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どら通「会議室」を再演する 振り返りレポート

こんにちは。どらま館制作部の浜田です。
今年度の四月から五月にかけて開催した新歓企画『どら通「会議室」を再演する』(以下『再演』)は無事終了いたしました。ご参加いただいた演劇サークルのみなさま、当日ご覧になったみなさま、ありがとうございました。
この記事では、企画が始まる前に私が書いた『再演』のnote(「もっと詳しく」の部分)を元に、今回の企画の振り返ってみます。

企画の動機について

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『再演』企画者の私はこのどら通の編集にも携わっていましたが、この記事を通して学生演劇サークルに対するイメージが変わってきていました。どうやらその活動の「本体」は、いわゆる教科書的な芸術ジャンルとしての演劇ではないようなのです。「だからケシカラン!」と言いたいわけでは全くなく「では、何が本体なんだろう」という興味が湧いていました。
私自身も演劇サークル出身ですが、妙にそれを言葉にできません。ただこの文字起こしからはその学生演劇サークルの本質のようなものが漂っているように読めました。だからこそ、ある意味「新歓」として成立しているんだと思います。今回の『再演』はそこからさらにもう一歩踏み込んでみよう、と息巻いた企画でした。その分、参加することに躊躇や困惑を感じさせてしまったかもしれません。

方法について

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気になることがあるときに、演劇の方法は使えます。対話的なテキストを役割を決めて読むと、意識して分析的な態度を取らなくとも(あるいは取りたくなくても)参加者の頭には様々なことが浮かぶようです。司会としてはそれをできるだけ活かしながら、ときどきテキストに戻るということを心がけました。
一見すると新歓としてやるようなスタイルの企画ではありません。しかし参加いただいたサークルは皆さん慣れた様子で対応いただき、同時に、各サークルの「読み合せ」に対する取り組み方もさまざまに見えてきました。これは、この企画が新歓的な情報提供にとどまらない「上演」になっていた部分のひとつだと思います。

「上演」について

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感染症対策や対面/オンラインでの活動についてはサークルにかかわらず挙がった話題のひとつでした。具体的な考え方はサークルごと・参加者ごとに異なる部分もありましたが、多くの参加者が「先輩たちはコロナのときこんなこと考えていたのか」と、なにか納得したり反発したり感心したりしていました。
その点、全回通して興味深かったのは──先輩の陰ながらの頑張りを知る後輩という物語よりも──、各サークルの中で学年を超え、何を引き継ぎ、何を引き継がないか、その選択がよく見えたことです。
「よく見えた」というのは、それについて今回話し合われたという意味ではなく、テキストの読み方や振舞い・言動が並んだときに、サークルごとのコミュニケーションの取り方の違いが浮かび上がってきた、ということです。どのような違いかは割愛しますが、この点も新歓向けの「説明」という以上に、各演劇サークル自体が「上演」されたような気がしました。
新入生にとっては、サークルに入ってみなきゃわからないようなことが垣間見えるような機会であり、現在のサークル員やOBOGの方にも「サークル」を俯瞰する上演になったと思います。

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『再演』という企画タイトルは、一度やった会議の文字起こしをもう一度読んでもらうところから付けたものですが、予想よりも多くのことが上演・再演されました。ここで現れたことをどらま館制作部としてどのように引き受けて、今後の活動をしていくのかを、少しゆっくり考えていきたいと思います。
サークルの新歓が落ち着く7月いっぱいまで、アーカイブ動画の予約を受け付けております。ご関心ある方はぜひ。

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(なお、アーカイブ動画は全団体分お送りするため、団体の選択などはできません。あらかじめご了承ください。)



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