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人口減少と経営リソースに関する感覚ズレの正体みたり枯れ尾花(就活生は知っておいたほうが良い現実)

僭越ながら、60〜70歳代の経営者の方とお話をしていて感じる感覚のズレが気になったので、人口ピラミッドを使って説明してみた資料をメモがてら置いておきます。
※グラフは「統計ダッシュボード」を使わせていただきました。

ことの発端は1990年ごろ

この頃何が起こっていたかと言えば、アナログからデジタルへの移行期。
この言い方もものすごく当時っぽさを表していますが、この頃手書き書類からワープロをはじめとしたデジタル機器を入力媒体とする書類へと移行した時代です。
間違っていけないのは、紙から電子機器へ置き換わっただけで、手間は変わっていない、手書きからタイプライターへ変わったようなものだということです。つまり、生産性は全く向上していない時代。
まずはこの頃の人口プラミッドを見てみます。

1990年の人口ピラミッド

この図だけだとわかりにくいので、ちょっと書き足します。

1990年の人口プラミッドと実質的な労働人口

こうすると、団塊ジュニア世代がちょうど新人として組織に参加しつつ、当時の役員候補とその下の世代に、電算化の担い手(自分たちの代わりにワープロなりオフコンなりのオペレーター)として重宝されたことがなんとなくわかります。(僕がその世代なので)
ただ、世の中がそういう流れだったというだけで、団塊ジュニア世代が生産性を向上できるノウハウを持っているかって言えば、必ずしもそうではありません。
先に書いた通り、アナログからデジタルへの置き換え期であって、コピペで幾通りもの類似書類ができる時代ではなかったので。

2025年を見てみる

この記事を書いているのが2022年6月なので、2025年なんてあと2年半。
ということもあって、2025年の人口プラミッドを見てみると…

2025年の人口ピラミッド

1990年と違って、次の担い手が少ないのです。
同じように書き足してみると…

2025年の人口ピラミッドと実質的な労働力人口

1990年頃に段階ジュニアに指示をした人たちは、65歳以上となっており、実質的な労働人口からはずれて、本来なら隠居していてもおかしくない…のですが…。
中小企業の大きい方の経営者の方だと、まだまだ影響力を持っている方が多いようでして、効率化経営に関して1990年頃の経験を元にした発言がモロモロ現経営層に影響を与えているケースも少なくないかと。

なぜそんなに影響があるのかと考えてみると、1990年代に起こったことを振り返るとわかります。
あの頃起こったことは単なる「置き換え」であって、タスク自体は減っていませんでした。また1990年以前まで続いた成長期の経験と感覚で経営してきた、つまり叩き上げで経営してきた組織にとっては、置き換えしても人の補充はいくらでもできたため、非効率部分をどのように最適化すればよいか、その方法論がわからない場合が多々あります。

その時、幹部候補だったり役員候補だったりした人たちが、その頃の上役からの指示と、当時の感覚のまま経営論や効率化経営の方法論ロジックに従わないで判断をしていると考えると…というか、その現象そのものが経団連に現れているのが現状。
関連するQuoraの回答をリンクしときますね。

勝負は2020年から10年間…いやもう始まっています

2030年の人口プラミッドと実質的な労働人口

1990年代に社会に出た団塊ジュニア世代(僕ら)ですが、2030年にはほぼ還暦を超えています。
デジタル化の置き換え時代を通り過ぎ、効率化経営の話が浮上し始めたのが2015年。遅いのです。日本では。

2015年の人口ピラミッドと実質的な労働人口

書籍が出始めたのが2017年。なにやら勉強会ができたり研究会ができたりしていたら、流行病がまん延して、いっきにリモートワークが浸透した2022年現在。
さらにリモートからメタバースへ移ろうとしているわけですが、1990年と大きく違って、「効率化」と「非移動」に関する「ITスキル」は、単なる置き換えではなく、活用から応用に、つまり考え方そのものが大きく変わっています。
それだけの変化に自分たちがついていけていますか? 特に幹部以上、経営層の皆さん。
ここで大企業は人が集まっているので、効率化経営していなくても人海戦術でまだなんとかなっていると思えますが、部署単位で見るとオーバーワーク気味になっているのでは?

