早稲田学生運動研究会

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学生運動メモ:学生運動とクラシック

中上健次『黄金比の朝』(1974年)では、主人公(浪人生)の兄が過激な党派に入っていて、主人公の部屋に転がり込んできます。こんな描写がされます。 兄はまず歌謡曲にダイヤルをあわせた。それからFMに切りかえ、クラシックにダイヤルをあわせた。ぼくと斎藤(注:主人公の予備校仲間)がけげんな顔をしていると思ったのか、兄はわらい顔をつくり、「そら、ブランデンブルグきくほうが麻丘めぐみきくよりよっぽど良えというのを知らなあかん」と方言で言った。 クラシックを意識的に聞く。わざわざそれ

    • 学生運動メモー『1973年のピンボール』から分かる早稲田の1969年

       早稲田大学の学生運動の主要党派は革マル派でした。現在は排除されているようです(とはいうものの、革マルは巧みに自らの勢力を残すので、細々と生き残っているそうです。たぶん、サークルの「戦争・貧困を考える会」はそれのはずです。)。どこの大学の学生運動も、大学の自治会を握るために党派同士で争っているという感じで、早稲田では革マルが主導権を握ったのでした。革マルが一人占めしたわけではなく、民青は法学部の自治会を分けてもらったそうです。法学部といえば八号館です。村上春樹『1973年のピ