【Pauper】神挑戦者決定戦ナヤZoo調整録
●前回のあらすじ
智浩とのり子がゲームセンターで会っていることを偶然目撃した結実は、心の乱れにより県大会第2試合で得意のデュアルバックフリップを落とす致命的なミスを犯し敗退してしまう。失意の中脳裏に浮かぶのはゲームセンターの光景。あの時声をかけていたら何か変わったのだろうか。そんな後悔に苛まれ、時間だけが無情にも過ぎていった。
季節は巡り2月。晴れる屋TCでは神挑戦者決定戦が開催されようとしていた。
というわけで本記事はナヤZoo、通称「動物園」を駆使して神に挑んだ者の真面目な記録である。
え?まだ神挑戦者決定戦は始まってない?そんなバカな・・・
ちなみにキュートでポップなおしゃまさん、それでいてバイオレンスなナヤZooの概要については以下のリンクを参照してほしい。
●デッキ選定について
神挑戦者決定戦のデッキ選定の話をする前に調整チームについての話をしなければならない。
目まぐるしくメタが変化する現代のTCGシーンにおいては個人での調整には限界があり、競技シーンにおいて確実に勝利するためには有志複数名によるチームでの調整は最早必須と呼べる段階にきている。
関東でパウパーをプレイしていたのであれば、必ず一度は「なおきち」という者の名を聞いたことがあるはずだ。
関東においてトップクラスの実力を誇り、緻密なプレイによって相手を蹂躙するネクストレベル呪禁オーラ「なおきちボンバー」を駆使して修羅の国である神奈川県を統一した逸話はあまりにも有名である。
そんな彼が首領となり立ち上げた関東最大勢力を誇る調整チーム、それが私が所属する「なおきち軍団」だ。
関東のカードショップでたびたびカワウソのTシャツを見かけたことがあるだろう。一説ではカワウソはデンマークの一部地域で「捕食者」を司る聖獣とされており、全てを喰らい頂点に立つ意味合いを込めて「なおきち軍団」のチームマーカーとなった。
彼の口癖である「調整チームの価値はスピードで決まる」をモットーに、スピード感を意識した緻密な調整が日々行われている。
下記画像は先日行われた調整会の一部である。
チーム内の密な情報連携が圧倒的スピードを生み、わずが2時間足らずで予約するしゃぶしゃぶ温野菜のだしが決まった。これが最強の調整チーム「なおきち軍団」の実力である。
デッキ選定の話に戻ろう。
デッキ選定については円卓-nabe-を囲みながら緻密なメタ読み(店の混雑状況)、ゲームプラン(胃袋の空き)、プレイング(肉野菜飲み物のバランス)等の緻密な調整が議論され、“正解”を目指す様々なアーキタイプが選択肢に挙がったが、決め手は以下の出来事だった。
こうして複雑なメタ予測と合理的理論を追求した結果、今回の神挑戦者決定戦は動物園を使用することとなった。
3色が三体力学のように複雑怪奇に絡み合う動物園を乗りこなすべく、有志により新機軸の構築理論が考案された。
「ゲーム理論」をベースに、「フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析」を応用したもので
Z oological
E volutionaly
U ltimate
S ystem
通称「ZEUS-ゼウス-」と名付けられた。本記事でも頻出する単語なので以降は「ゼウス」と略させてもらう。
●直近の強化パーツについて
デッキが決まったので最新のメタゲームを調査が開始された。
まずは更新を怠けていた強化カードを言語化して整理した。整理整頓は最も重要なファクターである。整理整頓ができないプレイヤーは同じカードを8枚買って「いや、これは複数のデッキで使いますからセーフ」と自分に言い訳をする人生を送ることになる。
次にメタの把握である。平野綾結婚の衝撃で2023年の記憶が飛んでしまって困っていたが、丁度いい記事があったのでシェアさせてもらう。
誰が書いたか存じ上げないが、なんてわかりやすい記事なんだ。
文体的に筆者はきっと爽やかな好青年なのだろう。
上記を踏まえ様々な情報を得た結果、「赤単メタった方がいいな」という情報がおぼろげながら浮かんできた。
●使用デッキ
こうして調整の結果、ついに令和最新最強の動物園が誕生した。
□メイン
・マナベースは《僻境との対峙/Brave the Wilds》セットのまま
・赤単へのガードを上げるため従来型に入っていた《ラフィーンの密通者/Raffine's Informant》を《道の探求者/Seeker of the Way》に変更
・《脱出トンネル/Escape Tunnel》を試してみたかったのでそれと相性の良い《巨森の蔦/Vines of Vastwood》に変更
・61枚目枠の《農芸師ギルドの魔道士/Granger Guildmage》は対フェアリーとゲート用
□サイド
・ジェスカイコンの野火スタックファクトランド除去で気持ちよくなりたいので《存在の破棄/Revoke Existence》を《幻触落とし/Deglamer》に変更
Q.あれだけ禁止しろと言ってた《虹色の断片》が入っているんだが?
