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「ランニングしていて良かったぁ♪」と思えた3冊

(2020年7月7日公開ブログ記事から転記)
こんにちは!わらランです。
走り始めて6年、今ではほぼ毎日走って心とカラダを整えていますが、走る事が生活習慣として身につくまでには様々なきっかけがありました。ランニングに関する「本」との出会いもそのひとつです。
今回の投稿では、私がこれまで読んできたランニング関連書籍の中から、走る事の本質を理解して習慣化するのにとても役に立った大切な3冊をご紹介いたします。


ワラーチで走りたくなる♪「BORN TO RUN-走るために生まれた」

実は結構前に購入していた本です。当時、読み始めてすぐの序盤で挫折してしまい完読出来ないまま本棚の奥にしまい込んでいました。最近、思い直して最後まで完読したみると、非常に面白い本でした(笑)

 

この本は、ランナーでもあるクリストファー・マクドゥーガル氏の書いた3部構成のノンフィクション小説です。
第1部では、膝に故障を抱えたランナー(著者本人)が、その悩みを解決する為にメキシコの謎のランナーを探し求めて、走る民族(タラウマラ族)に出会うまでの話です。
数年前この本を購入した時は、外国人作家特有の比喩表現に馴染む事で出来ず、この第1部まで読んだところで挫折してしまいました。
第2部では、人間の「走る」という行動を科学的に分析するとともに、人類進化の過程で「長く走る」事こそが重要な意味を持つという謎を解き明かしていく話です。
この章を読んで、走ると「心とカラダを整える」事が出来る、その理由が分かった気がします。2足歩行という特殊な身体的特徴を持った人類は、集団行動しながら長く走り続ける事で、動物の頂点に立つことが出来たなんて驚きでした!
第3部では、世界最強ランナーを決定すべく、メキシコの走る民族(タラウマラ族)とアメリカ人ランナー達が、荒野を激走する奇跡のレースの話です。
第1部の序盤で挫折してしまった事が嘘の様に、レースの場面では読むのに没頭して一気に最後まで完読してしまいました。ノンフィクションなので当然ですが、全員実在するランナーです。そして参加者全員、個性的で魅力的な人物ばかりです。 特にレース終盤でゴール目指して激走するトップ2人のランナーの場面には魅了されてしまいます。
読み終わると、感動と同時にとても清々しい気分になります。走るという行為は、本来幸福を感じるための行動だったのですね。
「人は年を取るから走るのをやめるのではない、走るのをやめるから年を取るのだ」に心底納得です。これからも「心とカラダを整えるため」に走り続けようと決意しました!
そしてワラーチランも試してみたいと思っています。

村上ファン必読!「走ることについて語るときに、僕の語ること」

中学生の頃、「ノルウェーの森」が発表され、村上春樹ブームが起き、ご多分に漏れず私もそれ以来の村上春樹作品の大ファンです。
そして、多くの作品に出てくる強い精神力を持った主人公と著者自身の人物像を重ね合わせ、著者のライフスタイルに強い興味を持っていました。
この本では著者にしては珍しく、そんなご自身の事を書かれています。ランニングを通して村上春樹さんのライフスタイルや創作活動の一端を垣間見れるメモワール(回想録)となっています。

 

