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株価指標の見方

①効率よく稼ぐ企業を探せるROE

Return On Equity(自己資本利益率)(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

この値が高いほど、効率的に自己資本を活用していることを意味している。
ROEはその株を買うことによって、どれだけ効率よく利益を狙えるかを示す指標。日本株は全体で8%前後の企業が多い。10%以上なら優良企業。

*自己資本とは純資産から新株予約と少数持株分をひいたもの


②資産の活用度合いを見るROA

Return On Asset(純資産利益率)(%)= 当期純利益 ÷ 純資産 × 100

企業の総資産をどれだけ効率よく利益に結びつけているか。ROEの分母は自己資本だけなのに対し、ROAは他人資本である負債も含める。日本株は4%前後、アメリカ株は6%前後の企業が多い。
設備投資をすると負債が増えるため、工場やインフラをもつ企業はROAが低くなり、IT企業等はROAが高くなる傾向あり。

*他人資本とは借入金や社債など株主以外から調達した資本のこと


③稼ぐ力から株価の割安度を測るPER

Price Earinigs Ratio(株価収益率)=株価÷1株当たり純利益

1株当たりの純利益に対して現在の株価が何倍まで買われているか。PERが低いほど割安→買いサインになる可能性あり


④資産から株価の割安度を測るPBR

Price Book-value Ratio(株価純資産倍率)=時価総額÷純資産
               or..   =株価÷BPS

企業がもつ純資産に対して現在の株価が何倍まで買われているか。純資産と時価総額が同じであればPBRは1倍。PBRが1倍未満だと割安、1倍以上だと割高。


⑤EPSで企業の稼ぐ力を見る

Earnings Per Share(1株あたりの当期純利益)=当期純利益÷発行株式数

EPSが高いほど企業の収益性が高いこと意味する。当期純利益が多く、発行株式数が少ないほどEPSは高くなる。

企業が得た利益の一部が配当として分配される場合、
配当性向(%)=1株あたりの配当÷EPS×100


⑥BPSで1株当たりの資産をみる

Book-value Per Share(1株当たり純資産)=純資産÷発行株式数

企業がもつ資産が1株あたりどれくらいかを表す。BPSが高い企業は財務面や安定性が高いと評価できる。が、BPSの計算には株価が含まれないため、株価が上昇しても下落してもBPSは変わらない。


⑦赤字企業の割安度がわかるPSR

Price to Sales Ration(株価売上高倍率)=時価総額÷売上高

PSRは時価総額に対して売上高がどれだけあるか。PSRが低いほど現在の株価は割安と判断される。株価の割安度を見るにはPERやPBRがあるが、赤字企業や債務超過の企業はそれらが算出できない。

*時価総額=株価×発行株式数


⑧成長見込みのある中小型株を探せるPEGレシオ

Price Earings Growth = PER ÷ EPS成長率(来期の予想EPS)

PEGレシオは企業の利益成長率から現在の株価の割安度を測る。一般的にPEGレシオが1倍以下は割安、2倍以上は割高。
成長力ある企業は注目度と比例してPERが高くなりがち。予想成長率の値を計算に使うことで、PERの高い企業の中でも今後の成長力がある、有望化株を選別できる。


⑨株主資本回転率で資本の有効活用度を見る

株主資本回転率(%)=売上高÷株主資本×100

株主資本回転率が大きい企業ほど、株主資本を効率よく売り上げに繋げていることが分かる。回転率は1年間の回数であり、200%ならば資本の2倍売上があるということである。大企業の平均は200%ほど。資本が小さい中小企業や新興企業の平均は300~500%ほど。


⑩サスティナブル成長率で新興企業を比較

サスティナブル成長率(%)=ROE× 内部留保率×100
*内部留保率(%)=(当期樹利益-配当金)÷当期樹利益

サスティナブル成長率は、企業の内部留保をどれだけ効率よく成長に結び付けているかを見る。平均は10%ほどで、値が高いほど成長力がある。新興企業などの無配当の企業は純利益を内部留保することが多いため、サスティナブル成長率が高くなりがち。


⑪シラーPERで長期的な割安を見極める

シラーPER=株価÷過去10年間の1株当たり純利益の平均値

インフレ補正済みの1株あたり純利益の過去10年間の平均値を使う。平均を使うことを除けばPERの計算(株価÷1株当たり純利益)と同等。
PERは景気の影響を受けやすいため、シラーPERで長期的な視点で現在の株価の割安度を見られる。


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