アドラー心理学とアリストテレスの四原因説
気付けば半年書いていなかった。
知らないうちに「noteはしっかり書かないと」という気になっていたが、考えてみれば別に短くてもいいんですよね。
先日、アドラー心理学の事例検討会にてアリストテレスの四原因説(しげんいんせつ)との関連が話されていた。
アドラー心理学は目的論が柱であるが、かといって原因論を否定するわけではない。調べてみると、このあたりのことは野田先生の補正項の過去ログにあった。一部引用すると、以下の通りである。
私の先生のシャルマンは、次のように説明していた。
アリストテレスが『形而上学』の中で、4つの原因について説いている。アリストテレスの《原因》という言葉の定義は、「『なぜ?』という質問に対する答え」だ。彼はこれを4種類に分類した。たとえば、「なぜ銅像で(が)あるのか?」と問うたとき
1)形相因:人間の像の形をしているから銅像だ。
2)質量因:銅でできているから銅像だ。
3)始動因:有名な芸術家が作ったからだ。
4)目的因:あの人物を人々に思いだしてもらうためだ。
という4通りの答がありうるという。
習慣的に原因論的に捉えてしまう中で、目的論的に物事を捉えていく姿勢によって実にクリアになってくる、というのは臨床事例を通してみるとよく分かる。しかしなかなか難しい。でも面白い。
その他、さすがに岸見一郎先生の文献はすぐに出てくる。
実践とは何か -「知る」ことと「行う」こと- 岸見一郎
アドレリアン第 12 巻第1号(通巻第 26 号) 1998 年5月
ちなみにユングも夢を目的論的に捉える。これもまた面白い。
今回、アリストテレスの四原因説を初めて知ったのだが、まだまだ読まなければならない本はたくさんありそうです。