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スカイ島(トラベイグ&タリスカー蒸留所)へ

2023年春にスコットランドのアバディーンからスカイ島、フォートウィリアム、グレンコーへと車で巡ってきました。
2023年の夏前まで家族帯同だった為、ウィスキー蒸留所を本格的に巡る機会はなく、当時は訪れたウィスキー蒸留所はショップに立ち寄る程度で、ツアーに参加する事もほとんどありませんでした。
家族が渡英する前にドロナックでツアー(コロナ渦でテイスティングのみ)に参加し、妻とはマッカランとファークラスの蒸留所を訪れましたが、余り写真やメモも取らずに今考えれば少々もったいなかったかなと。。。
今回の旅で立ち寄った蒸留所では、トラベイグ、タリスカー、ラーセイ、ベンネビス、ダルウィニーでしたが、ショップのみの訪問で蒸留所のツアーには参加しませんでした(やはり家族(特に子供)がいると、ね)。そのうちに再訪し、ツアーに参加たいとも思っています。
トラベイグに関しては後日にアバディーンでテイスティング会で飲む機会があり、その際のメモを少し記載しています。
今回は主に旅行の記録として、体験を少しでも共有できればと思います。

朝日に照らされるアバディーンの街

私が住むアバディーンは、イギリスのスコットランド東北部に位置するスコットランド第三の都市です。
ただ、エジンバーン、グラスゴーに次ぐこの都市は、上位2都市と比べて商業施設における違いは顕著です(娯楽が非常に少ない街で、良く言えばのどかな田園風景が広がる街)。
アバディーンは「花崗岩の街」としても知られており、その景色は時に(少しの間だけ)シルバーのように美しく(天気の良い夏の昼間&最初の1週間限定)、大多数の時間は灰色の印象を与えます(天気の悪い日(スコットランドの大半は天気が悪い)&冬)。

今回は、そんなアバディーンからスコットランド西端にあるスカイ島への旅の記録です。
スカイ島は、スカイブリッジで本土とつながっており、車でのアクセスが可能です。また、スカイ島の隣にあるラーセイ島にも1泊し、岐路ではグレンフィナン、グレンコーを経由して近くの街で1泊しました。合計3泊4日のスコットランド横断の旅でしたが、ウィスキーに加えてスコットランドの自然を少しでも記録&共有できればと思います。
2回に分けて記載したいと思います。

旅程

初日(スカイ島)
今回の旅は、アバディーンからスカイ島へ、およそ5時間のドライブで始まりました。
A96(スペイサイド方面へ向かう際に必ず通る道)を進みながら、エルギンを約1時間半で通過しました。その後、ハイランドの玄関口であるインバネスを経由しました。インバネスを2時間半程度で通過し、そこでトイレ休憩を考えましたが、大きなスーパーマーケット(Tesco)に入り損ね、インバネスからスカイ島まで街がほとんどないことに気づきました。
街があっても、主に民家のみで、トイレ休憩可能なガソリンスタンドやスーパーは見当たらず、結局、アバディーンからスカイ島までノンストップでの行程となりました。(家族からはインバネスでスーパーをスルーしたこと平謝りでしたが、意外と長距離ドライブも大丈夫かもとこの時思いました。笑)
この経験から、北ハイランド方面へ行く際は、必ずインバネスのTescoに立ち寄るようにしています(本当にハイランド(特に北や西)はスーパーやガソリンスタンド少ないですのでお気を付けください)。

スカイ島に到着し、私たちが最初に訪れたのはトラベイグ蒸留所でした。2017年にオープンしたこの蒸留所は、スカイ島で2番目の蒸留所として、古い農業用建物を改築して作られとの事です。
所有者はモスバーンディスティラリーズで、元々はグラスゴーに拠点を置いていたが、スカイ島に移転したオランダの会社です。
彼らはボトリングやブレンドも手がけているとの事で、ショップにはトラベイグ以外のウィスキーも多く置いてあり、なぜか「波戸崎」という日本のウィスキーが置かれており、???と思いましたが、トラベイグ蒸留所が日本の海峡蒸留所と姉妹蒸留所との事で、将来、姉妹ブレンドでのボトルリリースがあったら面白いかもとも思いました。
(海峡蒸留所のウィスキー飲んだことありませんが。笑)

