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ゲーム会社の歴史3 ジャレコ編 大手になっても傲慢さは身を亡ぼす 悪くなった時に試される誠実さ、人間性


栄枯盛衰

ジャレコの歴史を表す言葉だ

あれだけ大企業だったジャレコはなぜ「1円売却」されたのだろうか

社長のインタビューに原因の5割語られているのでまずはそちらを読み解いてみる

その後、語られていない5割を探していく


ジャレコは倒産なんかしねーよ!
倒産させたかったら勝負しろ!

 「燃えろ!!プロ野球」や「アイドル雀士スーチーパイ」などの有名なゲームタイトルに聞き覚えのある人も多いだろう。それらを制作してきたゲームメーカー、ジャレコが譲渡による再建を機に様々な方面で話題を呼んでいる。

 「異変」が起きたのは今年の1月。ジャレコ・ホールディングが100%子会社だったジャレコを、オンラインゲーム会社ゲームヤロウに「1円」で譲渡したのが始まりだ。ジャレコ・ホールディングからジャレコへの貸付金約16億円のうち、そのうち約10億円は債権放棄され、残る7億円が資産とともにゲームヤロウに引き継がれる形となった。

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 それから5ヵ月が経った6月3日、社長の加藤貴康氏が自身のブログに書いた「ジャレコは倒産なんかしねーよ! 倒産させたかったら勝負しろ! このタコ野郎!!!」という投稿が注目を集めた。

 コメント欄では同社のWii用ゲーム最新作「黄金の絆」の出来について「満足してるわけねーだろ!あのクソ開発会社め!」とストレートに発言し、多くのブログで引用記事が投稿された。

 その4日後、今度は「加藤☆自作乙☆タカφ★」というハンドルネームで2ちゃんねるの芸スポ速報+板に社長自ら有名人記者として「降臨」し、2ちゃんねるユーザーの質問に回答。やりとりの中で自社のゲームを「クソゲー」と呼ぶなど、ここでも大胆な発言が目を引いた。

 さらに翌日には公式サイトに「ジャレコ再生プロジェクト」という特設サイトを公開。プロジェクトの第1弾として新作ゲーム「the:rpg」の制作を発表。ネットで敵キャラクターの募集を開始したが、ここにかなり際どいイラストが集まっていることがまたもや話題となった。

 最近ではニコニコ生放送に飛び入りするなど、飛びぬけたパーソナリティーを発揮する加藤氏。ブログや2ちゃんねるでの発言の真意、また今後のジャレコが目指すものなどについて加藤氏に聞いた。

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―― 今日は本当に色々とお話しいただこうと思っていますので、よろしくお願いします。まず、ジャレコの社長になる前はどんな仕事をされていたんでしょう。

加藤貴康氏(以下、加藤) 大学を卒業してからしばらくコンサル企業に勤めていました。その後、広告代理店や金融業界を渡り歩き、ジャレコ・ホールディングに入社したのが2007年のことです。

 入社と同時に、現在のジャレコのプロモーションを手伝ってほしいと言われ、ジャレコに行くことになったんですが、それから翌年の3月には執行役員副社長という肩書きになり、7月には社長になりました。

 会社の体制や人事の面でもかなりばたばたしていたというのは社内に身を置く私も感じていました。そういったものが会社の内部事情をあらわしていることになると思うんですけど。外部要因で社員が振り回されているという状況が続いていました。

―― その1年後、2009年1月に現在のゲームヤロウに「1円」で譲渡されたわけですね。

加藤 事前に聞いてはいましたので驚きはありませんでした。1円譲渡と言っても、もちろん会社に価値がないというわけではなく、資産と負債を引き受けるという条件で、株式に対しては実質1円になっているというだけでしたから。


―― 「海外企業に売却される」ときのショックはありましたか。

加藤 エンターテインメント企業のグループに入るということで、ネガティブにとらえた社員はいませんでしたね。わたし自身も韓国バーなんかにはよく行きますし、韓国に対する印象は非常に良かったですから、何の抵抗もありませんでした(笑)。

 もっとも、社員の中には不安を抱いた者もいたようですが、たとえば韓国企業が親会社になったことで、突然外国人の社員が来たわけではないだろうという風に言っています。

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―― その後に打ち出された「ジャレコ再生プロジェクト」のページはかなり思い切ったサイトデザインにされていましたね。

加藤 そうですね。あれくらいやってもまだ足りないと思っています。どこに責任があるかと言われればそれまでの経営陣です。当然私にもその責任はありますよ。社員を迷わせず、ゲーム会社らしい仕事をちゃんとやろう、一度傷ついたブランドを再生しようという思いをこめています。

