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誰のため 目的はっきりと(北海道新聞連載⑰)

何かしなくてはと思う「終活」。
でも「何からどうすればいいか分からない」という声を耳にします。
終活の目的は人それぞれ違うと思います。

その目的をはっきりさせることで、何から手をつけたらいいのかが見えてくるのではないでしょうか。


①、②、③の設問に答えてみてください。その答えによって④から⑦のアドバイスを用意しました。


① あなたは誰のために「終活」をしますか。



  (A)自分のため⇒②へ。
  (B)家族のため⇒③へ。


② どんな最期を迎えたいですか。



  (A)穏やかに笑って最期を迎えたい⇒⑦へ。
  (B)まだ最期のことなど考えられない⇒④へ。


③ なぜ家族のために「終活」をしなければならないと思いますか。



  (A)心配な家族がいるので⇒⑤へ。
  (B)自分はまだ考えたくないが家族から言われている⇒⑥へ。


④ 末期のことはまだ先のことにしても

自分のことが一人でできなくなったとき、誰に支えてもらいますか。
ここから少し考えてはいかがでしょう。

そして医療や介護とその費用、財産管理や処分の方法を学びませんか。


⑤ 具体的には何が心配なのでしょうか。

  「今後の生活に不安がある家族がいる」
  「連絡の取れない家族がいる」…

お子さんに障害があったり非正規雇用だったりすると、
子どもの中で経済格差が心配されます。

遺産相続に不安があるなら遺言書の作成方法を学びませんか。


⑥ 先祖代々のお墓や、葬儀のしきたりなど子ども世代はご存じですか。

意外に多いのは相続の時に「親の財産はもっとあったはずだ」という疑念からの兄弟姉妹の争いです。
  
金額は記載しなくても財産のありかを記録に残しておくことは大切です。
個人経営の事業主の方は融資関連など自分にしかわからないことが多い場合も目立ちます。

自分が万が一の時のことを想定して、家族に伝えたり記録を残すことをお勧めします。


⑦ 今からできることはたくさんあります。

自分の財産の把握とこれからかかる費用のめどの確認。
生活を振り返りながら自分史の作成。
荷物、家財道具の整理整頓。
最期に無理な延命治療を望まないなら尊厳死宣言公正証書の作成。

終活は家族のためだけではなく、自分がよりよく生きるためであると思っています。

もちろん日頃から家族とのコミュニケーションが重要であることは言うまでも有りません。


  2016年(平成28年)9月7日(水曜日) 北海道新聞掲載
   「終活」

 
誰のために、なんのために…とっても大事なことです。

その財産管理は誰のためにするのか、本当に本人ためなのか…最近考えさせられています。


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