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210130【香港15days】「英国海外パスポート不承認」宣言:中国外交部は「英国が約束を破った」となじるけど…

29日夜、香港では「中国政府がBNOパスポートを承認しないことを決めた」というニュースが駆け巡りました。

BNOパスポートというのは、英国海外パスポートのこと。中国への主権返還を前に「植民地宗主国」としてイギリスが当時の香港市民に発行したパスポートです。もともとは英国公民であることは認めつつも、それだけでは英国での永住権は享受できない、あくまでも「植民地公民」のためのパスポートであり、その身分は「二等市民」と呼ばれるものでした。そのパスポートが主権返還以降も、権利を持つ香港市民にその申請に基づいて発行が続けられてきました。実際に所有しているかどうかに関わらず、現在の香港には申請権を持つ市民が約300万人いると言われています。

一方で、香港政府も市民に対して「中華人民共和国香港特別行政区パスポート」(特区パスポート)を発行しています。この二つのパスポートの存在はまだまだ「主権返還」がホットトピックだった1997年後の数年間はともかく、それ以降はあまり話題にあがったことはありませんでした。

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