10周年記念インタビュー連載 vol.2〜10年前、キリ〜
今年で結成10周年を迎えるMr.ワリコメッツ。
そんな彼らは先日、結成記念日に当たるという11月1日(金)に新宿紅布でワンマンライヴを開催することを発表した。
そこでここ「NOTE」では、Mr.ワリコメッツ10年の歩みを探るべく、バンドメンバーにインタビューを敢行。
その模様を、数回にわたるシリーズものとして連載していく。
続いては、バンド結成時からのオリジナルメンバーであるベースのキリに、ワリコメッツとの出会い、初ライヴの思い出などについて話を聞いた。
(●インタビュアー ○キリ)
●10年前の今頃、つまり2009年の8月頃ですが、何をしていたか覚えてますか?
○えー、なんだろうなぁ。
8月って言うと、前のバンド(=The Comets。3人編成のバンド)の解散が決まりかけているところですかねぇ。
解散話が出て、これからどうしよう?っていう時期。
ドラムがもう(バンドを)やる気なくて、ボーカルはソロでやるっていう感じで、じゃあ、「俺はどうするか?」と。
●ワリコメッツのメンバーに初めて会ったのはいつですか?
○それは11月1日ですね、結成の日。
スタジオに入りました。
で、その日が葛西さん(Mr.ワリコメッツの初代ギタリスト)の誕生日だったから、「バンドの結成が葛西さんへの誕生日プレゼントだね」という話になりました。
●会うまでの経緯は?どんな感じだったのですか?
○メンバー募集のサイトに「バンド加入希望」の記事(メンバー募集の記事には大きく分けて、バンドが足りないメンバーを探す「バンドメンバー募集」と、バンドマンが自分のパートを必要としているバンドを探す「バンド加入希望」がある)を出していたんです。
それにコンタクトを取ってくれたのがエイジさん。
初めはいたずらかと思った。
前のバンドが「コメッツ(=The Comets)」という名前だったんですけど、そこに「ワリコメッツ」という名前のバンドから誘いがきたから、「これはもういたずらではないのか!?」と(笑)。
●それはいたずらかと思いますね(笑)。では、エイジさんからコンタクトがきて先方のプロフィールを見ると思うのですが、その時にキリさんが惹かれたポイントはどこですか?
○最初はいたずらかと思ったから、ちゃんとした人なのかどうか分からなかったんですけど(笑)。
確か「ビートルズとか好きなんで、もしよかったら一緒にやりませんか?」というような文面で連絡がきて、一緒に音源が送られてきて。
送られてきてと言っても、(モノとしての音源ではなく)マイスペース(音楽系SNS。当時利用者が多かった。)というサイトなんですけど。
そこにあがっていたのが、「カラガラヨー」、「今夜だけはシャウト」、「やっぱビール」。
聴いてみて、ぶっちゃけた話、「ブルーハーツみたいなバンドなのかな?」と思ったんですけど、曲とか好きな感じで、ちゃんとロックンロールやってる、変にカッコつけてなくて、それがいいなぁ、と思った。
●初めて一緒にスタジオに入って、そのときに合わせた曲は覚えてますか?
○「カラガラヨー」、「ビール(=やっぱビール)」、「シャウト(=今夜だけはシャウト)」をやりました。
●その時の感触は覚えてますか?
○うーん、ぶっちゃけた話をすると、「まぁ、こんなもんかな?」くらいの印象でした(笑)。
「うわー!」っというような感動はなかったっていうか。
「気は合うな」っていうくらいの印象でした。
●意外と、強い印象ではないんですね。
○まだみんな経験も浅かったですし、たぶんナオさん(Mr.ワリコメッツの初代ドラマー)も入ったばっかりだったり、僕も技術がなかったですし、なんとなくでやっていたんだと思います。
「一緒にやったら楽しいかもな」っていうくらいな感じですね。
●前回、エイジさんへのインタビューで聞いたんですけど、まず一回センションして、一度持ち帰って、2回目に会った時に「一緒にやりましょう」という話になった、と。
○あれ?そうだっけなぁ(笑)。
●まぁ、エイジさんにも記憶を頼りに話してもらっているし、もう10年も前の話なんで記憶違いもあるのかもしれませんね。
○いやー、そうだったかもしれない。
そうだったかもしんないです、ははは。
曖昧ですね、その辺は。
2回目(に会ったの)が11月1日だったかもしれない。
そう言われると、自信なくなってくる(笑)。
●あと、これも前回のインタビューで聞いたんですが、エイジさんはコメッツのライヴにも足を運んでくれたそうですね。これは覚えてますか?
○覚えてます。
新宿のタカノヤっていうライヴハウスに、エイジさん来てくれました。
●あー、タカノヤですか⁉︎懐かしいですね。新宿三丁目の、もっと先にあった…
○そうそう。
当時懇意にしていた人とのつながりで出てました。
●ライヴはエイジさんだけで来たんですか?
○エイジさんだけ、だったかなぁ?
