拝啓、底なし沼の入口より

2023年5月31日。
東京ヤクルトスワローズ、2020年以来の最下位転落。

前回の記事(https://note.com/wara_bimochi/n/n801442712483)で書いた通り私はようやく人肉の味を忘れられたが、それでもどことなくあの血生臭くて泥臭い勝ちの味を舌が求めている。それじゃあ本当に忘れられていないのではないか。見なかったふりをする。

趣味は所詮趣味だと、割り切って何か違うことに意識を向けようとした。
だがどうだ、実際には「まあ今日は何か動くかもしれないから……」と右手がテレビの電源を入れている。
先制されようが「この後点が入るかもしれないから……」と目はつい画面を見てしまう。
突き放されようが「逆転するかもしれないから……」と意識はどうしても中継に吸い取られ、結局ほぼ何もできないままスワローズは負け、意識どころか魂まで吸い取られた私の抜け殻が残った。

数百文字しか進展のないテキストエディタを前に頭を抱えた。
書きたいことはまとまったはずなのに手が一切進まない。手が進まないというより思考がまとまらないというか、考えるためのエネルギーを使い果たしたという表現が近いだろうか。
現にこのnoteも本題から脱線して書き進めているが、ただただ燻る感情ばかりが先走り上手く言葉が出てこない。
それでも、どれだけ疲弊するとわかっていても中継は見てしまうし、本題の進捗が悪かろうとキーボードに手を伸ばしてしまう。
気付けばすっかり野球に手綱を握られていた。

そうやってすっかり野球に洗脳されていようが、なんだかんだ人間なのでネガティブになることもある。いいや、こんな毎日ならネガティブになるのも当然だろう。
声を出せるようになった矢先にこの始末か。少し凹んでしまう。
せっかく声を出せるのなら、暴言の飛び交う球場より選手の名前や応援が響く球場にいたかった。
もっともそうもこき下ろしたくなる気持ちは痛いほど理解できるので、ここではそれ以上触れないでおくが。

先日マスコット・チア燕征の詳細を聞き、慌ててチケットを追加で押さえてから何日も経つが、その間もスワローズはずっと負け続けた。
あと3回関西での試合を押さえているものの、果たしていずれかの試合で最後に傘を振れる日は来るのだろうか。
願わくは「滑り込みでチケットを押さえてよかった!」と笑えますよう。


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