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愛すべきバンドメンバーを紹介します。

私は14年ほど、アマチュアのジャズバンドを運営しています。

ときどき、「18人もまとめるの大変だろうし、すごいね。」
と言われることがあります。

結成当初は、「自分が好きで始めたんで楽しいですよ」なんて答えてたけど、
メンバーとうまくいかない時期もあり、
集団をまとめるのは大変だな、と思うようになりました。

何だって、始めた時は新しいことばかりで新鮮な気持ちでも、
続けていくのはまた別のエネルギーが要ります。

よそのサークルでも、古参と新規メンバーで意見がぶつかり
分裂した、という話もよく聞きます。
会社などでもあると思います。

人が集まるとぶつかることも増えるけど、
バンドは人が集まらないとできない。
どう、メンバーと楽しんで続けるか、模索の14年でした。


モチベーションはそれぞれ、ということ

聞き屋を始める少し前に、自分自身がなんで音楽を続けているか、
自分の気持ちを深掘りした時に、
メンバーそれぞれ、音楽の楽しみ方が違うんじゃないかと
ふと気がつきました。

今までのいざこざを思い返すと、
それぞれが大事にしてるものが違うまま議論して、
誰かが満足すると、誰かが不満、という状況だった気がします。

だからと言って、全員の最大公約数を探そうとしても、
18人の共通の解は見つかりません。

それでも、全員の音楽の楽しみ方を理解するために、
いろいろ話す時間を多く取るようになりました。


いろんな人がいるなあ、と感じていただけたらと思って、
愛すべきバンドメンバーを紹介します。


1人目、セットリストに燃える人

彼は、よくバンドのライブ聞きに行くそうで、
お気に入りのバンドのTシャツを着てたり、
好きなバンドはめちゃくちゃ好き!というタイプ。

ライブで一番グッとくるのはどこか?と聞くと、

全部よく知ってる曲だけど、
「ここでこの曲が来るか〜〜〜!?」
みたいな瞬間にアガる。

と話してました。

音楽を、セットリスト全体で捉える人。
センターで自分が目立つというよりも、
トータルで魅せる演出家の視点で楽しんでるのかもしれません。


2人目、曲の終わりを大事にする人

彼は、俺が俺が、というタイプではなく、
みんなに混ざって調和する穏やかな人です。

バンド結成して10年以上経って、ある時にこう話してくれました。

あの曲の最後、もっとちゃんとやって欲しいって思います。

どうしても曲の最後になると、体力的にきついのもあり
ハイトーンなどが落ちてしまうことは、昔から見てきました。
私は、「そういうもんだろう」「バテバテなのもご愛嬌」的な気持ちで
気にしてない部分でした。

よく聞いてみると、彼にとっては、曲の最後が締まらないと、
全部台無しだ、くらいの思いでした。

確かに。

曲の印象を決めるのは、最初の入りだったり掴みが必要だけど、
ライブの印象を決めるのは、最後に聞いた音かもしれない。

私にはない視点で楽しんでいた人が居たので、
彼の納得いく曲作りをしていこうと思います。


3人目、気持ちよく演奏したい人

彼は、音楽の経験も知識もセンスもあり、
バンドの頼れる大黒柱になっています。

どういう風に曲を作ればいいか相談すると、
何かしらアドバイスをくれる貴重な人。

私からみると、彼の技量や経験からは、もっと他に上手いレベルの
バンドもあるだろうに、ここ何年か参加してくれてます。

今年のライブをどこでやろうか、とミーティングの中で、

PAさえちゃんとしてればどこでもいいです。

と、話してくれました。

彼の大事にしているのは、ライブの瞬間に自分が
ちゃんとパフォーマンスを出せる環境であること、なのかと思いました。

周りの演奏レベルや曲には滅多に文句を言わない彼ですが、
本番をやる環境だけは、ちゃんとして欲しいという要望でした。


私の自己紹介

私はというと、以前の記事でも書きましたが、
個人としては、自由に演奏できるようになりたい、想いがあり
そのために発表の場が持てればどんな演奏機会も参加したい、と考えています。

バンドとしての楽しみは、こういうバンドメンバーの個性が
のびのび楽しんで発揮させた時に作られる演奏とライブ全体が
どんな形になるのか、見てみたい、という想いがあります。

ハイクオリティなジャズを聴かせたい、
難しい曲で圧倒させたい、
有名なバンドになりたい、
とかは思っていません。

今いるメンバーの最大を発揮できるように、
話を聞いて、準備して、練習を積み重ねる。
そのために、どんな働きもしたいと思っています。


人生は死ぬまでの思い出づくり、とどこかで聞きました。
病床についたときにたくさん思い出が残るように、
これからもメンバーとの衝突を楽しんでいきたいと思います。




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