 これまで社員たちはゲーム会社の社員としての誇りを持てていなかったと思うんですね。きちんともの作りをすべき会社なのに、ゲームそのものがぞんざいな扱いになっていた。それを変えようという意思を込めています。

 お金がないのであれば、現在ユーザーから意見をもらいながら作っている「the:rpg」のようにウェブ上で意見をもらうことだって出来るわけですよ。その3割がまともで、7割がふざけていたとしても、そのどちらの意見も今の会社には重要だと思っているんです。私たちがどう見られているかも、この意見から知ることができるわけですよね。

―― その「誇りを持てていなかった」ということが2ちゃんねるで自社のゲームを「クソゲー」と呼ばれていたことにつながってくるんでしょうか。

加藤 まあ、クソゲーはクソゲーですよね。作り込みが甘いものを、作り手として世に出していいのかということを最近になって強く思いはじめました。もちろん中にはいいものもあります。ぼくも「燃えろ!!プロ野球」などを見ていると、当時としてはよく出来ているなと感心するところがありますよ。

 ただ、最近のゲームは自分で見ていてもビックリしますよ。本当に売れると思って作っているのかと。それは作り手というより「アーティストぶってしまった」スタッフによる責任だと思っています。

 当たり前ですが、私たちはビジネスをしているのですから利益を上げなければやりたいことはできないんです。今の社員にも事あるごとにそう言っています。ゲームメーカーである前にビジネスをやっているんだと。その意味でいえば、11年間つぶれなかったことが逆に奇跡ですよね。

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―― なぜスタッフたちは「アーティストぶった」態度になってしまったんでしょう。

加藤 ジャレコには長いこと在籍していた役員もいれば、外部から来た役員もいました。その役員を含めたスタッフが腹を割って話せていなかったんですね。なあなあというか、上品ぶっている。「本当にこれは売れているのか」を知ろうとしない。「いいね、いいね」と仲間内だけで盛り上がって、ゲームを世に出してしまう。そういったことが積み重なったのではないかと思います。

 たとえば一般ゲーム雑誌のレビュー記事を読めば、優れたものには良い点、悪いものには遠慮なく厳しい点をつけられているわけですよね。そういったものを見ようという努力さえしないで済ましていたことが、この結果を招いたんだと思います。


―― 最新タイトル「黄金の絆」についても「クソゲー」と思われていますか。

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加藤 まあ、クソですよね。あれをクソと言わずして、何をクソと言うのかってことです。上品に「よくがんばってくれました」なんていうのはウソでしかないですよ。

 といっても、それは開発会社のせいにしているわけではなく、結局は「自分たちもクソ」だし、それを世に出してしまった自分こそクソだったんだと思っています。

 だから二度とこんなことはしないように、もう一度同じチームでチャンスを作るから、もう一回やろうよと。そして逆にユーザーや私を見返してくれと思っています。


―― なぜそこまでの「クソゲー」になってしまったんですか。

加藤 要はプロ意識がまったくなかったということですよね。満足いかないクオリティのまま世に出そうとしてしまう生ぬるさが原因です。当初の計画から半年遅れで進行して、それであのレベルですよ。こちらは数億円の投資をしているわけですから、それを何に使ったんだコノヤロウということになる。

 とはいえ、そんなことばかりを僕が何度も言っていると制作会社に仕事が来なくなるかもしれない。でもそのとき、もう一度私がチャンスを作るから、同じチームで見返してやろうよと。彼らは、そこで諦めてしまうようなレベルのスタッフじゃないと思っているんです。

以下引用略


個人的な感想

加藤社長はジャレコ・ホールディングに入社したのが2007年なわけですから

ジャレコの栄光とは一切関係がない人物です

ではこの記事は意味がないかというと

ジャレコの没落とは関係がある人物と思っています


記事を読んでいくと分かりますが

勘違い

2ちゃんねるへの書き込み

社員がアーティストぶる

旧役員と新役員のコミュニケーションがとれていない

個々が自分可愛さの保身に走る


NG行動がこれだけ多いというのはコンパイル社の末期と似たものを感じる

借金を抱えた時、何が一番怖いかというと

冷静さを失って社員がバラバラになり出す

人的被害

が一番怖い

以前紹介したスクウェアは映画進出で失敗したし、カプコンもヒット作が出ていない時に潰れかけている

そこで倒産しなかったというのは

スクウェアは合併と販売ソフトの利率見直し、取捨選択と人事再編

カプコンはヒット作が出ない間もブレずに安易に模倣に走らず挑戦をあきらめない

冷静さを保ち

人としてやれる事をやっているからです

ということで衰退の一部原因と思われる社長のインタビューでした

やはりこのインタビューでは半分しか話していないと見ました


ここからはジャレコ誕生から見ていきます


1974年10月3日

株式会社ジャパンレジャーとして創業(今日ですね)

