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試験を受けました【TOEIC・英検1級】

WaSh

今年は色彩検定の他にもいくつか試験を受けました。
ボクは日本語だけでなく英語のスピーチやプレゼンテーションなど
パブリックスピーキングを書いたり指導する立場でもあるので
英語力については客観的な証明を取得しておいた方が
ご相談にいらっしゃる方にとっても明快で良いかなと思いまして。

はたして結果は

TOEIC965点(リスニング485点/リーディング480点)
英検1級合格

良かったよかった(笑)ホッとしました。
TOEICは追い込む余地がありますが、それはまた追々。

帰国子女でなく、留学もせず、駐在もせず、海外在住経験がなくても。
大学の専攻が語学でなくても、勤めた業界が商社や金融でなくても。
英会話学校に通わなくても、特別な教材を買わなくても。
日本にいても、コツコツやればこれぐらいのラインはクリアできる。
そのことは実証できましたと思います。

さて、ご存知の方も多いと思いますが
TOEICと英検1級はその試験の内容や目指すところが大きく異なります。

TOEICは日常生活のコミュニケーションを重視した内容です。
「英語圏で日々の暮らしができる英語力」ですね。
なので英語自体はさほど難しくはないと思います。必要な語彙も基本的。
一方、英検1級はTOEICより英語としては骨が折れます。
問われるのは「英語で学術研究や高度なビジネスを行う英語力」だそうで、
合格する人の最低レベルがTOEIC940点前後と聞いたことがあります。
1次試験は筆記(与えられたテーマでの自由英作文を含む)とリスニング。
2次試験はその場で与えられたテーマに沿った英語スピーチと質疑応答。
最終的に合格するのは全受験者の6%前後とか。

とりわけその2次試験の難しさがよく話題に上がります。
語彙が非常に難しく、長文も難解で、凝った英作文も求められる
(センター試験や共通テストの英語や、TOEICは満点という人でも
空欄補充問題の4択単語がどれも初見なんてことがままある💦)
そんな1次試験に無事合格した人でもまったく歯が立たず、
お地蔵様のように固まってひと言も話せないまま終わることも。

例え言語はできても、スピーチはある程度指導を受けて
そのやり方を掴んでいないと合格するのは難しいかも知れません。

1次試験にはほぼ毎回合格できるのに2次試験で何年間も落ち続けて
英会話学校のスピーチクラスの門を叩く人も多いそうです。
そんな試験なので対策のための本やWebサイトもたくさんあります。
専門のクラスを開いている英会話学校や英語塾もあります。
そういった場所で、こんなやり方が薦められているのをよく目にします

・5択テーマからは、合意か不合意かを問うテーマを選ぶ。
・スピーチの内容は次のパターンにハメる。
 ①最初に結論として、自分がいずれの立場かを述べる。
  →私はこのテーマについて賛成(反対)である。
 ②次に理由を3つ説明する。絶対に3つ。
  →理由は3つある。
  →まず1つ目は〜である。(以下説明)
  →次に2つ目は〜である。(以下説明)
  →最後に3つ目は〜である。(以下説明)
 ③時間が余りそうだったら、反対の意見についても触れる。
  →反対(賛成)の立場も分かるが、それについては〜と考える。
 ④最後にもう一度、結論を述べる。
  →以上の理由から改めて、このテーマについては賛成(反対)である。
・質疑応答は、質問が分からなければ聞き直してイイが1回だけ。
・聞かれたことだけを端的に答える。余計な会話はしない。
・頻出テーマについては事前にこのパターンでスピーチを作っておき
 それを全文暗記しておく。当日読みが当たればまるまま暗唱する。

合格するためにはこの組み立てが鉄則であるとして
色んなテーマをこのパターンにハメて徹底的に練習を繰り返すそうです。
理由なんかも絶対に3つ。なければひねり出せ!の勢いで(苦笑)

ボクは、このやり方はしたくありませんでした。

確かに穴はないやり方だけど、ただただ面白くないなぁと。
下手すると面白くないことがマイナス評価になるぐらい面白くない。
もしボクが面接官なら、飽き飽きします。またこのパターンかと。
ホントにこの流れを守らないと合格しないのか?
自分がこれまでやってきたスピーチでは通用しないのか?
ボクのスタイルでやったらどんな評価になるのか?
むしろそれらを実験してみたい!と強く思ったので
今回は特別な準備はせず、この鉄則も忘れて受験してみました。

まず5択のテーマからは
「この1世紀の間に進んだ環境破壊は、回復させることが可能か否か」
を選びました。

真っ先にアタマに浮かんだのは、イタリア・ベネチアの運河が
観光客が減ってめっちゃキレイになったという話。
なぜ思い出したかというと、実はボク自身が昨年ベネチア旅行を計画して
手配も済んでたのにコロナでフライトが欠航になって行けなくなり
日頃から恨めしく思っていたからです(苦笑)

よし、スタンスは「回復は可能」で行こう。

じゃあ理由はベネチアの話と…あと何かないかな…
リモートワーク導入で都心オフィス街の電気代が減ったとか聞いたな。それ。
もう理由はこの2点でイイや。
あとは回復のために我々に何ができるか考えたいよな。
国や企業は大概色々やってるけど、個人にも何かやるべきことあるはず。
具体的なことを考えてる時間はないから、意識が大事!ぐらいにしとこうか。
「理由」と「改善に向けて」の2部で構成しよう。
そして超ザックリとあらすじを考えたところで時間切れ。

