見出し画像

【シャニマス】注目度と被弾率の関係について

青のりと申します。
今回は、シャニマスのステータスの一つである「注目度」と「審査員の口撃の被弾率」(公式では「審査員から厳しい言葉が飛んでくる確率」)の関係について検証を行なったのでそのまとめを行います。

ゲーム内ヘルプ「ライブ」→「ステータス効果」より

用語の解説

この記事では説明のためにいくつかの用語を定義します。

・口撃
「審査員からの厳しい言葉」。「リアクション」とも。
・◯way(1way、3wayなど)
1回の口撃の対象となる人数。3wayが多い。
・被弾率
1回の口撃に対して、その対象に選ばれる確率。
・参加者、参加人数
ライブ中のライバル+自分のこと。参加人数はその数。
グレード4以上のグレフェスにおいては6人です。メン死(メンタルが0になりリタイアすること)は今回考えないこととします。
・(注目度)フラット
参加者の誰も注目度が変動していない状態。

仮説について

まず今回立てた仮説について説明していきます。
少し混み入っていますが、先に結論を述べるとこの仮説が合っている可能性は高いです。

以下特に断りがない場合参加人数は6とします。

これを読んでいる方なら、参加人数が6でない場合を考えたいとしたら
wingの山と4万オデくらいでしょうか。

基本原理

まず前提として、注目度のデフォルト値は100%で、スキルなどによりこれが上下するものとします。そしてこれをルーレットの的のように割り振り、口撃対象を1人に定めます。

これだけだと何言ってるのかよく分からないと思うので、もう少し具体的に簡単な場合から順に説明します。

1wayの場合
ここで注目度がフラットなら、1wayなので参加者それぞれの被弾率が1/6(≒16.7%)になることは対称性から明らかです。
これを「6人の参加者全員が100%のクジを持ち寄っている状態」とします。この時全体の注目度の合計が600%なので、参加者それぞれの被弾率に直すには注目度100%を全体の600%で割る、つまり100%/600%≒16.7%というわけです。

自分が注目度1000%upをした場合、「自分が1100%、他の参加者5人が100%のクジを持ち寄っている状態」になります。
全体の注目度の合計は1*1100%+5*100%=1600%であり、
自分の被弾率は1100%/1600%≒68.8%
他の参加者5人は100%/1600%≒6.3%

となります。イメージとしては次のようにすると直感的でしょうか。

1wayについては、このように「全員の注目度を合計してそれぞれを割る」ことで求められます。


2wayの場合
2way以降についてはこれを繰り返します。
つまり、「1wayと同様に一人口撃対象を決めた後、残りから再度同じように抽選を行う、それをway数だけ繰り返す」ということです。

ここでは2wayについて見ていきましょう。
自分とライバルの1人が注目度100%upをしたとします。このライバルをライバルAとします。
先ほどの1wayと同様に、一人口撃対象を決めます。
この時全体の注目度の合計は2*200%+4*100%=800%で、
自分とライバルAの被弾率は200%/800%=25%
他の参加者4人は100%/800%=12.5%

となります。

ここでは25%を引き当て一人目に自分が選ばれたとしましょう。
そして残りの5人から二人目を選びます。
自分は選ばれたので抽選対象から外れ、全体の注目度の合計は自分以外の5人の注目度の合計、つまり1*200%+4*100%=600%となり、
ライバルAの被弾率は200%/600%≒33.3%
他の参加者4人は100%/600%≒16.7%

となります。

3wayはこの工程をもう一回繰り返す(二人目を選んで残りから注目度を合計し直して三人目を選ぶ)、4wayはもう二回…というわけです。

但し勿論これは計算上の話であって、ゲーム画面において〇人目というのはこちらからは見えません。

基本原理の説明終わり。


ここである程度聡明な読者の方は思ったことでしょう。
「あれ…?被弾率の計算って難しくね…?」と。

その通りです。
当たり前ですが、よくある「参加者6人で3way」なら結果だけでも6C3=20通り、そして上のように確率を計算するとなったら「一人目を選ぶので6通り、二人目はそれ以外の5通り」、つまり6P2=30通りの場合分けをした上で三人目を決める必要があります。手計算では非常に面倒臭いですね。
これを真剣に計算する場合、お手元にある電子計算機を使わざるを得ないでしょう。(一応参加者6人1~3wayの場合の、参加者それぞれの被弾確率を計算できるスプシも作りました。4way以上はプログラミング組んだ方が良いと思います。)

しかし実際は、グレフェスやコラボフェス以外であれば基本的に注目度変動は自分のみですし、それらでさえもライバルの注目度は分からないので余程の事情がない限りはライバルの注目度は一定として計算することになると思います。


ライバルの注目度が均一な場合

ここでライバルの注目度が均等の場合(変動なしでも良いし全員注目度20%upなどでも良い)、計算は比較的かなり簡単になります。


noteに数式書くの面倒すぎたので画像直貼りです。

(一応補足ですが途中で出てきた「Π」は総乗で、総和Σの掛け算バージョンです。I=0,1,…,w-1を代入していった値を全部掛けます。詳しくはこちらなど。)


ここまでこの仮説の説明を書いてきましたが、人によっては既に知っていたり当然だと思った方もいると思います。結構周りにこの説に辿り着いている人は一定数いらっしゃいました。逆にこれ以外でもっともらしい説を見かけたことがありません。
例えば「注目度100%upで被弾率が2倍になる」と考えついたとしても、3wayでフラット時の被弾率が50%な以上注目度100%upで被弾率100%になる、などということはありません。
つまり今回は他に有力な説がない状態での検証になります。

