間に合った遺言書
「遺言書が必要な感じがするけど?でも2週間くらいしか持たないと思う…」
きっかけは繋がりのある訪問看護師さんからでした。
翌日,ご本人に電話を繋いでいただき少しだけお話をしました。
「自分の財産はお世話をしてくれている友人に渡したい。
ちゃんと手紙を書いてあるから…」
とのこと
子供はいない、両親はすでに他界、ただ絶縁状態の兄弟がいる。
私はまず、司法書士行政書士の先生に相談、公正証書遺言書作成の準備に取り掛かりました。
同時に、万が一を考え可能であれば自筆遺言書の作成をすべく
可能な限り文字数が少ない文案を依頼しました。
ご自宅で最期を迎えたいというご希望の方でした。
看護師さんの力を借り、体調の良い時間帯にご自宅に伺いました。
財産についてお話を伺いながら、
お手紙だけでは絶縁状態の兄弟の協力がなければ手続きができないこと、
そして、結果的にご友人が財産を手にできない可能性が高いこともお話しました。
その時の会話
ご本人「たかが紙1枚でそんなに変わるのか?」
私「はい、変わります」
ご本人にっこり笑って「仕方ないな…じゃ書くか」
職人気質の60代男性でした。
お世話をしているご友人への感謝の気持ちが、ひしひしと伝わってきました。
今回は、いつ何が起こるかわからない状態でしたので、
体調が良いときに書いてほしいと、準備していった自筆遺言書の文案(4行だけのもの)をお渡ししました。
(翌日、ご友人から無事に書けたと連絡が入りました)
一方、公正証書遺言書については、その後も本人と面談をし、リモートで先生とも繋がる機会を持ち、なんとか公証人先生、証人の日程調整を済ませました。
数日後、無事に公正証書遺言書を作成することができました。
そして自筆遺言書はその場で破棄しました。
その3日後、その方は旅立たれました。
「たかが紙一枚…」
可能な限り急いだ準備でした
ご友人への感謝の遺言書、間に合いました。
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