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親愛なる『さまぁ~ず×さまぁ~ず』


この記事の一つ前がさまぁ~ず三村を火種とした審査員問題でした。

「さまぁ~ずは笑いの神様」


と、崇めている筆者にとっては不本意極まりない内容でしたが、「神様を裸の王様にしたくない」という気持ちと、”さまぁ~ず好き”だからこそ知っているさまぁ~ずの良さ、世間に勘違いされがちな部分を書きたいと思って書きました。


そして今回はそんな笑いの神様、さまぁ~ずを限りなく純度100%に近い濃度で楽しめる番組『さまぁ~ず×さまぁ~ず』について書きます。今年の9月22日で終了しました。2007年からのレギュラー放送だったので、実に13年半の放送期間。ちなみに筆者が見始めたのは2010年頃なので、約10年間の付き合いでした。5年ぐらい前からテレビを殆ど見なくなってしまいましたが、唯一『さまぁ~ず×さまぁ~ず』だけはほぼ欠かさず見続けてきました。

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つぶやきシローはこの番組に限って言えば、もはやさまぁ~ずの一部なので、ノーカン。よって、さまぁ~ず純度100%!!!


シリーズとして、既に放送終了したバラエティ番組のおすすめ記事を書く「過去のバラエティ番組のすゝめ」を書いている途中でしたが、この番組が急遽、そんなすゝめの仲間入りを果たしたので、まだ書いてない過去のバラエティ番組の紹介を後回しにして、コッチを優先的に書こうと思った次第です。長寿番組だった事もあり、”愛着”の重さでしたら、全てのバラエティ番組の中で一番かもしれません。

そんな番組が放送終了したわけですから、終了から1カ月が経過した今でも”さまさまロス”に陥っている筆者の心中を察してください。

※『さまぁ~ず×さまぁ~ず』を、”さまさま”って略します。


さまさまの番組内容

さまぁ~ずがずっとフリートークをしている


シンプルイズベスト。ゲストすら呼ばない。2人だけの空間。このスタイルの番組ってもっと深夜番組でやって欲しい。ブラマヨとか金属バットとかずっと喋ってくれるぞ。困ったら、視聴者お便りとかトークテーマ投げれば無限に話を広げてくれるし、予算も大して掛からない。

まぁ芸人のトーク力におんぶに抱っこ状態だから、制作陣的にプライドが許さなかったりするのかも。でもさ、視聴者は結局そういうのが見たいんだよね。行きつく所はシンプル。

「そのスタイルだったらラジオでやれよ」とか言う輩もいるかもしれないが、やっぱり映像の有り無しは全然違う。ラジオの良し悪しでもある”ディープさ”に映像が付け足されると、一気に開放的になって横にも展開されるから、大衆に愛されやすい。さまぁ~ずって喋りが達者じゃない分、身振り手振りや表情で話が面白くなるから、ラジオよりテレビ向きな芸人なんだよね。”大衆”と”さまぁ~ず”は相性が良い。


と、「さまさま」から話が脱線したので戻すと、極めてシンプルな番組構成ですが、一応お決まりの流れみたいなものがあります。


①完全フリートーク

序盤は完全にフリーなトーク。三村発信の場合は主に自身の家族話が多く、大竹発信の場合はコンビニやカフェをはじめとした身の回りのクレーム話が多い。その他にも”さまぁ~ず”としての仕事の裏側なども事細かく話してくれる。主にマネージャーなどの取り巻きのトンチンカン話や移動時のトラブル話が多い。そういうトラブル沙汰にもよく巻き込まれる”引きの良い”大竹の運も見どころ。

大竹も結婚してからは自身の家族話をする事が主になったが、当初は自身では発信せず、大体三村の方から”イジリ”という形で無理やり話す事が多かった。ここから妻の中村仁美は”鬼嫁キャラ”へと化します。

ずっと導入が下手だったのもさまぁ~ずらしい。芸歴30年目を迎えた去年の時点でも未だにトークの導入は「・・・どうですか三村さん」or「・・・どうですか大竹さん」って下手かよ!! しかし、そこが愛着ポイント。吉本芸人でこんなトークの導入する奴なんていないでしょう。



②大竹発信による”もしも話”or日常の疑問

番組の中盤ぐらいで、大竹が「もしも〇〇が〇だったら、どうする?」というファンタジー疑問や「○○って何で○○なんだろ?」という神経質な大竹らしい日常のささいな疑問を投げかけるゾーンに入ります。

前者パターン例

・「いちいちボケてくる人といちいちツッコンでくる人。2泊3日の旅行はどっちが耐えられるか?」

・「一生に一回だけ使える透視できる眼鏡をもらいました。いつ使うか?」

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後者パターン例

・「大人の骨折って何でちょっとバカみたいに見えちゃうのか?」

・「よし終わりにしよう」と言った後に「あ、1ついいですか」と言ってくる人がいますが、なぜ「終わりにしよう」の前に言えなかったのか?」

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まぁどっちにしても結局は互いに大喜利解答の様な案を出し合って展開するのがさまぁ~ずあるある。内P時代から培った即興大喜利力はこの番組でも存分に発揮されます。というか、さまぁ~ずの冠番組って行きつくところはほとんど即興大喜利ですけどね。