そしてこの仮説の非常に重要な性質について触れておきます。注目度をクジ、あるいは的として扱っているため、絶対値0つまり「被弾しない注目度」が存在することです。もし実際に「被弾しない注目度」が存在する場合、全く異なる説でこの現象を説明するのは非常に難しいように思われます。
つまりもし注目度100%downの時被弾しなくなるのであれば、この仮説は非常に有力だと言えます。

検証方法

検証に使用したのはWINGのオーディションとFes Tours(以下FT)です。
WINGとFTでライバルNPCの注目度の仕様が異なる可能性を否定しきれないので(それをわざわざ調整しているような運営ではないと思いますが)厳密にやるなら一つに定めた方が良いと思います。しかしFTの日程などの都合と注目度の調整難易度など諸々の都合でWINGのオデも併用しました。
カウントミスを少なくするため、審査員が3人とも口撃を行った場合のみ記録しています。

注目度の調整方法

まず前述の通り、この仮説を検証するなら注目度100%downの状況を安定して作り出さないといけません。パッシブによって注目度100%downピッタリに収めるのは非常に集計効率が悪く、LSによって制御するのが好ましいです。
また注目度downは大抵数値が20%や30%程度に抑えられており、これらで100%downを達成するのは難しいでしょう。

ということで用いたのがこちら。

【彩りファッションドール】大崎甜花はアピール値0で3ターンの注目度50%downという非常に便利なLSです。

検証時点で一度に50%も下げられるのはpトワコレの【縷・縷・屡・来】幽谷霧子のパッシブくらいで(執筆時ではp恒常の恋鐘が追加されました)、サポートのLS、しかも恒常でこの数値はソシャゲ初期特有のバランス調整の粗さでしょう。フェスならこれを5枚搭載すれば容易に注目度100%downを維持できます。
そしてアピール値が0なので、FTの序盤ステージでこれとメンキュアで審査員を3人生かしたままサンプルを取り、TAが危うくなってきたら全体札を撃ってリタイアを避けることが出来るため集計効率が非常に良いです。(高レベルだとアピールをしていかないとリタイアすることになり効率が悪い)
このFTを使う手法では、他にはLPアビリティの「夢咲きAfter school」や、アピール値0で注目度upが4Tも持続する【想ひいろは】杜野凛世や【純真チョコレート】園田智代子が便利です。
「夢咲きAfter school」は無印で10%、+で更に+15%なので、ファッションドールと組み合わせると色々な注目度を安定して実現できます。
ただこの手法は当然ながらFTが開催されている間しか使えず、またステージ数とリタイア回数の都合上一日あたりに集められるデータにも限界があります。

そこでWINGのオーディションでも集計を行いました。これについては詳しく記す必要もないと思います。注目度変動できるLSやパッシブなどを入れて逐一記録しました。ただこれはどうしてもランダムになるため、取れるサンプルの量を厳密に決めきれませんでした。

結果

その結果がこちら。

参加人数6人3way

色付きの注目度変化は取ろうと思って取った値、白はとりあえず記録だけしておいた値です。

今回はサンプルサイズ500を最低限、1400を標準とし、データ点の重要度、そして前述のような注目度の調整しやすさに応じて2000のラインを設けました(大体2σが2~3%程度になるようにしている)。

分かりやすいようにグラフを示します。

エラーバー(赤丸に付いてるT字の棒)は2σで付けてます。

これを見ると非常によく一致していることが分かります。少なくとも参加人数6人3wayであれば、上の計算式は非常に良い予言精度を有していると言えます。
そして見ていただきたいのが100%downです。試行回数501回で1回も被弾しておりません。90%downで被弾していることも鑑みると、これは非常に有力な証拠になります。ちなみに「連続で501回被弾しないことが5%の確率で起こる被弾率」は約0.6%です。

ちなみに参加人数6人2wayの場合も、データを取る価値に気づいたのが非常に遅く、数が少ないながらも集計しました。FTを用いています。

参加人数6人2way

少なくとも大きくずれてはおらず、仮説と整合的です。

以上のことから、この仮説は正しい可能性が高いと言えます。


現状の問題点

最後に、この仮説の問題点を説明しておきます。
以上のように、この仮説は非常に精度良く実際の被弾率を表しています(少なくとも他に有望な案が出てこない限り盲信して良さそうです)が、ある問題点を抱えています。
それは「注目度が0より大きい参加者が口撃対象数より少ない場合にどうなるのか?」がよく分からない、ということです。
例えば参加者6人3wayで、参加者4人が注目度0%(=100%down以上)、他の2人が注目度100%(デフォルト状態)だったとします。

2人のうちから3人選べ、というような状況に

恐らく3wayのうち2人は注目度100%のアイドルだと思いますが、残りの1人はどうやって選ばれるのかこの仮説のみでは説明できません。

一応いくつか考えられるものとしては、「注目度が高い参加者から選ばれる」(残っているのが100%downと120%downなら100%downが確定で選ばれる、同率複数ならランダム)や、「参加者全員の注目度変動を+100%してから抽選し直す、これを対象者が決まるまで行う」などがあります。
しかしそもそも「注目度が0以下の参加者が複数いる状況」が現状だとほぼ再現不可能なので、検証も実質的に不可能というわけです。逆に言えば、そのかなりのレアケースでなければ今回の説で十分だ、ということでもあります。

ただこれがグレフェスの歴史の中で一度も無かったか、というとそういうことでもありません。

これは【縷・縷・屡・来】幽谷霧子実装時のグレフェスのルールで、3Tの注目度50%downを付与するルールとなっています。恐らく上で述べたような状況が多く生まれていたと思います。
ということで、次似たようなルールが来たらこの記事が加筆・修正される可能性があります。あとこの期の動画持ってる方がいたら提供していただけると幸いです。

連絡は私のTwitter(@washington0706)のDMまでお願いします。

それでは。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?