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若い支援者・治療者は患者に意地悪されるのか?

本日は、若い支援者治療者とか福祉の人とかですね、医師、看護師、心理士、PSW、市役所のケースワーカーの人とかもいますよね、これらの人は患者さん意地悪されるのか、というテーマでお話ししようと思います。


これは教科書になかなか書いていないんですよ。当たり前ですけど。
教科書に書いていないので、自分たちが悪かったのかなとか、いろいろ若手は思うんですけど、やっぱり患者さんたちの中にはまあ意地悪する人はいます。

■意地悪する患者さんはいる

相手を見て意地悪したり、弱い人をやっつけてやろうという人もいたり、若い治療者たちが実力不足だということでなじったり、全然意味なかったとか、チッとか舌打ちするとか、聞こえるか聞こえないかの範囲でちょっとやるとかは全然あります。

子供の教育や障害者の教育でもあると思いますけど、何となく弱い人というと、障害者とか弱い人はピュアで純粋無垢な感じがあるかもしれないですけども、実際はそんなことなくて、僕らに普通の人と全然変わらないと言うとあれですけど、変わらないですね。

泣き虫もいれば怒りん坊もいるし、意地悪な人もいれば意地悪じゃない人もいる。
でもやっぱり擦れているんですよね。擦れている分、意地悪する人はちょっと多いかなという気もします。それぐらいの印象で接した方がいいのかなと思います。

でも、意地悪する背景には、心の傷があって苦しい思いをしてきたからですよね。

だから、その人たちに意地悪してやろうというよりは、投影や転移を受けて自分の心の中が反映されて相手が悪く見えてしまったり、意地悪な人に見えてしまったり、窮鼠猫をかむではないですけども、必死の思いで意地悪していることが多いです。

だからこの後半のところは教科書には書いてあると思うんですけども、初心者狩りの方が多いよというのはあんまり教科書には書いてないと思うので、こういうことをざっくり言えるのがYouTubeの良さかなという気もします。

もしくは益田の空気の読めてなさかもしれないですけどね。

■若者は怒られるもの

僕も研修医のときはレスリング部の終わりかけでまだムキムキだったんですけど、医師で、ムキムキで。それで男であってもやっぱり意地悪なことを言われます。

同期の女医さんとか、他の子たちよりは少なかったかもしれないですけど言われていました。だからこれは業界に限らないと思いますよ。

医師とか治療者だからとかではなくて、それがマックの店員でもデパートのスタッフでも、アパレルでも不動産の営業マンでも誰でもそうですけども、人と接する仕事だったら絶対そうです。

若者というのは意地悪されるし、いじられるし、何かを言われます。そういうものですね。これが中途の人で年齢を重ねている人だったら、同じミスをしてもそんなに怒らなかったりするんですよね。

だけど、若者はやっぱり何か妙にビクビクしていたりするから、チッとか言われがちですね。学生の時とか、医者ということもそうですけども、大学という看板に守られていますよね。

大学を出て民間に行ったり、自分で開業するようになると初めて生身で接するから、意地悪される経験をするドクターも少なくはないですね。

それは今まで大学とか色々そういう看板に守られていたからですよね。学生も同じということです。自分の実力じゃなかったんですよね。

それで、何がいけなかったんだろうってその時考えるんですよ。

それが可愛らしいというか、それも込みで若者の特権なんじゃないかという気がします。深く傷つくことも含めてね。傷つき過ぎたら困るんだけれども、これも含めて若者らしさなんじゃないかなと僕は思います。

だんだん叱ってもらえなくなりますから、まあいいのかなという気がしますね。

中途や大人の状態で、そこから支援者になった場合とか、医師になってしまった場合、あまりそういうのを言ってくれなかったりするので、それは実力がつかなかったりするので、まあこういう期間があってもいいのだろうなと思います。

その方が本当の事故にはならないですからね。
こういう時に怒られたのも、本当の事故ではないですからね。本当の事故ではなくて、ちょっと何か粗相があるとか、ちょっと不器用だったりとかで怒られているんですね。だから割に合わないじゃないかという気がすると思うんですよ。

学生から急に社会人になった時は特にそうだと思うんですけど、そうってそうなんだよね。だけど、大きな事故にはなってないので大丈夫です。この傷つきが成長させるので、まあ必要な痛みだと思って割り切るのがいいと思います。

いやいや、ひどいじゃないかパワハラじゃないかとか思うかもしれないけども、気持ちはわかるけれども、ものは考えようで、こういうのは必要な痛みなんだな、ああ益田も言ってたな、他の人も経験してるんだなと思えば、気がちょっと楽になるのかなと思います。

