蛇口ひねひね

蛇口をひねる
冷たい
冷たいと感じる何かが飛び出した

初めてできた友達に
顔を引っ叩かれる
本のページをめくる指はとまらない
とまらないのに花粉は舞う
そんな夢
昨日の夢

夢だと思ったこと
夢じゃないことがある
昨日のそれは夢で良かった
わたしを思い切り叩いていいのは
5月の風だけ
金木犀の香りだけ

トマトに依存していた時
恋人はトマトだった
赤いリンゴでも満足はできず
マンゴーを握った手で壁を殴った
トマトはわたしを好きになってくれたかな

蛇口をひねる
冷たい
しかめた顔もかわいいね
冷たいと感じた何かは
溢れて止まらない

だってわたしは今日もかわいい


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