グレー色をしたもくもく

相手がとっさに選んだ言葉が無神経なものだっただけだと思うのだけど、仕事で先輩と話していたら気になる物言いをされて本当にイライラしてしまった。いらだちが収まらなくて、なんだかおかしいなと思ってよく考えたら生理前だった。
仕事をしていると、何気ないような会話の中で心のやわらかい部分に衝撃を加えられてしまうことがある。やはり職場で顔を合わせる人というのは、一緒にいて居心地の良いから親しくなった人たちとは違って、心の在り方が様々だから、困ってしまうことがある。親しい人ってやっぱり魂の形が似ているし話していてそういう衝撃を与えてくることが少ないしもしあったとしても攻撃ではないと思えるから当然とても良い。まあ、職場の人も、私をいらだたせようなんて思っていないだろう。けどやっぱり他人と触れ合うのは痛い。

収まらないいらだちの中で、なにか叫びたくなる。いやだ、とか、なんで、とか。慌てながら、口に出さずにその言葉を何度も繰り返す。いやだいやだなんでなんでなんで。こうなってくると私は少なからず精神的に危うい。レベル3くらい。これは最近気がついた目安です。

実家にいたときは!!!!! 精神を踏みにじられていたので!!!!!
これを危険信号と捉えていたら生活が立ちいかなかったなデフォルトでレベル7くらいに不穏だったから!!!!!!!!!!
理不尽!!!!!!!!!!!!!!

思考の速度は忙しないのに前には進まない。イライラした瞬間で時が止まって、堂々巡りしている。精神的に不穏な時は、幽霊が出る直前みたいな嫌な雰囲気がずっと続く。少しつめたくて、これから真っ白にも真っ黒にも転ぶだろう曖昧な色をした、霞のようなもの。ドライアイスから湧き出るもくもくがグレー色だったらみたいな。掴もうとすれば手を動かす勢いで指からすり抜けるのに、私の周りを覆って離れない。
これが視界まで青く暗く染め上げるほど色濃くなったら、身体が動かなくなることを知っている。レベル10、MAXです。

精神的につらくてたまらなかった頃のことはよく思い出せなくて、でもどうしようもなく重苦しい気分が続いていた印象がある。その頃を思い出そうとしてうまくいかない時、白い光に照らされてまぶしくてなにも見えない中立ち尽くしているような、そんな感覚になる。年を取って呆けるとこんな風に記憶が混濁して曖昧になっていくんだろうと思う。

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