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【日記】血統って面白い その2 キタサンブラックの場合


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「血統にサクラバクシンオーが入ってるから短距離血統だな」

どうも人間というのはイメージ先行で考えてしまい、そこで分かった気になってそれ以上考えるのをやめてしまう

メンデルの法則の話はまた次の機会にするとして、有名なマリリンモンローとアインシュタインの話

「あなたとの子供は美貌と頭脳を持った子になる」

アインシュタイン曰く「その逆だ」



これが良い部分を遺伝した理想形のステマ配合の話と思うのですよね

当然悪い部分同士を受け継ぐ時もあって、それは活躍しなかったオルフェーブルの兄弟などの説明になるのではないでしょうか


同じ血を引いても同じ個体にならない原因はそこにあります






話がそれたのでキタサンブラックの血統の不思議を一つ一つ分析していこうと思います

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まず話を長距離適正と短距離適性に絞ります

これは人間にも言える話ですが、短距離走のトップ選手はマラソンで金メダルを取れません

短距離に必要なのは筋肉量、長距離に必要なのは乳酸の溜まりにくさ

全く逆の筋肉が必要になります





父、ブラックタイドについて

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ディープインパクトの兄ですので血統は同じですね

戦績

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ディープインパクトのもう一つの未来とも言えます

特に早熟、上り3ハロンのスピードが良いのはディープを彷彿とします

戦績は平凡でも、遺伝子としてはディープインパクトのコピー、つまりディープ産駒に多いクラシックディスタンス(2400m)への適正、芝、特に固い高速馬場への適正、早熟、ディープの代名詞である末脚、一瞬の切れを産駒に伝搬します。

金鯱賞を取ったディープ産駒穴馬ギベオンも、このディープの血があったからあの爆発力の説明になりますね

ディープインパクトは長距離でも短距離でも活躍する馬を輩出しています

短距離の遺伝子をT

長距離の遺伝子をS

と仮定します

ブラックタイドは戦績を見るとスプリント戦から長い(目黒記念)まで戦っています

ディープインパクトと同じST遺伝子を持っていると仮定できるでしょう





母の父 サクラバクシンオーについて

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自身は完全にスプリンターの戦績

産駒もほとんどがスプリンター

これは疑いようもありません

遺伝子はTTとなります

ちなみに

父サクラユタカオーが中距離馬
母サクラハゴロモも長距離馬

これは父がST

母がST

その子バクシンオーが4分の1の確率でTTを引いたと考えられる




母の母 オトメゴコロについて

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競馬では母の母は軽視される傾向がある

しかし、キタサンブラックについて最も重要な部分であると思う

重賞を勝つような馬ではないが1800ダートを勝っていたり、長い距離のパワーが必要な所で成績がいい

恐らくSTかSSの遺伝子

ちなみに父ジャッジアンジェルーチについて

アメリカから購入

3年間で22戦10勝の成績を挙げダートでも好成績

スタミナとパワーを有している事が分かる。






母シュガーハートについて

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レース未出場な為距離適性などのデータは不明

両親の遺伝子から考えていく必要がある

父サクラバクシンオーはTT

母オトメゴコロはSTかSS

つまり産まれたシュガーハートの遺伝子はSTもしくはTT

ここはSTと仮定しておく





キタサンブラックの遺伝子は

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父がST

母がST

完全なステイヤータイプになる確率が4分の1あって、実際そうなったのがキタサンブラック

遺伝子はSS

キタサンブラックはダートも強いパワーのあるステイヤーです

ここまで来ると「サクラバクシンオーが入ってるからスプリンター」というのが考察不足とわかりますね。


本考察とは直接関係ありませんがキタサンブラックの強みは

重いトレーニングを可能にする丈夫さ

成長力

ダートをものともしないパワーと体格(ウマ娘史実準拠で2番目の重さ。1番はヒシアケボノ)

武豊が今まで乗った中で1番というほどの操縦性のよさ(賢さ)

にあると思います

皆血統表を見るとサクラバクシンオーに注目し過ぎで、母の母からダートをものともしない力強さを受け継いでいます



































まとめ

今回の記事が何の役に立つのかと問われたら、「思い込み、間違って理解している事は多い」という事

もう一つは、細かく分析していけば理屈通り、当たり前の結果になっているという事

私は、〇〇は遺伝力が強い、〇○は牝馬の特性を出す事が出来るといった結果論ありきのオカルト血統論は信じていない。〇○の血が〇○の血を活性化させるって書いてる血統評論家の人、さすがに信憑性を持てない。

突然変異も嫌いな言葉だ

サンデーサイレンスを日本に渡すきっかけを作った人も

サンデーサイレンスは突然変異と言った


自分の考えが外れた人が使う、説明できなことを解消する便利な言葉だと思う


客観的、正しい知識で材料を見ていく、思い込みしないように気を付けていけば、競馬以外の多くの場面でも「正確に」物事を見る事が出来るのではないだろうかと考えています

ここまで読んでくれてありがとーーーーーーーーーーー























参考にさせてもらった記事 サンデーサイレンスと突然変異

機械とは違う 「生物」 には、当然のことながらいくらでも例外があります。 前回の 「名牝を母に持つ名種牡馬」 では、名種牡馬には母親(母系)が優秀な馬が多いことを書きましたが、 もしかしたら、その究極の例外こそ、サンデーサイレンスなのかもしれません。 サンデーサイレンスの母系は確かに貧弱であり、それゆえに、年度代表馬に文句なしに輝いた馬ながらも、米国生産界は日本に手放したと言われます。 『血のジレンマ』には以下のようなくだりがあります:

「だが、アメリカにおける種牡馬としての評価は低かった。 母はGⅡレースの優勝馬だが、母系を過去に五、六代たどっても下級馬しか見当たらない貧弱きわまりない血統だったのである。 そこに代々配合されている種牡馬もマイナーなものばかり。こんな血統から、よくぞGⅡレースを勝つ母親が生まれてきたものだと驚かされる。 突然変異で生まれたとしか考えられない」(本書 42 頁)

こちら でも書いたとおり、以前私は吉沢さんに対して、 「突然変異」 という言葉をいくつもの著書において多用してしまっていると失礼を承知で指摘させて頂いたことがあります。 しかし、サンデーサイレンスという 「個体」 を見てみると、確かに血統表のボトムラインにめぼしい牝馬はいなく、そこから枝葉も伸びておらず、 そこに配合された種牡馬群もほとんど目に触れない名前ばかり。 そこからこのような逸材が突如現れたのですから、遺伝学的観点から考察しても、エピジェネティクスなどといった生易しい現象ではなく、 ついに私も、サンデーサイレンスには競走能力に有意に影響する突然変異があったのかもしれない……と思い始めてしまったのです。

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