中国世界地図

【ぶんぶくちゃいな】西へ西へと中国は進む

尖閣界隈が賑やかである。またも日本のメディアは船の数を数えて、それが増えたり減ったりするたびに瞬時にネットでニュースが流れてっくる。そのたびごとにコメントが付き、なんだか黒船が来たような騒ぎになっている。

わたしはテレビのニュースワイドショーは見ないので、そこにましましている、にわか評論家さんたちが何をくっちゃべってるのかはよく知らない。だが、尖閣の話題は中国観光客「爆買い」とともに日本領内で起きた二大中国話題として、中国が「日本を振り向いてくれた」ことをあーだこーだと詮索できる格好の材料として珍重されているのは間違いない。

なぜわたしがそれらのワイドショーを見ないかというと、そこで語られることは「日本人がそうであってほしいと信じたいこと」であっても、それが的を得ているかどうかははっきり言って疑問だからだ。ニュースであるならば広い視野から検証されるべきだが、視聴率を集めることが第一義になってしまった日本のメディアは「視聴者の期待に応える」ことが「すでに知られたことをまたなぞる」ことだと勘違いしている。

そんな「黒船がきたぞー」と鼻息荒い人たちに乗せられる前に、憲法をいただく文明国の人間として、事情はきちんと判断しておく必要がある。現状分析すらきちんとできない人間に今後の策など当然練ることはできないのだから。

●きっかけは南海裁定から始まった

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