【ぶんぶくちゃいな】神も人道もない無神論者共産党の「戦狼外交」お遊戯


連休前に一部大型都市で非常事態宣言、そして連休明けてからわたしが暮らす都市にも非常事態宣言が拡大された。もう4回目だそうである。

でも、ラジオから流れる4回目の宣言に際しての会見で政府は、「(高齢者ワクチン接種開始期にあたり、)早期の感染者発見」とか「(インドの変異ウイルス感染拡大を重視して)水際大作の強化」とかの言葉を口にしているけれど、これが1年前ならともかく、またその前提がなんであるかとは別に、同じ言葉がこの1年間ずぅっと繰り返されてきており、すっかり耳からスルーされてしまっている。

「とにかく御託を並べるよりも先に、さっさと行動してやることやってくれ」

というのが日本に暮らすほとんどの人たちの思いだろう。新鮮さのない言葉は当然、人びとの耳には突き刺さらない。感染拡大当初に言葉ばかり並べて社会の安定を測ったものの、その後ウイルスは言葉だけでは抑えきれないわけで、どんどん広がり、今や先進国としてはありえないほどの後手後手っぷり。

米紙「ワシントン・ポスト」(以下、Wapo)は5日、「なんでまた日本はワクチン接種がこんなに遅れてんの?」(英語:https://wapo.st/33nJVLx )というタイトルのオプエド原稿を掲載、文頭から「まだ7月にオリンピックをやる気でいるらしい日本」と手厳しい。記事では「日本は自国の製薬会社が独自のワクチンを開発するはずだと信じ切っていて、それがダメだと悟ったときにはすでにワクチン待ちの列の後ろに並ぶしかなかった」と、日本政府の対策遅れ(というか認識ミス)を指摘している。

実際、日本のメディアがまだまだそのときその時の対策を伝えることに忙しい中で、こういう俯瞰的に分析された記事を読むと、見えていなかったこと、そして海外から注がれている目がよく見えてくる。そして、かつての「ものづくりジャパン」の称賛、また「独特の物流能力」で一度は世界を瞠目させた日本はすっかり過去のものになってしまったことがこの新型コロナ感染対応の遅れで明らかになったと、筆者は海外の読者に向けて強調している。同時にそろそろ我われ国内の人間もそれが伝説になりつつあることに気づくべきだろう。

もちろん、まだ日本より事態が深刻な国は多くある。だが、いつから日本は「自分より下」と競争するようになったのだろう? 先進国入りするために必死になった過去をいまだに学校の授業で教えているのに、なぜ実際には「下を見れば…」を引き合いに出すのか。

前掲のWapo記事も日本がワクチン接種率においてコロンビア、ラトビア、トルコよりも遅れをとっていることを指摘している。実際、日本はこれらの国を本気で競争相手として意識したことがあっただろうか? しかし現政府による現実問題解決能力において、日本のライバルはこれらの国であるという事実をまず知っておくしかないだろう。

政治は政。そこに運命を任せた人たちのすべてを握る大事な仕事だ。だが、その政を司る人たちを選び間違えると、政の代わりに彼らが奏でる笛や太鼓に踊らされているうちに世の中はとんでもない事態に陥ってしまう。今まさに日本はそういう時期にある。

政とはかように面倒くさく、されど重大なる影響を持つ。アメリカのトランプ政権を見よ、そして香港を台湾を…そして中国を、インドを。

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