Mリーガーに1から麻雀を教えます【いしあたま近藤編】
こんにちわせりん。わせりんです。
前回の記事に関して様々な反応をいただきありがとうございました。
正直もっと感情的な意見で炎上するかと思っていたのですが、建設的な批判が多くとても嬉しかったです。
応援のコメントも批判のコメントも全て目を通しています。可能な限り返事もしますのでなんかあれば言ってくださいw
Twitterにコメントもらえれば大体すぐ反応するんでよかったらフォローしてあげてください。
それでは今回も皆さんが待ちに待った日本一ためになるMリーグ批判記事やっていきます。セミファイナル3/16(一日目)の二試合目を見ていきましょう。
六部構成になってます。
◉はじめに
今回は、瀬戸熊プロの超絶空前絶後のミラクルミスがありました。
ここでももちろん取り上げるんですが、どちらかというと私には近藤プロの頭の固さというか柔軟性のなさが非常に目についたのでこのようなタイトルにしました。
皆さんにとっても勉強になる部分があると思いますので注目してご覧ください。
二試合目は全体的には一試合目よりもミスが少なくハイレベルな戦いでした。
特に多井さんと沢崎さんの二人「は」素晴らしかったと思います。
まずは、いつも通りセミファイナルルールのおさらいから。
毎度わかってるよ!という方は棒線内はすっ飛ばしてください。
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【Mリーグセミファイナルシステム】
セミファイナルシリーズは各チーム16試合。
レギュラーシーズン終了時点まで稼いだポイントの半分を持ち越す。上位4チームがファイナルシリーズに進出します。
現状のポイントはこちら
*[Mリーグ成績速報(Twitter@mleague_results)様より引用 ]
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それでは事件簿1からいきましょう。
◉事件簿1:近藤プロ、腰が重いという言い訳。
今回のミスレベル:70/100(虫歯が痛み出すレベル)
東一局、沢崎プロが1mを切ったところです。
これに対し近藤プロ、1m鳴かず。
画像だけでは状況が分かりづらいので牌譜にしました。↓
さて、この状況なんですが一般的な鳴かない理由と合わせて考えてみましょう。
①安牌がなくなる
これが鳴かない理由の最も代表的なものでしょう。
しかし今回はどうでしょう。
一応北がある上に(ポン打北とするかもしれませんが)そもそも生牌とはいえ東の対子もあります。
また、1mは一件にしか安全ではなく通常よりも
安牌がないという要素は小さく見えます。
②打点が安くなる
これも鳴かない理由の代表例ですね。
今回は1mのポンをした場合、東が自動的に頭となるために最悪2000点の愚形含みの仕掛けになってしまいます。
東のポンから入ると3900〜の仕掛けとなります。確かに打点が下がっているように思えます。
でもよーーーーく場と手牌をみてみましょう。↓
7mが2枚切れていて、赤5mが浮いています。ということはポンした後にペン7mを払っていく手筋は非常に自然な手筋となります。
としたときに赤にくっついたり赤が構成する面子にドラの3mが含まれることがかなりあるため、鳴いた後に赤にくっついてのマンガンがあります。この場合は東のポンと1mのポンには差がありません。
また7mが切れているということから89mの縦受けが重要な上に受けが強くなっており、1mポン後の5mか89mが重なっての東ポンルートも5200〜8000の打点を見つつ速度を上げることができます。
さらに、中張牌がかなりバラ切りされており東の状況が非常によろしくないのでこれをスルーした後に東をポンできる可能性自体も低そうです。
通常ですと1mポンは打点が下がることが多いのですが、この状況の場合は打点をあまり下げずにかなり和了率を上げるポンになりそうです。
③警戒されてあがりにくくなる
これは鳴けば鳴くほど警戒されることで牌を絞られたり、読まれて待ちを出してくれなかったりすることによって和了率が低下してしまうってことです。
ですが、これはあがりに近かったり、字牌が鳴けないと絶望的な手(字牌対子が複数個あるようなトイトイやホンイツなど)ではデメリットですがあがりに遠い手などは周りが警戒して手を崩したり回ってくれたりするのでメリットにもなり得ます。
この近藤プロの牌姿ではデメリットとはほとんど言えないでしょう。
①〜③で述べたことを総合的に考えるとやはりこの1mはポンした方がいいと思います。
巡目も中盤ですしスルーとポンでは打点もそこまで遜色ない上に東の状況が悪いことも踏まえると速度が違いすぎます。
これに関しては細やかな判断が伴うので、大きく打って大きく勝つという、よくわからない豪快な近藤プロはできなくていいです。
もっと近藤プロらしい自分のドリーム
