2022年注目の芸人①


2022年になってから既に3カ月以上経ってますが、筆者が今年注目してる芸人をまとめて書きます。総数が結構多いので分けます。

※今回は前置きだけですので、具体的な注目芸人は次回書きます。


最近のお笑いの傾向お笑いコンテンツについて書いて書きます。


ー 最近のお笑いの傾向 ー 


①尖った芸風の台頭

お笑いガチ勢からの支持率が高い芸人達がショーレースで注目を集め、テレビ界隈でも暴れ始めています。というか、テレビ界隈が本格的に壊れ始めています。朝からくっきーとザコシが普通にパネラーで居る番組が実現するなんて夢にも思いませんでした。時代の移り変わりをしみじみと感じたお笑いファンも多かったのではないでしょうか。

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他にもランジャタイとかはまだテレビタレント歴1年目なのに、どの番組でもあの芸風が許されてしまっているのは中々に驚きです。もう少しアウェイな空気で壁にぶち当たるものかと思いきや、すんなりと受け入れられてしまっている。特別扱いしてないのは『有吉の壁』ぐらいかな、今のところは。

”壊れ始めている”という表現をしましたが、言い換えると、メディアに求められる芸人像に変革が訪れ始めた時期でもあるという事。テレビの改編期でもある4月はその変革を示す時期にピッタリ。2年前の4月に『有吉の壁』がレギュラー化されて、お笑い界隈が盛り上がり、風通しが良くなり始めましたが、今年からはその役割を『ラヴィット! 』が担っていくかもしれません。

なお、同じくM1畑出身の真空ジェシカはまだ許されなかった。全尖り芸風が許されたわけでなかった。まぁそれが普通なんだけどね。それでも秋の改編期には再評価の流れで「真空ジェシカの冠番組が深夜に始動!」なんて事も有り得るので、楽しみです。

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②強いボケの需要

①の派生ですが、尖った芸風の台頭という事で、要するに強いボケタイプの芸人の需要が高いとも言えます。これまでも強いボケタイプの芸人の需要はそれなりに高かったのですが、番組企画の中で”起爆剤”的な扱いのみでしか起用されない限定的な存在でした。テレビシーンのド真ん中に立って活躍する芸人、つまりは冠番組を持つ芸人となるとどうしても”バランスが良い芸人コンビ”が決定版でした。

しかし4、5年程前からこの強いボケタイプの芸人の活躍の幅が徐々に広がりをみせています。出川哲朗が冠番組を持ったり、江頭2:50がYouTubeチャンネルで大ヒットしたりなど、昔からテレビシーンを支えながらも、限定的な起用だった強いボケタイプの芸人達がテレビシーンやそれ以外のメディアシーンでド真ん中に立ち始めているケースが増え始めています。同じくピン芸人で地下芸人界の帝王だったハリウッドザコシショウが陽の目を浴びたり、コンビやトリオと切り離した活動で脚光を浴びたくっきーロバート秋山なんてケースも。強いボケなら一人で番組や企画が成立してしまうのがなによりの強みです。変にツッコミなどの常識人を投入せずにひたすら世界観をぶつけてくるお笑いも増え始めています。クリエイターズ・ファイルはともかく、『秋山とパン』とか『ロバート秋山の市民プール万歳』とか内容がシュール過ぎて驚きました。

ランジャタイ国崎、真空ジェシカ川北などがテレビシーンのド真ん中に立つなんて事が起きるかもしれないし、それがダメだったらYouTubeやその他のプラットフォームで覇権を担っているかもしれない。満を持しての天竺鼠川原の大ブレイクなんて事も起こるかもしれない。

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芸風的に限定的な扱いだからこそ輝いたケースも当然あり「ド真ん中に来てしまうのは何か違うんだよなぁ」という印象を持つお笑いファンも一定数いるとは思いますが、これがある種の多様性の形なのか、それともニュースタンダードへと昇華していくのか。そんな変革の時期を楽しもうかなと筆者個人としては思っています。

逆にツッコミの方は2010年頃から千鳥ノブ、オードリー若林、南キャン山里、フット後藤、霜降り粗品とMC兼任のスキルフルなツッコミが充実している芸能界。芸能界は椅子取りゲームだとよく言われますが、暫くはここら辺のメンツの椅子を奪って座るのは至難の業、というか無理ゲーに近い。まだ僅かに残っている椅子はオズワルド伊藤モグライダー芝辺りが座る様な気がするので、尚更無理ゲー。


③じゃない方芸人の注目スピードが早まっている

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コレは最近というか、オードリー若林の存在以降「コンビにおける要はパッと見のキャラが薄い方なんじゃないか」という見方が業界内でもお笑いファン内でも重視され始めた様な気がします。近年の例だとM1で2020年に優勝したマヂカルラブリーの村上、2021年に優勝した錦鯉の渡辺など。「濃い方は操り人形で本丸はコッチの地味な方だ!」という厄介なバイアスに掛かってしまっているお笑いガチ勢達。