「走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由は大型トラック一日分あるからだ。僕らにできるのは、その「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続ける事だけだ。暇をみつけては、せっせとくまなく磨き続けること。」
小説家が作品を創り上げる作業というのは、走る理由をせっせと磨き続ける作業と似ているのかもしれませんね。また、走ることは、著者にとって「小説家」という職業を続けていくうえで、心のバランスを保つのに必要な行為なのかもしれないと感じました。
でも、それは「小説家」以外の多くの方々にも当てはまる事だと思います。私自身、日々のランニングで心とカラダのバランスを保っている事を実感しています。
「マラソンは万人に向いたスポーツではない。小説家が万人に向いた職業ではないのと同じように。僕は誰かに勧められたり、求められたりして小説家になったわけではない(止められこそすれ)。思うところあって勝手に小説家になった。それと同じように、人は誰かに勧められてランナーにはならない。人は基本的には、なるべくしてランナーになるのだ。」
これまでに、軽い気持ちで周囲の人たちにランニングすることを勧めていましたが、この本を読んでからはむやみにランニングを勧めるのは止めました。自分が好きな事を安易に人に勧めるのは良くないですね。
私がしつこく勧めた事でランニングが嫌いになってしまった人がいたらゴメンナサイ…もう勧誘しません。
本文最後の「墓碑銘に「少なくとも最後まで歩かなかった」と刻んでほしい」に、村上春樹ファンの私は痺れました!私はツラいとすぐ歩いてしまうダメランナーですが、こんなカッコイイ事が言える様にしっかり練習せねば!
この本には、村上春樹ファンのみならず、多くの市民ランナーの心に刺さる言葉が随所に散りばめられています。多くの方に是非とも読んで頂きたい本です。

走って今日もていねいに。「それからの僕にはマラソンがあった」

松浦弥太郎さんの著書を以前から愛読していた妻から、薦められて読んだ本です。
ご存じの方も多いかと思いますが、松浦さんは「暮しの手帖」編集長を務めた後、ウェブメディア「くらしのきほん」をたちあげた方です。

この本は、そんな著者が走り始めたきっかけから、現在まで何を思って走り続けてきたのかについて綴られたエッセイです。
走り始めたきっかけは、仕事のストレスで帯状疱疹が出てしまい心療内科で処方された薬を飲む気になれず、思い付きで走り始めたそうです。
コレ、良く分かります。 私も薬が大嫌いで、どんなに調子が悪くても自力で治したいと考えてしまいます。でもここからが私の様な凡人とは違いました。
著者は、その日から辛くても苦しくても、毎日ランニングを続け、走れる距離を徐々に伸ばしながらも、様々な問題に直面しては試行錯誤しながらそれを克服していきます。
最終的には、ランニングをライフスタイルの中に取り入れて、日々走る事で機嫌よく生活できるようになっていったそうです。
私も日々走る事で心とカラダを整えていますが、それほど真面目でもストイックでもないので、著者ほど真剣に走る事について考えた事はありません。しかし、走り続ける事で「頭がすっきりすること」の効果は 私でもしっかりと実感できます。
本の途中で、情報発信メディア「EKIDEN News」を主宰する西本武司さんとの対談が収められており、その西本さんのお話しの中にも共感できる事がたくさん語られていました。一番面白かったのは、大会で歩きづらくなったのは村上春樹さんの「走ることについて語るときに、僕の語ること」の呪縛と言われてたところです。思わず笑ってしまいました。さっき「歩かない様に練習を頑張る!」と書いたばかりですが…やっぱり辛い時は歩かせて下さい。笑
「走ることはただの運動ではないのです。走ることに向けてのさまざまな営みをとおして、生き方についての大切なことがたくさんみつかりますし、漠然としていたものがはっきり見えてきます」
松浦さんの最終的なテーマは、「美しく走る」ことだそうです。
多くのランナーは、「長く」「速く」「楽に」走るフォームは意識されていると思いますが、「美しく」を意識して走ると、人生の大切なことが見つかると書かれています。「正直、親切、笑顔、今日もていねいに」を信条にされている如何にも松浦さんらしい発想だと感じました。
私もこれからは「美しく走る」を意識しながら、「今日もていねいに」生活していきます。

まとめ

効率的に・速く・長く、走る方法を教えてくれるハウツー本やランニングがテーマの小説なども読んできましたが、今回は走る事の意味を考えさせらる、おすすめの3冊ご紹介させて頂きました。
未だ読んだことが無く、この記事を読んで興味を持って頂けたら、是非読んで頂きたい本です。
例えランナーでなくても、読めば走りたくなると思います。
以上、走っていて良かったぁ…と思えたオススメの本3選でした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
この記事を楽しんで頂けたら嬉しいです!

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