を追求した麻雀を打つのが大事だと思います。
少し別の話になるのかもしれませんが・・・
こういう風にMリーガーは鳴くか鳴かないかの微妙な判断を迫られたとき、鳴かないことを選びがちです。
なぜそういうことになるかというと、もちろん麻雀として単にその方が得と勘違いしていることも考えられますが、最高峰の舞台であるMリーグにおいては一部の選手を除いて考えにくいでしょう。
根本的に、麻雀は何も動かずに面前でじっくりと仕上げていれば大きなミスしているように見えないという欠陥があります。
考えてみてください。
チーやポンしての失敗というのは手を短くして前に出るのでその多くが「放銃」という形で訪れます。そして成功したとしても、1000点や2000点という小さなあがりのことも多いです。
それに比べて面前で進めていれば前に出ることが少ないので、その失敗は「他家にツモられる」という形で多く訪れます。そして面前が成功するとマンガン以上の大きなあがりのことが多いのです。
そうすると、どうしても後者の方が非難されることは少なく賞賛は多いため、対局者は面前でやりたくなります。勝てなくても手が入らなかった、ツモられたら仕方ない、頑張った、ミスはなかったとか色々と言い訳ができます。
現にMリーグの全体の副露率は選手の平均は20%程度です。
参考元↓(2019年Mリーグ レギュラーシーズン終了時)
*[Mリーグ成績速報(Twitter:@mleague_results)様より引用 ]
この20%という数字はどう考えても鳴かなすぎです。
確かに面子やルールによって多少前後することはありますが本来30〜40%鳴くべきものが、このように20%しか鳴かなくていいということは絶対にあり得ません。
これはMリーグ全体が言葉を選ばずにいうと非常に生温い環境で麻雀を打っていることの証明だと思います。全体的に上手いのではなく全体的に下手なのです。みんながちゃんと打ってればこのような副露率にはなりません。
これは私の持論なのですが、解説者の罪だと思っています。
ちょっと解説に関しては言いたいことあるのですが、積極的に解説者が仕掛けない、動かないということを良くないことだと認識して解説する必要があります。
いつまでも食い流れたとか食い取ったとか、腰が重いとか面前派とかどうでもいいことや当たり障りのないことに逃げている場合ではありません。そんなことではいつまでも選手は面前の麻雀をやりたがります。
解説が一歩踏み込まないと視聴者も選手もいつまで経っても麻雀のレベルは上がりませんし発展はないと思っています。
解説に関しては解説者の適当な発言を集めて私がそれに対して反論していくという形でまた一つの記事にしたいと思います。
とりあえずこの事件簿はここまでで。
◉事件簿2:瀬戸熊プロ、微妙な差が感じ取れない?
今回のミスレベル:2/100(多分ミスじゃないレベル)
東一局、瀬戸熊プロが發をポンしてターツ選択をする場面です。
今回も分かりやすように牌譜にしました。↓
問題はここから何を切るかという点です。
瀬戸熊プロは12pを切りました。基本的に正解です。
このシーン解説者の村上プロが8mを切るとマンズの変化がなくなるという解説をしていました。それだけでは30点でしょう。
12pを落としても8mを落としてもマンズの変化は残ります。
両面になる変化もありますし、チーもできます。
しかしこの牌姿なぜ12pを落とした方がいいかというと、
愚形部分を縦引きした形を考えてください。
どちらも愚形にフォローが入って受け入れは同じですがマンズの愚形にフォローが入った方が両面への変化が多く優秀な形であることがわかります。
つまり、その瞬間のマンズの変化は変わりませんが、愚形の部分を縦引き(縦引き自体もマンズの方が多いですしね)した際に受け入れをマックスにしたまま変化も多く受けれるのがピンズの12pはずしとなるため、この形は通常であれば12pはずしが正解となります。
では、今回の場況を今一度見てみましょう。↓
まず真っ先に思うのがピンズの1pが自分から四枚見えており、また2pも二枚見えています。さらに、上家は12pを切っており非常にマンズが高い捨て牌になっています。
本来チーで良形になるはずの34568mの部分が上家からのチーがし辛そうで通常よりもツモ頼りになるうえに、上家からの3pは鳴けそうで最終形としても良さそうです。
確かにカン7mもそこまで悪くないですし、単純な牌理的には12pが正しいです。
しかし私は、今回は打8mが正解と考えます。
縦引き自体は大事な要素ですが、それ以外の両面変化の枚数などはどっちを切ってもほとんど変わりません。
それならば場況に応じてあがりやすい最終形と上家の動向に合わせた方が私は得だと思います。
何度でも言いますが捨て牌と手牌は生き物です。
状況に応じた適切な一打ができないと意味がありません。
ただ、今回に関しては私も自信ないです!
