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METAVERSEのフェーズとテクノロジー〜新しい働き方、稼ぎ方の時代へ向かって

一つ前の記事でメタバースのフェーズについて書きました。
長くなるので分割しています。(単独でも読めると思いますが)

新しい働き方(稼ぎ方)に向かうため、知っておいたほうが良いメタバースに関わる7つの主なテクノロジーがTECHTARGET NETWORKで比較的わかりやすくまとめられていましたの紹介します。
(頑張れる人は原文記事をどうぞ↓)

今回はフェーズに関わるテクノロジーについて。
現在の日本ではさまざまなメタバースサービスが独自の空間を使い、基本的にはそれぞれの領域で独立して研究開発されていることを書きました。
それぞれがフェーズ2の段階です。
しかしサービスの領域が分かれていたとしても、利用しているテクノロジーには共通性があります。
それではTECHTARGET NETWORKでまとめられていたテクノロジーを羅列してみます。

  1. Artificial intelligence(AI)

  2. Internet of things(IoT:モノのインターネット/AlexaとかHueとか)

  3. Extended reality(もうひとつの世界)

  4. Brain-computer interfaces(脳波検出インターフェイス)

  5. 3D modeling and reconstruction
    (3DモデリングとVR空間への持ち込み)

  6. Spatial and edge computing(VR空間作製)

  7. Blockchain(ブロックチェーン)

この中から特に注目されるテクノロジーをピックアップしてみます。

Artificial intelligence(AI)

最近イラスト画像生成などで話題になっているAIテクノロジー。
現状ビジネスユースでAIを使いこなしている企業は10%に満たないとTECHTARGET NETWORKの記事書かれています。
AIに仕事を奪われるなど一時話題になりましたが、振り返ればそのとき、まだAIの社会浸透は始まってすらいませんでした。

しかし2022年後半、最もAIに仕事を奪われることはないと言われたクリエイティブの世界が真っ先にその影響を受けるかもしれません。

ゲームクリエイティブにおける専門AIツール活用と将来について書かれたブログを紹介します。

生成サポートAIがゲーム制作のあらゆる工程で使われる未来が見えており、制作時間短縮のほか、少人数のチームで様々なゲームコンテンツをクリエイトすることができるようになるかもしれないと書かれています。

このことはメタバースにも当てはまり、VRChatのようなプラットホーム上でゲーム性を持ったワールドの構築とVR体験による新しい収益が生まれる可能性が考えられます。

コンピューティングによって一定レベルまで生成されるイラストやモデルをベースに作られる工程は、手描きから今日のCGが生まれるまでの流れを考えれば、何ら絵空事ではありません。

Extended reality(もうひとつの世界)

このテクノロジーは主にハードウェアの領域です。
最も注目されているのはARメガネ。
ここにはMicrosoftのHoloLensも含まれます。

テクノロジーの他に、Virtualという考え方を見直さないといけません。
Virtualは「仮想」と訳されてしまうため、現実世界よりも下に見られる傾向があります。
しかし本来の意味としては「平行世界」や「もう一つの世界」といった意味合いが強いのです。
Extended realityとは、VR・AR・MRなどを含めた包括的な言葉です。
従来までのWebサービスUIが3Dモデルを利用するようになった場合とは概念が違い、もう一つの世界でしか使えないモデルデータやアート空間、アクションデータや感覚データなどが取引される新しい経済圏経済圏ができると考えていたほうが懸命です。

3D modeling and reconstruction
(3DモデリングとVR空間への持ち込み)

記事内では3Dキャプチャ技術のことを書いています。
リアルモデルを3Dデータモデルにするため、キャプチャ技術は便利なものですが、ノイズの問題やデータ容量が大きくなる問題が残っています。

また3Dデータフォーマットの共通化も始まったばかりで、互換性はまだまだ低いと言わざる得ません。
BlenderやUnity、Unrealを使いこなす人材もまだまだ少ないので、この分野はブルーオーシャンと言えないでしょうか?

また3Dデータオブジェクトそのもののに価値が見出されてきていますから、先の2つの技術をうまく取り入れながら、今までとは違う価値を作り上げられるチャンスがこのテクノロジーに見え隠れしています。

BOOTHとVRChatが提携したようです。(2022.11.25)

Blockchain(ブロックチェーン)

メタバースサービスのそのものには直接的な影響はないと考えられますが、メタバースサービス内サービスでは大きな影響を与えるテクノロジーだと考えられます。
先の記事でも少し触れましたが、TOPPANのAVATECは3Dモデルの一意性を担保する可能性を秘めており、アバターに限らず3Dモデルアセット一つ一つに一意性をもたせることで、リアルなものづくりと同じく出荷数の概念がつかえるようになると考えています。

メタバース内で出荷数と一意性が担保できれば、リアルなものとは違い物質劣化がないため、販売されればされるだけ3Dアセットは「資産」と考えられるようになるでしょう。
メタバース内での資産価値向上を考えることで、新しいビジネスモデルも形成されることも大いに考えられます。
その基礎テクノロジーとして、ブロックチェーンはとても有望です。

まとめ

7つのテクノロジーの中から4つをピックアップしましたが、間にあるテクノロジーはピックアップしたものと関連が強いものです。
Artificial intelligence(AI)とInternet of things(IoT:モノのインターネット/AlexaとかHueとか)は音声デバイスですでに生活の中に入り込んでいるし、自動運転テクノロジーはこの分野での最高峰です。

Extended reality(もうひとつの世界)とBrain-computer interfaces(脳波検出インターフェイス)は、メタバース・ハードウェアにとって切り開きたい操作体系テクノロジーの一つです。
現在は視覚と聴覚がメタバースを認識するために使われていますが、脳波によるサポートが入ることで、より身体の拡張を認識できるようになります。
それが実現したときにはリアルとメタバースの区分けは無くなり、非物質でありながら、経済が成り立つ新しい世界ができあがっていることでしょう。

3D modeling and reconstruction(3DモデリングとVR空間への持ち込み)とSpatial and edge computing(VR空間作製)については、相互関係にあって持ち込むデータだけを作っていても意味がなく、持ち込まれる空間についても、重力制御や物理法則の調整開発が必要になってきます。

1962年11月3日、ニューヨーク・タイムズ紙John Mauchlyの記事にはじめてパーソナルコンピューターという言葉が使われてから2022年現在ではまだ60年しか経過していません。
1980年代後半にユビキタスコンピューティングが広まり、2007年頃にほぼ完成。2010年にiPhoneの爆発的なヒットでスマートフォン文化が定着し、2020年までの10年で非オンライン環境は稀になってきました。

メタバースはこうした通信インフラに加えて、人が馴染みやすい「立体」という表現に加えて、経験則から無意識に感じている「重力」や「摩擦」をユーザーインターフェイスに加えようとしています。

これらの意味を俯瞰して捉え、従来とは違う価値観をクリエイトすることで働き方もまた大きく変化していくでしょう。

Web3で使われているDAOがその一例ですし、スマートコントラクトによる自動処理もメタバース内に取り入れられることで新しい形態の経営プラットホームになる可能性を秘めています。

今は過去の価値観と経験によって判断するときではなく、トライを繰り返して反応データを集めるような実験的なときでもない、むしろ混沌を作り出してその混沌からクリエイトの元を探すときだと確信しています。


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