葛西さんはどうだったかなぁ。
うーん、葛西さんも来たと思います。
●その時は、コメッツの解散ライブだったんですか?
○いや、全然ぜんぜんっ!
(コメッツが)解散したのが2010年の1月です。
で、その解散ライヴの2日後くらいがワリコメッツのステージでした。
●おー、初ライヴがいつだったかは聞きたいところでした。エイジさんへのインタビューでは分からなかったもので。では、コメッツの解散が1月で、Mr.ワリコメッツの初ライヴも1月ということですかね?
○1月の後半だったと思うんですけど。
かなり下旬ですね、確か。
●初ライヴの場所はどこですか?
○新宿ドクターです。
●この時にやった曲は覚えてますか?
○えーとねぇ、「カラガラヨー」と、、、「カラガラヨー」から(ライヴが)始まったんです。
それから「都ロック」、「シャウト」もやったと思います。
それから「ビール」か。
あと、「かわいいあの娘」という、葛西さんが作った曲もやった気がするなぁ。
あと何やったっけなぁ。
●結構覚えているもんですねー。
○あと、「トラック野郎(=トラック野郎道中記)」もやったかなぁ、確か。
あ、あと「マーケット」。
のちに『丘に暮らせば』(Mr.ワリコメッツ、初のフルアルバム。2014年発表。)に収録されている曲ですね。
古くからやっていて、あとあとアルバムに入った曲が結構あったりするんですよね。
「シャウト」なんて未だに録ってないもんなぁ。
●これも前回エイジさんのインタビューで聞いたんですが、キリさんが入ってから活動のペースがすごく速くて、12月にはMTR(マルチトラック・レコーダー。多重録音機。音の重ね録りができるので、バンドマンがデモ音源を録る時に重宝する)で録音したと言ってました。
○はいはい、覚えてます覚えてます!
●この時に録音した曲は覚えてますか?
○「カラガラヨー」と、「シャウト」と「ビール」です。
●これは、先ほど伺った、マイスペースにあがっていた曲と一緒ですね。
○そうですね。
あれー、「都ロック」も録ったかなぁ。
いや、違う。
録ってない、たぶん。
●初ライヴの感触、手ごたえは覚えてますか?
○めっちゃお客さん来たんです。
30人くらい俺たち呼んでて。
で、めっちゃ盛り上がったんですよ。
で、俺は結構酔ってて。
●ライヴ中ですか?
○いや、ライヴ前から。
だから、実はあんま覚えてないんですけど(笑)。
とにかく、感触はめちゃくちゃ良かったっていうのは覚えてます。
●初スタジオの時は、「こんなもんかな」と言ってましたが、ライヴの時はやっぱり、、、
○なんかね、テンション上がってたんですよ、俺。
なんでかって言うと、まー初ライヴだったっていうのもあるんですけど。
エイジさんが本番前に、結構熱いことを言っていたっていうのがあって。
それがグッときて、テンション上がって、「よーし、やってやろう」と一致団結したみたいな。
「未だかつてあんな風に盛り上がったことはない。自分たちでバンド演奏して、お客さん集めて、こんなに盛り上がった経験はない」と、当時思って、それがめっちゃ楽しかった。
●この頃にハマっていた音楽は覚えてますか?ピンポイントで思い出すのは難しいかもしれませんが。
○あー、でもねぇ、結構エイジさんの影響はデカかったですね。
教えてくれましたよ、いろいろと。
タイマーズとかね。
あとなんだろうなぁ。
ロスランチェロスとか、アイリッシュパンク系のものとか。
あと、ビートルズ。
当時ビートルズは全部アルバム持ってなかったんですよ。
で、エイジさんや葛西さんは全部持ってて、オレも買わなきゃな、と。
そっからっすね、本格的にビートルズにハマったのは。
●オールディーズはそれまでも好きだったんですよね?
○もちろん大好きです。
で、むしろ(僕は)エイジさんにキャロルを教えて、それでしっかり聴いてくれて。
「これ、良いね」って。
当時オレは音楽あまり知らなかったんで、刺激的でしたよ。
ラモーンズとかも、もしかしたらエイジさんからかも。
あ、あとあれだ、ジョー・ジャクソン。
ビッグバンドです。
全部エイジさんの影響だなぁ(笑)。
全て刺激的でした。
●最後に、その後のワリコメッツ初期の活動で特に印象に残っているできごとはありますか?今パッと思い浮かぶもので構わないのですが。
○1番デカかったのは、ナオさんの脱退じゃないですか。
ネガティブな話になっちゃうけど、その時一度、解散の危機に瀕している。
あとは、『バキューンとガム』の発売ですかね。
オレそれまでMTRとかでしか録音したことなかったんで、ちゃんとした正規盤を作ったのは初めてでした。
インタビュー : 2019.8.6(火) 新高円寺にて
(記憶に基づいて喋ってもらっているので、記憶違いによる誤りやメンバー間で情報が食い違う場合がございますが、インタビューのライヴ感を残すため、それらの訂正は行なっておりません。ご了承ください。)
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