■バランスを取っている

まあ、いろいろなことを言いますよね。
傾聴と共感が大事なんだとか言うんですよ。
この呪縛に僕らは苦しめられていますね。医療者とか支援者は。

傾聴と共感が大事なんだ、思いやることが大事なんだ、心が大事なんだとか散々言われるんですよね。それで苦しめられるんですよ。

だからいい子であればあるほど、自分はダメだったんじゃないかというこの呪縛に苦しみます。優しい人であればあるほどね。

子育ては愛情という呪縛と似てますよね。子育てというのは愛情を持ってやらなきゃいけないんだよとか、子供には愛情が足りていなかったんじゃないかとかね。

でも、これは呪縛だなとも思うんですよね。
昔と今は結構違うので。

やっぱりこう患者さんに対して、きちんと傾聴とか共感ができている学生とか若い人は多いと思うんですよね。昔は違ったんですよ。
昔の医者は横柄だったんですよ。

そういう時代はもう耳にタコができるぐらい傾聴と共感だと言った方がいいんですけども、今はちゃんとしているとか、愛情を持って育てなきゃと思っているお母さんとか、傾聴・共感が大事だと思っている支援者が多いなと思います。

僕が学生の時よりも本当に思いますね。それだけ精神科への偏見が減ってきて、メンタルが大事だということなんでしょうけれども。
でもこの呪縛に今度は苦しめられているような気がします。

だから僕は、感情や思いやりよりも論理や倫理が大事なんだということは動画でよく言っていますし、それはどっちが大事というものじゃないんですよ、そもそも。どっちが大事というわけではないんだけど、感情にブレすぎているから論理が大事だよねと言っています。

ケアとトレーニングと言いますね。カウンセリングはケアではなくてトレーニングなんだと僕は言いますけど、もちろんトレーニングだとは思ってないですよ。100%トレーニングだと思ってなくて、やっぱりケアだと思っているんですね。

話すことや聞くことがケアになるので、それ自体で受容してくれたというケアの要素もあるんだけど、ケアだけじゃなくてトレーニングの要素もあるので、ケアよりもトレーニングだと言っているんですね。

それで、人として見なさいということと、知識や教科書をベースにやっぱり病気なんだからとか障害なんだから、障害特性があって、教科書の知識を使って相手を判断したりとか両方ありますね。

教科書の先入観で人を見るな、しっかり見ろということもあるし、先入観なく見るのは不可能だから、ちゃんと知識使ってやれとありますよね。

これもどっちが大事というわけじゃなくて両方大事なんですけども、人として見ろということばかり考えているんだったら、やっぱり知識を使って見なきゃ駄目ですよね。

難しいんですよ。
その時の文脈とか色々あるんですよね。

僕も臨床をしていて悩んだんですけど、結局わかったことが結構あって、例えば論理や倫理が大事と僕は言っていますけど、そういう先生は優しすぎちゃうんですよ。

感情的になりすぎちゃう。
自然にこっちができているから、こっちが大事という人もいますよね。
逆にこっちができないから、こっちが大事な人。
こっちでちゃんと生きてる人はこっちが大事って言ったりするんですよ。

自分が言っているものとか書いているものと、実際のその人の態度は結構ズレていたりしてバランスを取っているんですよね。

丁度中間になるようになっていたりするので、若い人は結構混乱しがちだと思うんですけども、両方大事なんですよね。

どっちが大事という訳ではないです。でも、その呪縛に支配されているとかわいそうだなとは思いますね。

やっぱりこの業界は心を大事にしたりとか心を使っていると言うんですけども、一方で僕らのただの仕事でしかないし、カウンセリングは何でもかんでもできそうな気がするし、すごく思い込みというか、思い込みをちょっと変えるだけですごく世の中が変わって見えるような感じがしちゃうんですけども、それはやっぱりそんな単純な話じゃなくて、ただ話を聞いているだけですから、それだけで本当に全てが解決するかというとそんなことはないですね。

特に昔はそこまでの支援がなかった、論理的に考えるとか、情報を整理する手段はほとんどなかったんですよね。

そういう中では奇跡のような変化を起こすことができたかもしれないんですけど、現代はやっぱり昔と比べれば、未来と比べたらどうかわからないですけどけれど、昔と比べたらはるかにいろいろな支援が充実してきているので、昔よりも奇跡を起こしにくくなっていると思います。

だからあまり期待しすぎない。自分も期待しすぎないで、相手にも期待させすぎないってことが結構重要ですね。

ちゃんとしていない人ほど絶対治しますとか言いますね。
普通は言えないです。

僕はもうある程度いい加減になってきたんで、絶対に治りますよとか要所要所で使うことがありますけど、普通は言えないですから、治療者は。そんな不誠実な言葉は使えないですからねとは思います。

若い人って何か意地悪されるんですけども、そういうものだと思ってくださいって。それも込みでリアルな臨床を楽しむというか学んでいけたらいいんじゃないかなと思います。はい。こういうのが教科書に載ってないので、今回動画に撮ってみました。

■本日の宿題

1.皆さん目線で若い治療者、研修医、若いカウンセラーの人たちがどのように見えているのかを、体験があれば、感想を書いていただけると学びになるのかなと思いますので、ご協力いただけたらなと思います。

2.もしくは自分が新人の時ですね。社会人の時に学生の時に考えてたこと、教科書通り行くと思ったけれど全然行かなかったこととかを書いてもらえると、皆さんの勉強になるかなと思います。

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