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『AIvs教科書が読めない子供たち』 僕らの未来は読解力が握っているらしい

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皆さんはAIとかシンギュラリティと聞くと何を思うでしょうか。

僕はSFみたいな感覚でちょっとテンションが上がります。

ターミネーターみたいなのは困るけど、トランスフォーマーみたいなのなら大歓迎だし。

一体いつになったらバック・トゥ・ザ・フューチャー2のデロリアンみたいに車は空を飛ぶのか。

というかもう空が飛びたいですね。大地の起伏が鬱陶しいです。

まぁ、そんな想像をしていたところでこの本が目に止まりました。

AI関係の本ではあるが、戦っている相手が不思議だなと。

教科書が読めない子供たちはどう関係してくるのか、そもそも教科書が読めないってどう言うことかといったところが気になりました。

まず初めに、

どうやらAIは人類を滅ぼさないし、シンギュラリティというのは到来しないらしい。

それはよかったと思うと同時に、なんとなく空を飛ぶ夢が遠のいた気もしました。

AIは詰まるところ計算機で、それが意思を持ち、人類へ攻撃することはないと。そういったものはメディアの報道といったところから誤解が広がったそうです。フィクションから来たイメージも強そうですね。

ただ、人類を滅ぼしはしないが、AIが多くの仕事を人間から奪うのは現実であり楽観視はできないそうで。

例えばすでに銀行のコールセンターに導入されたり、貿易取引を一気に効率化したり導入は進んでいるそうです。

オックスフォード大学の研究チーム曰く、アメリカの職業は半数ほどが消滅、全雇用者の47%が失業するんじゃないかと予測もしていると。

強烈ですね。

A Iが当たり前になってしばらくしたらベーシックインカムみたいな制度やら何やらで普通に生きられるかもしれませんが、変換期の間は荒れそうです。


ただAIにも弱点があります。

それが「意味を理解できない」ことです

例えば、身近なAI技術であるSiriに「美味しいイタリア料理」「まずいイタリア料理」と聞くと同じ回答を返してくるそうです。

実際やってみると、確かに同じ結果になりました。

要は使えそうな「イタリア」と「料理」というワードを拾って検索しているだけで、文章の意味は理解していないのです。

つまりAIは意味が理解できない。

だから意味を理解する必要がある仕事は無くならない。

というのが今後重要になっていくことであり、最大の問題でもあります。

AIに代替されない仕事をするためには意味を理解する読解力が必要なわけですけど

読解力ちゃんとありますか?というわけです。

ここでタイトルの教科書が読めない子供達が出てきます。

中高で読解力測定が実施され、その問題がいくつか本の中であげられています。例の1つをあげます。


エベレストは世界で最も高い山である。

これに対して

エルブルス山はエベレストより低い。

という文章に適切な選択肢はどれか

1:正しい 2:間違っている 3:判断できない


非常に単純な問題ですが、テスト結果を見てみると想像以上に正答率が低い。

問題はいくつかジャンル分けされていますが、ものによってはAIよりも低い。

読解力がAIに負けてるってのは未来を考えると危機的だというわけです。


ちなみに僕はこの問題、謎の自信を持って3と答えました。

「判断できない」という選択肢がある+エルブルス山なんて知らねーぞ=3

です。

だってオリュンポス山みたいに火星にある山かもしれないじゃないですか…。

今までSNS上の口論や脊髄反射的なコメントを冷ややかに見てましたけど、自分も不安になりました。

ちなみに正解は1です。

そりゃそうなんですけど、これが意外と間違えます。機会があれば本買ってやってみて欲しいです。


ただこの読解力、何が影響しているかが明確にわからないそうです。

読解力だし読書でしょ、と思いがちですが関係ないらしい。

その他に得意科目、スマホ利用時間、性別などいろいろ調べても相関が見つからず、ただ一つ、貧困が読解力に対して悪影響であることはわかったそうです。

まぁ貧困にしても、さらにその中でどの問題が関係してくるかは書かれていないのでなんとも言えませんが、なんとなくそうかなと思っていただけにショックな結果です。


貧困以外に何が影響しているのか明確にわからない以上、読解力を上げる方法というのもわからないわけで、本の中でもその具体的な方法は書かれていません。

しかも中学時代は1年から3年にかけて読解力は上がったそうですが、高校になるとそれは止まるらしいです。

ただ著者は、読解力や論理的思考は大人になっても伸びるという仮説を持っています。

個人的にもそうあって欲しいと願うばかりです。


僕はこの場合、安直に読書が有効かな、などと思ってしまいますが

冷静に考えると、たくさん読んだところでわかった気になっているだけという可能性を改めて感じました。

むしろシンプルに、しっかり精読する、相手の言っている事をちゃんと理解できているか一度立ち止まって考えることが重要なのかなと思います。

先ほどあげたような読解力調査は一流企業の社会人、教師、編集者なども間違えたそうです。

おそらく学校の教育って昔からそこまで大きな変化はしていないと思います。今の中高生が読解力でAIに勝てないなら、ある程度上の年齢の人も同じ道を辿っているわけで、今どれだけの人が勝てるのか怪しいところです。


いい解決法が早く見つかって欲しい。

ついでに気軽に空が飛べるマシーンも作って欲しいな。

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