◉事件簿3:近藤プロ、スタイルを貫くという誰でもできること。
今回のミスレベル:100/100(身分証を入れた財布を落とすレベル)
東二局、近藤プロの打牌。
画像はすべて近藤プロが牌を切った瞬間の画像です。
ここから怒涛のテンパイ取らずを繰り返します。
スラムダンクの最終シーンみたいに
文字なしでどうぞ。
放銃までの一連の流れがあまりに美しすぎて名作コントを見ているような気分になりました。
これはさすがにやりすぎでしょう。
一通にしたいのは分かります。不満なテンパイなのもわかります。
しかし、気持ちはみんなそうなのです。
難しいのは、自分の「こうしたい」という願望に折り合いをつけて現実を見てきちんと判断することです。それができるのがプロでしょう。
自分のスタイルを貫くことがかっこいいのなら麻雀というのは誰もが簡単にカッコよくなれるゲームです。スタイルを貫くってのは麻雀においては、最も簡単でカッコ悪いことだと私は思います。
さて、麻雀の話に戻ります。
この牌姿の中で聴牌を取るタイミングはおそらく二枚目の時でしょう。
状況をわかりやすくするため牌譜にしました↓
① 3m、8pを自分で切っている為2pまで切ってしまうと6m、58pくらいしかまともな手替わりがない。
② 巡目が中盤に差し掛かり、対面は42pを切り上家もドラなのに1pを切っているのでカン3pが場況的に悪くない。
③ 親番かつ供託のリーチ棒と積み棒もあり和了ればそこそこの加点になる。
以上のような理由から、ここはリーチを打つべきだと思います。
リーチが劇的に有利という訳ではないですが他の選択肢よりはマシというイメージです。
総合的に考えると、ここがリーのみとはいえ折り合いをつける場面だったと思います。
中盤だと打点の伴わない手替わりは四連形二つでやっと手替わりまちしても悪くないかなあくらいなんでこの牌姿だと余計にリーチでしょうね。
ちなみに三枚目は百歩譲っても(よくないですが)四枚目に関してはさすがに聴牌は取るべきでしょう。巡目が深くリーチしないにしても聴牌の形は維持しておかないとノーテンの危険性もありますし、そもそもうまく聴牌したとしてもこの巡目だとあまりあがれません。
ていうかこれテンパイ取らない人いないんじゃないでしょうか。
この衝撃の放銃シーンは記念に載せておきますね。
近藤プロのファンの方はスマホのホーム画面にするなり好きに使ってください。
このように、近藤プロは先ほどの1m鳴かずといい柔軟性に欠けるシーンが散見されます。状況の変化より自分のスタイルの面前の高打点を狙う打ち方をしようとするんですね。
スタイルなんて言葉を許してしまうと俺は全局国士に行くぜとか、絶対におりないぜとかそういう麻雀までも許容してしまいます。
私は麻雀が「必ず勝利を目指すもの」だとは思っていません。
セットでのワイワイする麻雀、気晴らしに自分の好きなように打つ麻雀どれも確かに麻雀なのです。
しかし、ここに集まってる人たちは勝つために麻雀をやってるのではないのでしょうか?
であるならばスタイルという言葉に逃げずに真剣に麻雀に取り組んでいただきたい。その上でどうしても出てしまう個人個人の差をスタイルと呼ぶべきだと思います。
これをずっとテンパイ取らずは下手なだけです。
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