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発表!! 議会改革度調査2020(2)得点分布から全国の議会改革が進んだのかみてみる


マニ研が毎年実施している、地方議会の改革度合いをしめす「議会改革度調査2020」の調査結果をオンラインで発表し、約200人の議会事務局職員や議員の皆さんにご参加いただきました
発表会でお伝えして好評だった、「得点分布」からみえることをかんたんにご紹介!

前回(1)はちょっと長い記事だったので、今回はワンテーマで。

≫詳細は http://www.waseda-manifesto.jp/gikaikaikaku


■調査でみえること

スライド12

↑この「スコア分布」は、今回の2020年度調査の「どんなふうに得点が散らばっているか」をあらわしたグラフです。

これをみて、皆さんはどんなことを感じますか?

縦軸「スコア(得点)」があります。私たちの調査ではMAXで約7,000点
TOPでも合計3,000点程度なので、マニ研の調査が本当に求めていきたい「地域経営をリードする地方議会の取り組みや機能発揮」には、上位陣でもまだまだ工夫の余地があると考えています。

横軸は、今回の順位(ランキング)です。今回は1,404議会の皆様にご回答(感謝です!)いただきました。
グラフに、うっすーくオレンジの点線をいれていますが、「傾向をあわらす直線(いわゆる近似曲線)」です。
その傾向とくらべると、おおむね3つの傾向、すなわち「①TOP~300位前後はググっと線が伸びている」「②300位~ほぼ全部にわたってゆるやかな直線」「③下位は未回答の項目も多いため点数がカクンと下がる」がみてとれます。

①TOP~300位の議会の皆さんは、グラフからもわかるように、他議会と比べて「議会としての取り組み」の度合いを意識して高めているといえるでしょう。
さらに記事(1)でも紹介した調査項目との兼ね合いで申し上げると、「住民意見を集めて調査し、話し合い、決める」という点と、中央集権→地方分権の流れのなかで目指すべき「地域経営」につながる議会活動の取り組みを、それぞれ単発ではなく継続的に実施しており、条例などで制度や仕組みに落とし込んでいる議会の割合が多いです。

例えば芽室町議会は、「議会モニター」導入など住民参加の仕組みが高く評価されるなど、多くの議会改革の取り組みを仕組み・制度化。マニ研の調査でも2015~2018年で4年間、首位となっていました。
小さなまちの挑戦は、各種の記事や弊所招聘研究員の佐藤淳も多く紹介しています。

改革の歩みを止めない―芽室町議会 | 政治・選挙プラットフォーム【政治山】
第81回 「議会モニター」とともに歩む議会改革
振り向いてほしい、どうしても | 特集記事 | NHK政治マガジン


②300位~ほぼ全部の議会の皆さんは、安心してください。地域・住民のための議会改革を進めていただければ、順位はすぐあがります!
(もちろん「地域課題が解決できているのか?」「住民は議会を評価しているのか?」という問いかけは常に頭にあっての改革ですが)

ここ数年の議会改革の大きなテーマの1つに、「チーム議会」があります。よく北川顧問が説明するときは、「議員一人ひとりの存在感は議員の活動ももちろんある。ただ、執行部(自治体組織など)と対峙する『議会』の存在感があまりにも小さいすぎる」と話しています。

議員さんと、両輪である議会事務局職員さんがフラットに話し合い議会の機能を高め、話し、決めていくなかで「チーム議会」として議会活動を充実していけるかが大事な観点です。

■全国の議会改革は進んだか?

いわゆる「議会改革」は、2006年の北海道栗山町議会の議会基本条例の制定を嚆矢(こうし)としています。
実際に全国の議会の改革は進んだのでしょうか?

なかなか全体を把握するのは難しいですが、私たちのマニ研の調査は2010年から開始しており、私たちのように一定の基準で取り組みを「数値化」していくことで、見える化できることもあります。

↓下のグラフは、「2010年度調査」と再掲の「2020年調査」の得点分布です。

これをみると、「2010はTOPから下位の曲線の角度が急、かつ全体的に得点が下に集まっている」のですが、「2020はTOPから下位までの曲線の角度がゆるやかになり、下位でも全体的に得点が底上げされている」ことに気づくと思います。

2010の積

2020の和

■上位議会でも工夫の余地がある

…「議会改革」が語られるときに、「二極化=改革先進議会とそうではない議会」ということが言われます。さらに、「改革先進議会」の中での二極化=三極化も語られることがあります。

厳密にいうと単純比較は難しいのですが*1、11回つづけている私たちの調査からは、「議会改革の取り組みはほぼすべての議会に広がった」ということがわかります。
また、たとえ上位議会でも、「(マニ研が考える)本来求められる議会の取り組み・機能に向けてまだまだ工夫の余地がある」ということもこのグラフからは見てとれると思います。

「地域課題が解決できているのか?」「住民は議会を評価しているのか?」という質的な成果に向けて、議会改革度調査をつづけて善政競争を広げていきたいと思います。


というわけで、読んでいただいてありがとうございました。
ようやく次は、ランキングの話になります(笑)
それでは!

(事務局次長・青木)

*1 2010年からはじめた議会改革調査は今年で11回目となりますが、そのときどきの改革のトレンドなどにあわせて設問内容や数、重視する配点などを変えています。また、2018年までは「年度内の活動」を対象としていたのですが、2019年からは「年中の活動」を対象としています。


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