2019年11月の記事一覧
ノンフィクション ~Ⅳ 歴史~ 『渋江抽斎』森鴎外(1)
【ミステリーカット版『渋江抽斎』をつくる】
一
『渋江抽斎』をノンフィクションとして読むということ、さらにミステリとして読むことは果たして可能だろうか。
前者に関しては問題なく可能だろう。『渋江抽斎』は一応〝史伝小説〟という分類になってはいるが、鴎外がこの小説を書くために試みた手法は現代のノンフィクション・ライターが一編のノンフィクションを物すときに用いる手法と何ら変わりがない。例え
【ミステリーカット版『渋江抽斎』をつくる】
一
『渋江抽斎』をノンフィクションとして読むということ、さらにミステリとして読むことは果たして可能だろうか。
前者に関しては問題なく可能だろう。『渋江抽斎』は一応〝史伝小説〟という分類になってはいるが、鴎外がこの小説を書くために試みた手法は現代のノンフィクション・ライターが一編のノンフィクションを物すときに用いる手法と何ら変わりがない。例え