今年ブレイク候補のエルフも本来はギャルの荒川が注目を独り占めするはずなのに、早速大阪の番組で東野幸治の”本当にヤバい奴はコッチの方”センサーによって地味目なツッコミのはるが照準に引っ掛かり、ヤバさが露呈されたりする、なんてケースもあったり。

しかしそれが過剰になって「コッチの地味な方がブレーンだ!アイツが裏では面白い事を企んでるぞ!」と睨んでみたら、ただのポンコツだったというケースもあったり。業界もお笑いガチ勢も節操がなくなっている時がしばしばあります。

まぁそんな現象を起こした元凶のオードリーは「春日はポンコツ、若林が有能」「一周回って春日が面白い」「やっぱり若様凄い」の評価バランスを繰り返し、結局どっちもめちゃクチャ面白いっていうウルトラCを成し遂げてる奇跡のコンビだから、若手芸人がロールモデルにするにしても参考にならない。お笑いって難しいよね。



④お笑い活動拠点のローカル化

前述では散々全国ネットワークのテレビバラエティを前提に書いていきましたが、そもそも「東京進出→民放キー局の番組出演」だけが芸人の目指すルートという事でもなくなってきた様な気がします。2010年代頃までは「テレビ局に引っ張りだこになり、いずれは冠番組を持つ事」の一択だった雰囲気でしたが、最近注目を集めている若手芸人達の中で「別に東京に進出したいっていう願望がない」「週3ぐらい劇場と寄席でネタやって月30万ぐらい稼げたらいい」「お笑いをやるために芸人になったのに、テレビタレントに成り果ててお笑いをやらなくなるぐらいなら・・・」という声をチラホラ耳にするようになりました。

芸人の考え方にも多種多様さが出て感慨深いですね。なんか、今っぽい考え方という感じがします。純粋にお笑いだけをやりたいって層が増えているのかもしれない。もちろん有名になって沢山稼いでチヤホヤされたいって願望はあるんでしょうが、芸人活動をするにあたって何を重きに置くのか。これは現在テレビで活躍する40代以上の芸人と20~30代半ばの芸人とでは価値観が大きく違いそうです。世代だけでなく、コンビ間でも芸人活動の比重に差異があったりするのも面白いところです。例えば、真空ジェシカオズワルドガク伊藤のツッコミ2人はテレビを活動のメインに置きたいと言ってるし、方やボケの川北畠中はどちらか言うと劇場やライブでネタ披露中心の場所で活動したいという思いがあったり。

他にも芸人活動をするにあたってのインフラが整っている大阪なんかは劇場数は勿論の事、関西ローカル番組もお笑い純度が高いものが多いので、大阪を拠点に活動している芸人からしたらわざわざ東京に行く必要なんかないという考え方になるのも自然かなと思います。

逆に「テレビに出たい!THE芸能界な舞台で活躍したい!」という願望の芸人達は多様的になった今こそ敢えて声を大にして発していった方が良いかもしれない。



ー お笑いコンテンツ ー


ここでは注目のお笑いコンテンツを書くだけです。

以前書いたお笑い人事部長の記事。人事部長四天王である「さまぁ~ず・くりぃむ有田・有吉・千鳥」の4組の番組を中心に芸人の見本市的な役割を担っている番組を中心にリスト化してます。


・M1グランプリ

・キングオブコント

・マイナビラフターナイト

・ゴッドタン

・有吉の壁

・チャンスの時間

・さまぁ~ずチャンネル

・くりぃむ有田番組

→『全力!脱力タイムズ』『有田ジェネレーション』『賞金奪い合いネタバトル ソウドリ〜SOUDORI〜



・ラヴィット!  ← NEW!

まさか、朝のワイドショーがお笑い見本市になるとは夢にも思いませんでした。


・オードリーの番組 ← NEW!

オードリーは今後お笑い人事部長になりそうな匂いがするので、特にそんな感じのする『あちこちオードリー』は注目コンテンツです。最近特番として放送した『じゃないとオードリー』『バチくるオードリー』もレギュラー化しそうな雰囲気であり、番組内容的にも神さまぁ~ずシリーズやテレビ千鳥の様な自由度の高いガチガチのお笑いバラエティぽかったです。この春の改編期でオードリーをよりシーンの真ん中に置こうとする流れが業界内にある様に感じたので、注目です。


・佐久間宣行のnobrock TV  ← NEW!

『ゴッドタン』のプロデューサーとして有名な佐久間宣行のYouTubeチャンネル。近年、ご本人のメディア露出が急増し、著書やラジオ番組などで大忙し。上記の『あちこちオードリー』のプロデューサーでもあります。



次回、注目芸人をザッと書いていきます。

今回の前置きを踏まえた上での注目芸人となりますので。



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