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射幸性の煽り方と絞り―なぜだれでもアソビ大全の「戦争」は面白くないか―

バカラというカジノゲームがある。2人のNPCの試合の結果に賭けるゲームである。バカラには一切プレイヤーの意図が関与しない。NPCのじゃんけんに賭けをするだけだ。

なぜ、あまりに単純なこのカジノゲームがカジノの王様と呼ばれるのだろうか。これはバカラの絞りというシステムが影響している。具体例はこの動画を見ると、とても良くわかる。

絞りをすることで、勝ちの確率が上昇していく様に興奮するのである。

パチンコにも確率上昇による射幸心の煽りが使われている。リーチのことだ。リーチが発生すると大当たりの可能性が上がる。大当たりの予感は、やはり人を興奮させる。

『だれでもアソビ大全』で採用されている、トランプゲームの「戦争」に確率上昇のメカニズムを適用してみよう。

2人のめくった数字の大きいほうが勝ち。ほとんどバカラと同じである。当然、絞りをすれば面白くなる。しかし、流石に子供向けゲームとしてふさわしくないだろう。

ではどうするか。同時公開だから、じゃんけん以上の要素がないのである。1人目がカードを公開して、時間をおいて2人目のカードを公開すれば良いのである。

1人目のカードを公開したときに強いカードがめくれて悲しみ、弱いカードがめくれて喜ぶ。その後、2人目のカードを見て一喜一憂する。そのお作法を守るだけで随分とまともなゲームになるのである。

戦争を面白くする小手先のルール追加はたくさんあろうが、素朴な見せ方だけでゲームというのは大きく変わりうる。そのことを覚えておきたい。

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