女と暮らしてる女の恋愛遍歴 〜20代後半②〜

K氏と失踪騒ぎを起こした私、しかしその後もK氏と別れることなく5年に渡る付き合いを続けることとなる。実家との関係、C氏のこと、K氏自身の性格など、いろいろ消耗する修業期間な5年間。私の人生の中で最もハードだった時期の話〜。


実家との関係

K氏との付き合いについて、私はまず母に伝えていた。C氏やH氏とのことを改めて言ったことはなかったのにK氏のことを話したのは、K氏が私の愛媛から香川への帰省に「ついて行きたい」と言ったからだったと思う。結局その時は母が受け入れなかったので同行しなかったが、K氏とはそういう「家族ぐるみの付き合い」を求めるタイプの人であった。

その後失踪騒ぎにより、2人の付き合いは互いの家族にしっかりと認識されることとなる。普通ならそんな大変なことをしでかしたら「別れなさい」ってことになるのかな?しかしそうはならなかった。うちの家族は本当はそう言いたかったかもだけど、私もアラサーだったし「いい大人の恋愛に家族が口出ししてもどうにもならんだろ」と考えたのだろう。なんか緩いような、理解のある家族でありがたいような……。

互いの家族公認の付き合いとなり、愛媛ではK氏の実家に出入りし、香川への帰省時はK氏を同行する。とっても田舎住まいのK氏とその家族との付き合いは、カルチャーショックも含めていろいろと勉強になった。また私の実家もK氏への受け入れ態勢を整えてくれて、K氏と付き合っている期間は「家族の良さ、ありがたみ」を改めて感じることとなる。


実家に帰る

K氏と付き合い始めて2年程たった頃、経済的なこと、その他の事情で私は地元香川に帰ることを決める。この決意をした私の胸の中には「まだ引きずっていたC氏のこと」「K氏との付き合いに疲れた」などの思いが渦巻いていた。

C氏とはその後もずっと同じ職場で毎日顔を合わせる。個人的に遊ぶことはなくなったが、やはり嫌いになったわけではない人。ならどうして離れたの?って言われそうだが……ホント、どうしてだろうね?「C氏のことをきちんと忘れたい」という思いはずっとあった。

K氏との付き合いは「大嫌いになるまでは続ける」という、自分で自分にかけた呪いに支配されていた部分がある。悪い人ではないし、私のことをとても好いてくれている。でも興味の方向がまるで違う、喧嘩が絶えないなど、自分でも「何で付き合ってるのかわからない」状況だった。しかし私に粘着してる感じだったので、「別れ話しても、すんなりはいかないだろうなー」という諦めもあり。そんで「実家に帰る」ことで遠距離になれば、どうにかストレスなく別れられんかなーなんて打算も。


実家での同居

K氏に「いろいろあって、香川に帰る」と告げると、「自分も一緒についていく」と言い出した。……私、実家に住むんですけど。結局K氏に流されて私は実家家族を説得、3ヶ月の時差をおいてK氏も香川にやってくる。……多分、仕事を変えたかったんだな。そして私に粘着。

実家暮らしでも喧嘩は絶えない。私も実家に住むのは10年振りくらいで、家族とペースが合わなくてイライラ、K氏も他人の家に住むストレスでイライラ、そりゃあ喧嘩になるわな。K氏は意外にすんなり仕事を決めて、そういう意味では安定していた。私の方が、長く勤められる職場になかなか巡り会わなかった。結局仕事が安定したのは、K氏と別れた後だったね。

実家家族とはストレスはありつつも、それなりに上手くやっていたK氏、特に母はK氏をとても可愛がってくれた。田舎育ちのせいか、家族をとても大切にするK氏、その姿勢から私が実家では学ばなかったことを学んだ部分もある。


LGBT団体への参加

その後2人で地元LGBT団体Pの会にも参加するようになり、そこでK氏は自分と同じような人達に会うこともできた。団体Pが主催するイベントの通年スタッフを一緒にやったりもした。

正直なところ、K氏はあまり面白そうではなかったが、もともと合唱団や演劇団体にいた私にはイベントの裏方仕事は慣れたこと。大変なこともあったが、職場と実家以外の人間関係が広がるのが楽しくもあった。

通年スタッフも2年目に入る頃、今の相方が遅ればせながらの業界デビューをして団体Pに出入り?するようになる。そして同じくイベントのスタッフとして加入してくる。その辺りの話は次回、やっと終わりが見えてきた!

私の文章に少しでも「面白さ」「興味深さ」を感じていただけたら嬉しいです。