トラベイグ蒸留所
入口の樽の展示
蒸留所からの風景
テイスティング会でのトラベイグ

一方で、トラベイグはアバディーンでのテイスティング会で飲んでましたので少し記載します。
アバディーンで開催されたトラベイグのテイスティング会では、トラベイグのブランドアンバサダーの方が、モスバーンのボトル3本、トラベイグ レガシーシリーズのアラットグリーン46とアラットグリーンカスクストレングス61.1、そしてキャッスルキャマス(初めてですがそのように聞こえた)を紹介しながら、それぞれのウィスキーを楽しむ時間でした。
その中で、レガシーシリーズは2028年頃まで毎年リリースし、2年ごとにチャプターを刻んで継続的なリリースを通じてトラベイグのブランドを印象付けることを目指しているとの事。
アラットグリーン46は77PPM、カスクストレングスは78PPMらしく(1PPMの差は分かりませんが)というヘビリーピーティッドな特性を持ち、両方ともバーボンピート由来のバニラやハチミツのような甘い味わいもありましたが、何と言っても、強烈なピートの香りが印象的でした。
製造過程の特徴は、蒸留時のヘッドカットするまでの時間が短いこととの事。通常は30分程度後からヘッドのカットをするところ、トラベイグでは約15分後程度に行うため、より荒々しく力強いピートの香りが得られるとのこと。これにより、焚火のようなボーンファイヤーの香りがヘッドに現れやすくなるそうです。
現在はエクスバーボン樽のリリースが主だが、シェリー樽での熟成も進行中であり、今後約10%のシェリー樽熟成ウィスキーを加えてリリースしていく予定との事で、これによって味わいがどのように変化するのか、非常に楽しみです。(テイスティング会の話は今後また書きたいです)

引き続き訪れたのはタリスカー蒸留所。
娘からは「また蒸留所か」というブーイングをうけつつ、蒸留所がトラベイグは島の東側に、タリスカーは中央部と位置的&営業時間的に仕方ない事を説明しつつ訪問です。
タリスカーは「Made by Sea」というキャッチフレーズを掲げています。
実際には、グレングラッサやアイラの蒸留所の方がウェアハウスを含めロケーションとしては含め海に近いとは思いますが、ストーリー作りやマーケティングの重要性を感じさせます。

タリスカー蒸留所
壁の装飾
ビジターセンター入口
マリンカラーで統一されていてショップもオサレです

タリスカー蒸留所訪問のハイライトは、人生で初めてのハンドボトリング体験でした。
ハンドボトリング用のウィスキーは9 Years Old Rejuvenated Red Wine Cask。具体的にどのようにRejuvenated(再生)されたかは詳しく知りませんが、テイスティングさせてもらうと最初はフルーティーな感じがありつつ後からピートが強く出てくる面白い感じで、誘惑に勝てずに購入。
じとーっとした娘の視線を感じつつ(値段を見て娘は我が家が本当にウィスキー破産しないか心配している)、ウキウキしながらボトリングさせてもらいました。(意外とボトリングの際に引くレバーが固く、結構力が必要な事を知りました。)

ハンドボトリング

その後、スカイ島の名所の一つでもあるフェアリープールへ。

駐車場から見たフェアリープールへの道
ハイキングコースの様になっている
滝つぼ。透明度がとても高い。

フェアリープールへの道は清流に沿ってハイキングコースになっており、我々は時間の都合(体力の都合!?)で約30分歩いた後で引き返しましたが、奥に進むと水遊びも出来るようなができる浅い滝つぼがいくつも出てくるそうです。

フェアリープールの後はポートリーの街へ移動し、ドミトリーの様な2段式ベットのホテルにチェックインした後、島の北部へドライブに出かけました。
スコットランドの春や夏は日照時間が長く、夜9時頃まで十分に明るいため、活動するには絶好の条件です。
キャンピングカーで自由に滞在地を選ぶ旅行者も多く、供給が需要に追いつかないスカイ島でのホテル宿泊費の高騰を考えると、非常に賢い選択だと感じました。(どうせ泊まるだけならと安宿にしましたが、ドミトリーの様な安宿でも結構なお値段)
また、ポートリーではレストランの選択肢が限られており、繁忙期には予約なしでは入れるレストランがほとんどありません。
結果、多くの人がテイクアウェイのフィッシュアンドチップスやスーパーのサンドイッチに頼ることになります。レストランの予約は必須です。

スカイ島でキャンピングカーで滞在する方々

スカイ島は南の方は比較的穏やかな景色ですが、北の方が急峻で荒々しい自然を満喫することが出来る場所が多い印象です。
次回に2日目以降の記録を書きたいと思います。

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