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「擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD」の設定時代考証が気になった話。

2021年の春アニメ「擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD」。

明治64年という設定なのでSFです。現代に置き換えれば昭和5〜6年くらいの時代設定なので、昨年聞いていたリサーチ情報通りの時代感をぶつけてきた作品です。見始めたばかりなので、ストーリーはまだわかりませんが、結構面白いです。

小物の時代感がちぐはぐ

ここからは他作品で同時期の設定時代考証をしたので、画面の中で気になってしまったことをちょっと書いておこうと。だからといって作品のレベルが落ちるとかそういうのじゃないんですけど、他作品でもSFですがこうした小物のバランスを取っていたので、制作会社のポリシーで変わるものなのだなぁと…思って。

ネットで資料を探すと、大正〜昭和初期ごろの写真がたくさん出てきます。それとは別に着物を探すと、現代の着方で出てきちゃうのです。着物を着たことのある人ならわかりますが、現代の着方では「走れません」し、大振りなポージングはできません。着崩れちゃうしね。

作画の資料としておそらく大正時代の着飾った写真をベースにしてると思います。(現に別作品で参考資料として送られてきたものがそれだったし)

当時の写真撮影料金は現代の金額で3〜10万円程度と幅がありました。いずれにしても高額で、シャッターを切ったあと30秒〜1分程度動けません。ですからネットで出てくる写真の殆どは着飾っている状態で、庶民ではありません。つまりよそ行きの服装で、気張ってます。

設定上そのあたりも、着方で差別ができたんでしょうけど、みんな同じ着方なんですよね。キャラクターデザイン時に制作進行さんが資料を集めきれなかったのと、そんな細かな部分は良いんじゃないか? SFだからで抜けてしまったのだと思います。どうせSFならもっと違う着せ方しちゃえば良いのに。大正時代のファッションは今とそんなに変わらないくらいはっちゃけてましたから、SFなら全然OKな範囲だったのに。

いちいち細かいですが、筆の尻骨。2話12分頃のカットです。この作画をするとき、筆のお尻ってどうなってたっけ? ってなったんじゃないかと。これ、文鎮と下敷毛氈はとても良いものを使っていると思うんですが、筆があまり良いものではないんですね。筆筒が竹だとしたら、節を描いたほうが良いし、書け紐は筆筒の横に穴を開けて通していたほうが自然かな? と。書道具の置き方もアンバランスで、硯が裸で墨が置いてなかったり。資料を揃えなかったって言うより、記憶の中の習字で描いちゃったのかなと。古書店の店番というカットなので、あまり拘る必要は無いのでしょうが、キャラクターの生活感というか、位置づけの設定が弱いんじゃないのかと…。こういう小物からにじみ出るそうなので、他作品では小物の考証もしてました。

割とよく出ていたこの部屋のビジュアルも気になるものがたくさんあって、基本的に昭和40年代の配置なんですよね。昭和初期頃と考えたらそこそこイイトコロの茶の間です。でも処刑人という設定なので、明治初期までは処刑人って裕福なんですよね。その後没落して今の家に落ち着いたのか、そのあたりの設定はこれから話で語られるのか、はたまた裏稼業なイメージで描かれるのか。にしてもそのあたりの空気感の設定がちょっとわかりにくような気がしています。

こういうことって、疑問に思わなければ調べないし、イメージボードのまま進行してしまうのでしょうけど、社会人大学生が増えて、歴史文化を学び直す人が増加しているなかでは、違和感を感じる人も増えてきちゃうかもしれませんね。

重箱の隅をつつくようなネタばかりでしたが、Twitterで出されているカットに合わせて記事を書いてしまったのでこうなってしまいました。全体を見ているとそういう気になるカットはたくさんあるのですが、みんなが見たいチャンバラってことなら良いのかなぁ…。それにしては設定がちょっと違うような気もするけど…。と職業病が出てきたネタでした。


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「ことほむ」ではゲームコンテンツ・アニメーション作品設定時代考証、観光プロモーション企画・マーケティング・デザイン企画をやってます。僕はWordPressとマーケティング担当。妻が和雪庵という茶室を開いており、茶書研究・茶道体験・お茶ゼミを開催していますが、流行り病で閉庵中です。