やったスピーチは以下の通りです。

====================
環境破壊は今からでも回復が可能だと思います。
その可能性を示唆する実例を2つ挙げたいと思います。

ひとつは、コロナ禍で観光客が減ったベニス運河で水質が劇的に改善され
白鳥やイルカが見かけられるほどになったという逸話です。
もうひとつは、リモートワークが進んで通勤客が減った東京都心の気温や
電力消費量が、前年に比べて大きく低下したという事実です。
これまでは改善や低下などもはや望めないと諦められていたことです。
いずれも戦略的に実現した成果ではなく、感染症の蔓延という不測の災いが
もたらした想定外の副産物ですが、人間がその習慣や行動を変えることによって
環境汚染や地球への負荷は減らせることを実証していると言えます。

では、そのために私たちにできることは何か?
色々ありますが、国や企業にできることは既に相当進んでいると思います。
例えば生産活動や製品から二酸化炭素の排出を減らすことですね。
一方、市民一人ひとりはこの問題を未だに
「国連で議題にされてること」や「国や企業の責任で解決すること」と
遠い他所ごとのように考えている雰囲気があります。
これをどうやって個人の問題だと認識させるか?
そしてどうやって日々の生活において可能な行動を喚起するか?
そういった小さな努力の集まりこそが、この大きな目標を達成するための
鍵だと思います。それを刺激する具体的で強いストーリーが必要です。

コロナとの戦いを通して
人類はその生き方を改めて考え直す大きなチャンスを得たと思います。
そして何より、私は危機が迫ったときの人類の叡智を信じています。
だからこそ環境破壊は今からでも回復させることが可能だと思います。
====================

実際はすべて英語です。
即興スピーチとしては決して悪くない組み立てだとは思いますが
例の構成とは違いますよね。
しかも質疑応答では逆にボクが面接官に問いを振ったり(笑)
「合格の鉄則」をことごとく破ってみましたが
それでも合格しました。

評価項目は「構成」「やりとり」「語彙・文法」「発音」の4項目。
各10点満点ですので、計40点満点です。
合格には最低26点必要と言われます。4で割れば項目当たり6.5点。
で、好きにやってみたボクのスピーチは「構成」が8点/10点満点。
そして「やりとり」は8点/10点満点。どちらも項目単体でクリアしてます。
つまり例の「鉄則」に囚われる必要はない!もっと自由にやってイイ!
そのことがハッキリしました。
ちなみに残り2項目「語彙・文法」「発音」は9点/10点満点で
合計34点でしたので、全体としては割と余裕を持って合格していました。

率直に自己評価すれば…
こんなスピーチは日頃からスピーチやプレゼンテーションに
意識して取り組んでいる人なら誰にでもできるようなレベルです。
言い換えれば、天賦の才やセンスどうこうという問題ではありません。
適切なアプローチを学んで理解を深めれば全員ができるようになる。
つまり「特殊なスキル」ではなく、「リテラシー」であるということです。
基盤としてしっかりした「リテラシー」を習得すれば
何かの試験や面接、面談、発表などのたびに姑息的に対策を立てて
しんどい思いをして機械的な練習を重ねなくても良いのです。

むしろ今回はどんな創意工夫をしようか?と楽しくなってきます。

もちろん前述の「鉄則」みたいな戦術的なやり方も
試験に合格するということだけに特化するならばアリでしょう。
でも、本当は本質的なリテラシーの習得が真の目標であって
試験の類はその習熟度を確認し証明するための手段に過ぎません。
「鉄則」は本質の理解に近づいていくための練習題材であって
それを丸覚えして試験で点が取れれば良いというものではありません。
その先にある、どこでも通用する本質を見据えていないと
試験のための試験、そしてそのための勉強になってしまいます。
そのリテラシーを自由に使いこなす楽しさや面白さ、そして強さも
分からないままに終わってしまいます。

欧米ではスピーチのリテラシー教育が初等教育から実施されていて
それが大人のプレゼンテーションリテラシーにそのまま繋がっています。

それらリテラシーを持つ者同士は、非常に高いレベルで実力勝負になります。
一方、日本ではこれらが一部の人が持つスキルと見なされていて
広くリテラシーとして教え、学ぶようなレベルには至っていません。

ですからビジネスやアカデミーのかなりレベルが高いシーンにおいても
コレを持つ者と持たざる者の両方が存在しています。
そしてそれ故に、その巧拙で価値評価や勝負が決まることが多々あります。
国内でもそうです。ましてや海外が相手となるとさらにそうなります。
そんな「逆転劇」を、ボクは実務においてこれまでたくさん見て来ました。
勝つべき人が負ける。選ばれるべきモノや情報、提案が棄却される。
逆にそうして負けてきた人や、棄却されてきたモノ、情報、提案が
その気付きを得て一気に主役を取る。

どちらになりたいか?言うまでもありませんよね。

そういう世界の戦いを「楽しめる側の人」を日本に増やす。
その武器を家中秘伝の術ではなく
みんなが自由に使いこなせるようにする。
それがボクのエキサイティングな仕事です。

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