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【ぶんぶくちゃいな】papiちゃん

なんだか知らないが、中国にまた新しい才能が現れたようだ。

きっかけは日本のLINEに似たスマホSNS「WeChat」が展開する記事配信サービス「公衆アカウント」という、身分証明書などを提示すれば、誰でも自分のアカウントを取って、好きなコンテンツを配信できるプラットホームだ。読者は気に入った公衆アカウントをフォローして、それを読む仕組みだ。メールアドレスに届くマガジンがメルマガであるように、WeChatのフォルダに届くマガジンだと考えていただければわかりやすい。

話題の主のアカウントは「papi醤」。「ぱぴ・じゃん」と読むが、じつはこの「醤」は日本語の「〜ちゃん」に漢字を当てたものである。ここ数年、ネットを中心にこうした日本語的な表現が流行っており、自分の意見の終わりに「的説」とつければ、「〜でしょう」の意になる。

たぶん、中国でもっとも日本文化が受け入れられている上海発の表現だが、ネット時代の今、それはイコール中国の若者ネット文化となっている。

で、問題の「papiちゃん」である。まずはYouTubeにアップされている話題のビデオをのぞいてほしい。

これは「上海語+英語」編。ちょっと気取った上海エリートたちの口ぶりを真似したものだが、なかなか自虐的だ。春節の時に「デジタル彼岸ニュース」でご紹介した、以下の様なツイートと符合する。

ここ数日、北京の政府で働く「李くん」や「張くん」や「王くん」や「趙くん」や「銭くん」と日頃は呼ばれている小役人たちが、ぎゅうぎゅう詰めの列車で次々と故郷に戻っていった。田舎では彼ら、「李大尽」「張大尽」「王大尽」「趙大尽」」「銭大尽」って呼ばれるんだぜ。それと同時に上海のオフィスで働くリンダやメリー、ヴィヴィアン、ジョージ、マイケル、ジャスティンたちも列車でぎゅうぎゅう詰めになって田舎に帰っていった。そこでは彼らは、「桂芳」「翠花」「秀蘭」「大強」「二娃」「狗剰」って呼ばれるのさ…

●生活臭と生活感あふれる「papiちゃん」

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