議論を尽くすということ

私は法律の素養はないのですが、民主的な組織運営にこだわりがあるように思います。民主主義と言ってしまうと政治体制なのでしょうけれども、そこまで大きな話ではなく、日ごろ組織を動かすときにどういう運営方法を好むかということです。こういう考え方が固まったのは、大学時代のサークルが非常に民主的な運営体制を持っていたからではないかと思います。私が学生生活を過ごしたのが90年代前半ですから、すでに学生運動などは消滅しかかっていたのですが、そのサークルは学生が政治的意識を高く持っていたときの運営体制の枠組みを残していたと思います。大事なことは総会で決めるのですが、代表者の選挙を含めるとサークル全員で集まる会議が年に最低5回はあり、総会や選挙は多くの場合、3、4時間やっているような具合でした。議案提出者側に回った時が大変で、いろんな問答の想定を前日徹夜でして会議に臨んでいました。いじわるな質問があったり強硬な反対があったりして、会議がなかなか進まないこともあったと思いますが、そういうときでもみなが言いたいことを言い切ったタイミングになると、なんとなくそろそろ決を採ってもいいんじゃないかという、参加者のあいだの雰囲気が醸成されて、それで決に移っていたのが印象的でした。議論ではいろいろ言っても、最終的にはみなサークルの構成員であるわけで、そこの結束があるから最終的には議論がまとまったんだと思います。今の日本の政治を見ていると、あらかじめ2派に分かれていて、それらが決して交わることがないという感じで、それではまともな議論ができないし、議論を尽くした後に互いに納得して落としどころを探すことも無いように思います。議会が議論の場でなく、ただのパフォーマンスの場としか理解されていないようです。そこに本気の議論が無いというか。政治的立場は違っても、お互い日本国民なのだから、最終的には国民のために良い案が通るような議論がされるようになって欲しいです。

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