創業者は金沢義秋(1945年11月12日 - )

ハドソン、ナムコ、タイトー、コナミ、カプコンとともにファミリーコンピュータの初期サードパーティー6社の一角で、任天堂はこれら6社を優遇していた。






1985年

忍者じゃじゃ丸くん  100万本  アクション FC

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1986年

(以下インタビューより)NMKがジャレコで販売するゲームを作っていたということですね。『アーガス』や『バルトリック』(1986年)、『サイキック5』(1987年)とか。

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NMKの皆さんはパワーがすごかったのは確かで、もうジャレコから開発費はもらっていましたね。会社を作る前提でジャレコが出資してくれていたっていうか、とりあえず単月黒字になるまでは面倒を見てくれるようになっていた。

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NMK所属アーガス製作者の坂本慎一

注)当時のジャレコはゲームメーカーであると同時に

多くのメーカーへの出資会社だった

その1つがNMK






1987年

燃えろ!!プロ野球 売上本数 158万本   スポーツ FC

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ここから13年ほど記事が無く調査断念

以下推測になってしまいますが、ファミコンメーカーの雄であったジャレコは、スーパーファミコンなど次世代機への技術についていけなかったのでしょうか?

その点では他業種に転身などすべきであったのにそういった記事もない

大きな分岐点での選択の失敗は、倒産企業にありがちです。

または、大手の自分達なら今後も売れるだろうという予測からゲーム業界に残り続け失敗したのか?

推測の域を出ません

(90年代にはもうジャレコの名前を聞かないので、1990年には衰退する重要な「何か」があったと思うんですけどねぇ。大事な部分が調査できなくて申し訳ない)





2000年

香港のパシフィック・センチュリー・サイバーワークス(PCCW, 電訊盈科)の買収を受け、社名を「パシフィック・センチュリー・サイバーワークス・ジャパン株式会社」(PCCW Japan)に変更した。

2004年

再び「株式会社ジャレコ」に社名を戻した。2005年には、主要株主が香港のPCCWからSandringham Fund SPC Limitedに変更






2006年

従来の株式会社ジャレコ(初代、旧ジャレコ)がゲーム事業について会社分割(簡易分割)を行い、「2代目」株式会社ジャレコを新設。旧ジャレコは株式会社ジャレコ・ホールディングに社名変更して、持株会社制へ移行。また、ジャレコ・ホールディングの経営陣は、社長である羽田寛

を筆頭に旧ライブドア関係者が多数集結しており、不動産業、金融業(証券、FX取引)といった投資関係の業務がメインで、ゲーム部門の売上げは10%ほどだった。

2009年

早期経営改善が見込めないことからジャレコの全株式が1円でジャレコ・ホールディングから提携先のゲームヤロウに売却され、ゲームヤロウの完全子会社となった。この際、ジャレコ・ホールディングは、ジャレコに対する貸付金16億9000万円のうち9億9000万円を放棄している。なお、ジャレコ・ホールディングはその後の2009年4月、EMCOMホールディングスに社名変更している。

2013年

には事実上の事業停止状態となる。公式ウェブサイトも閉鎖。

2014年

親会社であるゲームヤロウが、東京地方裁判所において破産手続き開始。負債総額は約22億4000万円と報道されている。これに伴いジャレコは名実共に消滅した。




追記

タイトルで傲慢という言葉を使っていますが、実際にジャレコ経営陣の人間性は分かりません。情報が無いので。

例えば任天堂が倒産しても、私は傲慢な経営と書いていたでしょう。

現在では任天堂の経営学、やることがすべて正しい、夢のあるソフトを出す企業とうたわれています。


これは戦勝国のアメリカがすべて正しいと言ってる事と一緒です

勝者に乗っかる論法は説得力が増すので使われがちです

例えば野球のダルビッシュ投手が勝ち投手になった時

「SNSでの発信も多くファンを大切にする投手だ」

「結婚して精神的に安定した」

おおよそ投球とは関係のない褒めコメントが並びます

そして負け投手になった時は

「SNSにかまけて練習が足りない」

「嫁の作る飯が不味いのだろう」

とおおよそ投球とは関係のない批判コメントが並びます


脱線しましたが、経営者の人間性というのは会社の運命に大きく影響します。残念ながらジャレコの社風や経営者の人間性を知るすべはありません。

ただ倒産したから全てが悪い、という考え方は真実には程遠い考え方だと思います。

※さらに複雑なのは平和的倒産というものもある

誰も不幸にならない処理というわけだ

ジャレコは消えたが、それが不幸でない可能性だってある

会社とは人の想いの集合体だから複雑だ





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