A.まず君達は視野をテーブルトップから世界に向けるべきだ。真っ先に目に入るのは戦争だ。この世は望まれない戦争で溢れている。こうしている間にも世界中の紛争地域では少年兵が生きるために銃を握っている。彼らは誰一人として戦争など望んでいない。だが生きるためには銃を持たなければならない。《虹色の断片》もそうだ。生きるためには《虹色の断片》を使わなければならない。戦争も《虹色の断片》も同じなのだ。無くそう戦争。禁止しよう《虹色の断片》。
●前哨戦 晴れ川崎提督決定戦
デッキを組んだ時点で優勝は決まったようなものだが、よくよく考えると2ヶ月以上ぶりのパウパーなので肩慣らしは必要である。
神になる前に提督の椅子も獲得しよう。そうしよう。
「埼玉県民なので提督になって晴れ川崎&横浜の参加費が無料になっても交通費がTCの大会参加費よりデカいが、絶対に決勝でスプリットしないでガチる」という覚悟はキメたのでもう勝つしかない。
1回戦 カルレ 勝ち
2回戦 カルレ 負け
3回戦 グリクシス親和 負け
4回戦 白単ヒロイック 引き分け
5回戦 ジャンドドレッジ 負け
2-2-1
なん・・・だと・・・?
全ゲームがエンジョイベストマッチだったので実質5-0とはいえ、シングルエリミネーションに残れなかったのは誤算である。
特に3回戦の我らのボスなおきち氏のプレイングは圧巻で、自分の「マリガンチェック中に『夏木マリがジェームズ・ガンと結婚したら本名何になるんだっけ?』と聞くことで相手にマリガンさせることが理論上可能になるシークレットテクニック」を回避したのは圧巻であった。
大会後の練習でカルレ相手にかなりガードを上げた当時のリストでもカルレに勝てないことが判明したのは収穫であった。あと《脱出トンネル/Escape Tunnel》はゴミ。
《道の探求者/Seeker of the Way》は確かに赤単相手にクリティカルだが、マナ基盤を《コーの空漁師/Kor Skyfisher》&《豊かな成長/Abundant Growth》セットではなく《僻境との対峙/Brave the Wilds》セットにしている関係で果敢が安定しないのと、インスタントが豊富なわけではないので2点火力で落ちてしまうため大体の場合火力を1枚切られて終わってしまう。
そのためさらに構築段階でカルレに対しガードを上げること、何より対カルレのプレイングを磨く必要がある。
神挑戦者決定戦まで2週間を切っている。
子持ちカードゲーマーには時間がない。敗北を糧に地獄の猛特訓が始まった。
・・・よし。
●本戦 神挑戦者決定戦
仕事中に幾度となく行われた脳内シミュレーションの結果、ついに人類史上最強無敵の動物園が完成した。
□変更点
・従来型では火力の的は《道の探求者/Seeker of the Way》と《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》だけだったが、《アルマジロの外套/Armadillo Cloak》を採用することで火力で除去る対象が全てのクリーチャーになる。相手がフルタップしようものなら確定で3点以上のライフゲインが見込める。
・サイドは変更なし
赤単を究極にメタった最強の動物園が誕生した。その圧倒的赤耐性は2020年にアメリカで起きた山火事にも耐えると言われている。
動物園のポテンシャルを最大限に引き出すために動物園のふれあいコーナーでヤギとモルモットを撫で回したし、筋トレによってグルールの神に対する信心も高めた。つまりベストコンディションだ。
カルレに負けるビジョンが一切見えない。どうせ神挑戦者決定戦は赤単の海(それ溶岩じゃね?)である。日曜日の神決定戦に出るために嫁に土下座する準備をしないといけないな。
おや?仕事中に保育園から電話とは珍しい。
保育園「お前のところのムッスコ発熱したから迎えにこい」
ぼく「おかのした。まぁ元気だしただの風邪でしょ。病院行くか」
0回戦 ムッスコ、コロナ陽性
終
制作・著作
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ⓃⒽⓀ
0回戦突破した人達はがんばってください。
・・・はぁ。
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