【ぶんぶくちゃいな】新行政長官ほぼ決定! 今後の香港を占う

本日午後、わたしは香港特別行政区行政長官に、香港特別行政区政務長官職務の辞職願を提出し、同時に行政長官に「香港基本法」第48条第5項に基づいて中央人民政府にわたしの政務長官職務解任を申し出るよう提言しました。辞職の理由として辞職願には、もしわたしの辞職が中央人民政府によって認可されれば、わたしは次期行政長官選挙に参加するつもりであることを書き添えました。

4月6日午後、李家超・政務長官は記者会見を開き、その辞職と5月8日に投票が行われる行政長官選挙への参選の意思を表明した。

この時点ではすでに辞職したので「元」政務長官と呼ぶべきだろうが、「元」なのにこの記者会見はなぜか香港政府の公式記者会見会場を使って行われた。多くの識者は、これまで李と同様に林鄭月娥・現長官も、またその対立候補として出馬した曾俊華・財政長官も、政府の高官職を辞めて出馬する意向を示した人たちは皆、それぞれに自分で会場を準備して会見を行ったが、李氏が今回「離職したにも関わらず政府の資源をそのまま使う」ことはこれまでの慣例からしても、また道義上からも不適切だと指摘している。

厳密に言えば、香港高官の任免権は行政長官にはない。行政長官は高官候補を指名して中国中央政府に推薦し、その上で中央政府が正式に任命することになっている。なので、この時点で李氏が行政長官に辞職願を出しても、まだ中央政府の解任認可が下りていない李氏は「まだ」政務長官だったと言えなくもない。だが、この点もやはり過去の人たちと同じであり、当時の彼らの会見(林鄭月娥氏会見対立候補となった曾俊華・元財政長官会見 )を見ると、独自に別の会場を準備し、辞表を提出したことで政府の資源を使わずに出馬表明している。過去の選挙もある種「出来レース」ではあったが、まがりなりにも公私混同は避けられていた。

なのに、李氏が堂々と政府の会見場を自分の出馬宣言に使用したことは、まるで自分の後ろには「香港政府がある」と言わんばかりの行為であり、さっそく人々に今回の選挙は過去のさまざまな慣習を無視して行われるのだと暗示したに等しかった。

●警察一筋コワモテ男の別名は「ピカチュー」!


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