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生活を探す旅
高松の5月はぬるっとしている。ほとんど風のない生温かい空気とじりじりと肌を焦がす日差しの中を歩いていると、時間の流れが札幌にいる頃の半分くらい遅く感じる。
高松を離れて、土地によって性格があるというのを知った。私の出会ってきた北海道の人たちは、穏やかで忍耐強く、感情をあまり表に出さず、親しくなったとしても一定の距離を保っている人が多い。それに対して高松の人はせっかちだけどマイペース、おおざっぱでおせっかいパーソナルスペースというのが極端に狭い。
土地による性格は、その土地の気候を反映していると思う。北海道のような雪国では、厳しい冬を耐える忍耐力が、香川のような瀬戸内のよく晴れる気候では、瀬戸内海の明るさや温厚さを反映している気がする。自然が人をつくり、人が街をつくる。そうしてその土地にあった空気感が広がり自然と調和する。人の営みを感じることの一つである。
生粋の瀬戸内人間である私にとって、札幌は淡白に感じてし舞うことが多々ある。人との距離感を図るのが難しく、孤独に感じてしまう。それは、土地や人が悪いということではなく、肌に染み付いたどうしようもないものなので仕方ないことなのだ。要は自分が息がしやすい土地、コミュニティでうまいこと生きていけばいいのだ。
今の生活に生きづらさを感じている人は、いろいろな土地に行ってみてほしい。好きだなと感じる空気や雰囲気がある土地には、自分に合う時間の流れや性格の人達がいることが多い。環境がメンタルに与える影響は本当に大きい。だからこそ、人と土地に出会う旅もよいのではないかと思う。
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