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ウクライナの上海協力機構入りと、ロシアのNATO入り

ロシアによるウクライナ侵攻はまだ終わりが見えませんが、自分がこの事態に対してどういう態度を取るのかということがまったく定まらず、恥ずかしいですし、落ち着かない気分です。

どういう結果になるにせよ、この事件によって欧米とロシアの対立が深まることは確実でしょう。最近の世界情勢を見ていると、世界の国々はつねにお互いの対立を煽り、対立を深めていっているように思います。そうではなく対立を取り込むような、もっと大きな枠組みを作っていけないものでしょうか。

ロシアがNATOの東方への拡大に脅威を抱いたことが今回の事件の理由のひとつだと思います。NATOはその起源からして「反ロシア同盟」ですから。こういう組織を維持・拡大しながら「ロシアの行動がおかしい」というのも、ちょっとおかしいのではないかと思います。自分をずっと敵扱いされたら、相手と仲良くなれるはずがないですよね。

「AかBか」の対立を軸にしているといつまでも問題が解決しないですから、「AもBも」という枠組みを作っていくことができないものでしょうか。NATOにもしロシアも加盟すれば「AもBも」になります。でもNATOが「反ロシア同盟」であればそこにロシアが加盟すると矛盾に陥ってしまいますから、NATOでないヨーロッパの安全保障の枠組みを作ってそこにロシアも加盟できるといいのにと思います。

あるいは、今回の事件の流れであまり注目されていませんが、ロシア中国はじめユーラシアの多くの国家が加盟している「上海協力機構」があります。現在の加盟国は、中国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン・インド・パキスタン・イランの9か国です。オブザーバー国がモンゴル、ベラルーシ、アフガニスタンです。さらに対話パートナー国というのがあってスリランカ、トルコ、アゼルバイジャン、アルメニア、カンボジア、ネパール。欧米とは異なった政治文化を持ったユーラシアの国々が集まっている多国間協力組織です。たがいの内政には干渉しない、ゆるやかな枠組みだと思います。

この「上海協力機構」にウクライナが加盟すれば、「AもBも」という枠組みがもうひとつできると思います。今のウクライナが「上海協力機構」に加盟するとはとても思えないのですが、もしヨーロッパとアジアの間というウクライナの立ち位置を現実的に考慮するなら、ゆるやかにでも「上海協力機構」に加盟することがおかしいこととは必ずしも言えないのではないかと思います。

国際政治に無知な人間の妄想なのだと思いますが、国連という枠組みが大きすぎて何も効力を持たない以上、西にある国際的枠組みを東に拡大し、東にある国際的枠組みを西に拡大して、ロシア、ウクライナ両国の利害を多国間の枠組みで調整できるようにしないといけないのではないでしょうか。

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