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53cmの会社

かつて「53」という会社がありました。iOSのアプリ「Paper」を開発した会社です。現在、wetranfer社に吸収されましたが、アプリは今も存在し、私も愛用しています。

会社名の53の由来は、人間の心臓から指先までの距離の平均数値53cmであることから来ています。

心と表現の間にある距離。ここをもっと血の通った、もっと豊かなものにしていこうという願いに、心揺さぶられました。あらためて53という数字を眺めてみると、何とも愛おしい数字に見えてきます。

53の開発したPaperは、まさにそれを体現したアプリです。できることは多くありません。心と指先までを心地よくつなぐ、拡張ツールです。

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これはPaperで描いた5分のスケッチ。英会話の先生への、小さな贈り物です。

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これはPaperで作成したコラージュです。自分で焼いたパンが、なんだか他人事に思えず、撮った写真をトリミングして、目と影を足したものです。

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お仕事で、ちょっと相手にニュアンスを伝えるのにも、便利です。テキストだけでもなく、絵だけでもなく。

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グラフィックレコーディング的な使い方にも向いています。ペンツールなど、種類や太さが限られている分、書くことに集中できます。

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カラーパレットは七色単位で複数用意できます。今ここにある七色は、息子の通うピアノ教室にあるレトロなぬいぐるみから色を拾ったもの(!)で、よく使うパレットです。

上の画像にあるローラーペンキが、これまた最高の描きごごちです。少しコツが要りますし、正直描きにくいところまで含めて、気に入っています。

私の心と指先までの距離は変わりませんが、心にあるものを、シンプルに、美しく取り出してくれる、大切な道具を届けてくれた、53。

創業者のGeorg Petschniggさん、Andrew Allenさん、開発スタッフのみなさんに愛と敬意を込めて。(カンパーイ!?)


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