから、うまく行くのかとても心配だ。


30年前に子育てを始めたころの感覚がよみがえる。

種を蒔いたら生まれてきたが、最初のうちは植物に水を与える代わりに、母乳を与えて排泄物を処理してやれば、労力はかかるが技能はさほど必要としない。

問題はそこから離乳食が始まり動き始めると、だんだん目が離せなくなり手がかかるようになる。そして幼稚園なりに行くようになる頃が、植物の一回目の鉢上げにあたるかもしれない。

新しい環境に我が子がなじんでくれるだろうか?本当にこの環境が我が子に合っているのだろうか?と色々考えたり不安になったりしたものだ。

そこから人間の子供の場合は、小中高あるいは大学まで何度かの器を変える鉢上げをして、やっと社会に定植するのだろうが、ここまでの間、人間は不出来なものでも間引きをしないので、収穫をもたらすかどうかは最終的には天に任せる他無い。

しかし、植物は間引きや摘芯や摘果をすることが、収穫を増やすことに必要とされ推奨されているので、生産者の知識や技能は人間の生育よりもはるかに必要なのかもしれない。

学校や塾などにうちの野菜たちをを行かせるわけにもいかないが、反対に近所の世話焼き爺さんが家の畑を見て何かと私に忠告したり、勝手に間引いていったら、私は絶対不愉快になり、菜園活動を止めてしまう自信がある。

何かを育てるという事は、色々な事を感じさせてくれるなぁ~と思った。



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