2020年の人口ピラミッドと実質的な労働人口

これ、スキルを持った人たちが少ないから発生している現象で、1990年代のように、「誰かがやってくれる」は通用しないことを表しています。

「そんなこと代行業者にやらせれば良い」というセリフは1990年代の感覚です。ここでいう代行業者はある意味効率化経営を成している部分もあり、このセリフの裏側は『代行業者は下請け』という感覚に支配されています。
代行業者側は下請けではなく、いまや対等存在として認知しなければなりません。
経営の効率化モデルでは、自社のリソースで常時必要ではないものをカットし、足りなくなったリソースは他社によるリソースシェアリングによってまかない、組織内投資を自社スキルの最も得意とする領域に集中させ、資産を厚くしていくことが基本となりますから、もはや下請けという感覚ではありません。(だからサブスクリプションというモデルが存在するのです)

1990年と2020年の人口ピラミッドを合わせてみました。
どの年代がどれだけ減っているかわかりやすい。ちなみに、グレーのグラフが1990年です。

1990年と2020年の人口ピラミッド比較

こうやって見てみると、組織数に対して構成人数が少なくて、幹部・役員余りになっているのじゃないかと想像しちゃいます。
また団塊ジュニア世代付近で構成されている組織も結構多そうで、そうなると効率化という意味が把握できていない可能性も十分考えられます。

まぁ、このあたりが違和感の正体なのですよね。
この過渡期をどうやって乗り切るか…舵のとり方手腕が問われます。
代行ビジネスを考えたとしても、結局10年後には消えゆく顧客を抱えるだけになる可能性もあると…。

間違いなく、組織数はこの先減りますね。
こうやってみると、メタバースに取り組む50代2名が役員の弊社、(ことほむ 合同会社)、ネット老人会だけどアップデートし続けてるなぁ。
20代役員の存在のおかげ。(刺激が多い)

パズルのピースとその絵柄

1990年代から30年以上経過し、大量生産・大量消費モデルから、シェアリングモデルへと変化してきました。
大きな変化は、プラットホームを通じてニーズが満たされるケースが増えたことです。
大企業を通じて満たされるニーズは、主に車や住宅といった大きな金額が動くものを中心とした、ものづくりが主体のモデルケースです。

ニーズが満たされるケースの変化

これに対して、日常で起こる問題や繰り返し行われるタスクに対して、マッチングをサポートしてくれるプラットホームを通じてニーズを満たすケースが増えました。

この規模は年々拡大しており、大きな金額が動くはずの住宅や車などにも、その時必要な条件が当てはまれば、賃貸やレンタル、リースでも良いという感覚が浸透してきています。

これは個人が思い描く理想の暮らしに対して、パズルを埋めるかのように、プラットホームを通じてサービスのピースを探し、ニーズを満たすことが可能な社会ができあがりつつあることの顕在化とも言えます。

この流れは「信用情報」にも反映しており、現在ではウェブサイトを始め、Twitterや各SNSを通じてサービス提供者の信用度の一旦を図ることが当たり前になってきました。

この流れは諸外国のほうが早く、ワールドワイドで見た場合、最も信用度を左右するのは、サービスを提供する人(または組織を構成する人)の姿。
ポートレート写真がわかりやすいです。
これからはアバターとのギャップも関係性が高まりそうですが…。
そんなわけで、こんなサイトをご紹介します。

僕の知り合いでもある元証券会社支社長の方が提供している「肖像写真クリエイトサービス」なのですけど、この中の「肖像写真とは」の記事はなかなかに面白いです。
またこのページのモデルになっている方は、元中小企業の小さい方の不動産経営者だった方で…肖像写真を撮影され、自社のウェブサイトに掲載した後、都銀の大口融資が決定し、さらに上場に向けた準備まで進み始めているとのこと。もはや中小企業でも大きい方へ向かわれているそうで…そうなった決定打は、融資担当者からのウェブサイトに「人柄を伝えやすいビジュアルがあったから」だそうで。
これ以降毎年肖像写真を取り直し続けているとか。
この流行病下で、ン拾億円の売上を達成したそうですよ…。
というわけで、ことほむ 合同会社の役員一同も肖像写真を頼んでみました。
撮影が6月末なので、公開できるのは来月以降です。

そしてメタバースへ…

別記事で書いていますが、ことほむ合同会社は、歴史調査を元にしたサブカル系観光コンテンツ企画が得意なことを活かして、少々メタバースな企画をまとめています。
それに伴う開発も少しずつ進めていますが、活動自体はWeb3っぽくしていきたいと考えています。とはいえ、DAOまではちょっと難しいですが…。
コミケサークル活動っぽくやれると良いかなと思っています。

ことほむ 合同会社


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