筆者はこのゾーンが大好きで、特に前者のパターンで腹がよじれる程笑った回があります。2014年9月4日に放送されたやつで

「本物のウルトラセブンのウルトラアイが手に入りました。どうしますか?」

というテーマでトークを繰り広げました。最初は三村が「まぁ大事な場面で使いたいから・・・」という考え方でピンチのシチュエーションを色々考えますが、トークテーマの発案者であるはずの大竹が話の中盤辺りで「でもそれ、実は偽物なんだよ」というテーマの根本をへし折るようなギミックを加えた事で話は全く予想だにしない方へ展開していきました。

結局、本物のウルトラアイだと思い込み、それを使う絶好のシチュエーションを沢山盛り込んで、いざ使ってみたら「ニセモノかよ!」というズッコケなオチでしたが、そこまでの話の展開がもう面白くて面しくて。。。「さまさま」史上一番笑った瞬間でした。下手したら全てのバラエティ番組の中でも1,2を争うほど笑った瞬間かもしれません。

終盤は大竹自身もツボって喋る事が出来ないぐらい笑っていたのが印象的。さまさまでは三村の大喜利に大竹がツボって天丼が出来なくなる事態があります。相方のボケに誰よりも笑ってる姿が愛らしい。

どうやらこの回、DVDに収録されてないっぽいんですよねぇ。。。過去回を単品購入出来る『テレ朝動画』でも今のところ一番古いので2015年ですから。どうにしかしてあの回をもう一度観たい。。。コレを見てくれたさまあさま関係者やお偉いさんは是非検討を!!




③ミニコーナー

最後の5分ぐらいはちゃんとコーナーらしい事をやります。と言っても、ミニコーナーという名の”シチュエーション大喜利”が大半ですが。

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スタジオ中央のモニターにお題が表示されます。②がヒートアップした時は放送最後まで引っ張って、コッチの③がない事もしばしば。

しかしミニコーナーとは言え、画期的な名企画が目白押しです。


・「次の言葉に余計な一言を足して相手の神経を逆なでして下さい」

・「面接で受かるように妖怪たちの履歴書を作って下さい」

・「小学校の算数の無機質な文章問題に一文加えて興味を持たせて下さい」

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みたいなイラストや穴埋め問題で大喜利をしたり、


・「安易な一発芸グッズを使って相手からツッコミを引き出して下さい」

・「頻発するSEをこなしながら、即興芝居を展開してください」

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時にはシチュエーション大喜利したり、


・さまぁ~ず式英会話

・逆再生シリーズ

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みたいな何度も出てくるお馴染みの人気コーナーもあったりと、面白いミニコーナーが沢山ありました。大部分がさまぁ~ずのフリートークで構成されている番組ですが、ここは放送作家やディレクターなどの裏方の腕の見せ所だったはず。元放送作家見習いの筆者も毎回趣向を凝らしたミニコーナーに感心して見てました。結局、さまぁ~ずが一番生きるのは”大喜利”ですから、そこに目掛けてさまぁ~ずが大喜利し易い様に細かい工夫を凝らしていたのが素晴らしかった。



④パペットコント

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(左から やすゆき君(大竹)、息子(大竹)、パパ(三村))

主に、①と②の間に箸休めとして挟まれる約1分程度のパペットコント。

三村が操るパンダ人形(パパ)が基本的に喋り担当でありツッコミ担当。大竹が操るウサギ人形(息子)とカエル人形(やすゆき君)。息子はずっと無言であり、何かを伝える時はパパの耳元で話すので、結局息子のセリフを喋るのはパパの役割。つまり、三村だけが基本的にずっと喋っているコントとなります。友達枠(?)のやすゆき君は大竹が演じますが、ドスの利いたトロい喋り口調でボケまくるのが特徴。ここだけは大竹が喋る事に。メインはこの3役で、他にも大竹演じるサル人形(娘)やニワトリ人形(ママ)などの準レギュラー的な役もいたりします。つまり、三村はパンダ人形役のみで、他全ての人形は大竹が操っている構成です。

・・・、と上記の説明を読んだ人の大半は「おそらく理解出来てない」と書いている途中で察した筆者。しかし、分かりやすく説明を考えるのがメンドクサくなったので、そのまま書き切りました。そもそもこのコーナーを事細かく説明する意味がナンセンス。。

まぁ要するに「約1分尺のパペットコント」ですので、頭を空っぽにして見るべきコーナー。というか、さまさま自体が頭を空っぽにして見るのに最適な番組なので、日常に疲れた時に見るのが至高。



