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大学生は夏休みの夢を見るか

宿題がない。九月に入っても続く。今年の夏休みは例年と様相を呈している。ここから導き出されることはなにか。これはつまり、莫大な富ならぬ、莫大な時が創出することを意味する。

しかし、これは決して甘い恩寵などではない。むしろ劇薬の危険性をはらんでいる。休み前はその期間の長さに胸をときめかせるが、いざ入るとどうなるか。何で時間をつぶすかで頭がいっぱいいっぱいになる。没頭できるものがない人にとって、これは単なる苦痛、はたまた夏休みの刑に処せられているといっても過言ではない。それはさながら、果てのない荒野をさまよい歩くようなものだ。

さすれば、この旅はまだ終わらない。夏のゆめが覚めたときに待ち受けているのは果たして、天国か地獄か。この物語の結末を楽しみにしつつ、また一歩きょうも踏み出す。夜明けは近い。

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