(おまけ)

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さまさまのDVDが発売される度にその巻数にまつわるイラストをさまぁ~ず2人が考えます。その際はMCとしてつぶやきシローが登場します。

ちなみにつぶやきシローはこの番組の前説担当であり、当初からずっとこの番組にいます。なのでこの番組に限って言えば、さまぁ~ずの一部であり、”第3のさまぁ~ず”なのです。

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このDVDの端っこに描かれているイラストがさまぁ~ず考案のものです。意味は「34(巻)」→「さんじゅうよー」→「さんじよ~」→「3時(のおやつ)よ~!」的な砕け方をしてます。要するに、全部ダジャレです。遊び心MAX。



三村について

家族話でこんなに面白くて、なおかつほっこりする気持ちになれるのは今まで味わった事がない感覚でした。

捻くれ者にとって”家族話”ってある種の”のろけ話”であり、他人の幸せアピールなんてクソくらえって感じでした。それはタレントが話そうとも同じ。だから芸人が家族話をする時って、基本的に”毒素”が強めだったりする事が多い。大竹も子供が出来てから家族話をする様になったけど、中村仁美の鬼嫁エピを出しまくったり、息子の事をいつも「ソイツがさ・・・」って”ソイツ”呼ばわりしたりして毒素を出すから、三村と比較しやすい(笑)。

それに比べて三村の家族話ってどれも本当に面白くて、そこに”ほっこり”が嫌味なく付随しています。だから笑った後にちょっと泣ける事がよくある。他人の家族話でこんなに感情を揺さぶられるのは本当に凄い事だと思います。だから三村の家族話だけは素直に「いいなぁ」「羨ましいなぁ」「いい家族だなぁ」と思えます。

もう筆者にとって、三村の奥さんは”理想的な妻”だし、娘も”大人びてるイイ女”だし、息子は”三村と瓜二つの「バカ」「エロ」「明るい」を揃えた男”が浮かんでいます。

そして遂にYouTubeの『さまぁ~ずチャンネル』にて息子が登場しました!!! さまさまを見始めた時の家族話って小3ぐらいの息子だったと思うので、こうやって大人になった姿で初披露されると変な感覚。時の流れエグい。話に聞く限り、中身はパパと瓜二つですが、ルックスは全然違った。マサカズと違ってスラッとしてるし亀感もない。ハンプティダンプティ体型じゃない!!!


大竹について

「神経質」「クレーマー」のイメージが先行する大竹ですが、さまさまを通して感じたのは「やっぱり、神経質だし、クレーマーじゃん」でした。しかしそこには”理不尽を嫌う、筋の通った男”の姿を見ました。

筆者は基本的に大竹に非常にシンパシーを感じています。時間にルーズな癖に自分が相手を待つ時はメチャクチャイライラするところとか。マニュアル対応の脳死店員に対しての怒りとか。家は汚いくせに、やたらピンポイントな箇所には整然さを求めたりとか。要するに”ワガママ”なんだけど、そのワガママには法則性があり、ちゃんと理由や根拠があり、もっと端的に言うと”理不尽”が大嫌い。マイルールがきちんと仕上っている。

だからこそ、よく大竹が話す日常のクレーム話「戦う男!大竹」シリーズが大好きでした。ほとんどの話において筆者は大竹と同じ目線で話を聞いては「よくぞ言った!!」という気持ちになってました。共感性がハンパない。


これがさまさまの原点となった『さまぁ〜ずトークLIVE 三村もいるよ!』の映像です。さまさまファン界隈でも「原点にして頂点」と謳っている人が多いんじゃないかと思うぐらい、このトークライブは傑作でした。

・三村のいびき問題と大竹の航空機内での戦い 5:43~

・家に家族全員が居ない貴重な時間!三村は・・・ 16:20~

・三村一家の朝 20:40~

・戦う男!大竹 コンビニ編 22:40~

・アンパンマンの映画をTVで見てきた三村の感想 33:19~

特に面白かった件を箇条書きしてみました。特に黒太字の「戦う男! 大竹コンビニ編」は最高です。ちょっとでも自分が神経質だと思った事のある人は一度見てほしい。


あっ、あと、筆者は何度も観覧応募をしたのですが、一度も当たらずで悔しかったです。。。つーか、毎回さまさまのオープニングで最前列の観覧者を映す演出があるんですが、そこに映る人、皆女性じゃん。。。しかも皆めっちゃ可愛い!!!それは男たる筆者の楽しみであり、癒しであり、唯一の不満でした。


はぁ・・・さまさまが終わってしまった。この先もさまさま余韻には何度も浸りたいと思っているので、DVDコンプ目指します・・

もっともっとさまさまに対して書きたい事、綴りたい感謝の言葉等は多々ありますが、取り合えずここで終わります。

最後に

ありがとう。『さまぁ~ず×さまぁ~ず』










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