日本のジャーナリズムは「紙」にこそ宿るらしい。吹けば飛ぶよなジャーナリズム:《新聞部数が一年で222万部減…ついに「本当の危機」がやってきた》(マネー現代)

「新聞の発行部数の減少」で始まって、「どうやって日本のジャーナリズムを守るのか」で終わる。見事な羊頭狗肉記事。

いやいや、減っているのは「新聞の発行部数」であり、紙の新聞。記事の途中に「電子版読んでます」という声を取り上げているが、その段落は「新聞をとらなくても、ニュースや情報を得るのにはまったく困らない、というのが率直なところに違いない」でまとめられている。

「本当に紙の新聞が消滅することになりかねない」と憂う筆者の頭の中にはニュースもジャーナリズムも「紙でなければ」という強い信念があるようで、ならば、なぜ紙でないといけないのかという問いかけへの答えを求めて読み続けたが、記事は前述したように最後は「ジャーナリズム」で終わっていた。すごい魔法。

わたしは個人的には新聞業界というのは生き残れるはずだと思っています。ただ、今のように「じぶんたちが一番」を暑苦しいくらいに押し付けず、また、「生き残る」の意味が80年代の形で生き残れることを意味しないということに気づけば、という条件が理解できれば、ですが。

新聞がリソースの一部にしている通信社の情報、そしてわたしも乱入している国際報道における現地メディア報道を含めた現地ニュースがすでにオンラインで、新聞が発行される前に読者に届くようになったことは事実。それらから何歩も遅れて届く新聞社の配信するニュースをなぜ我われ読者が読まなければならないのか、の自問自答は必要ではないでしょうか? 

中国報道に関しましては、わたしは日本の新聞社の駐在記者よりもずっと広く多く現地のニュース読んでます。もちろん、あなた方の記者は政府、大使館、あるいは企業の記者会見などに出て、「生の声」を聞くことができ、彼らに質問を浴びさせ、答を得ることができるでしょう。記者パス持ってるんだもん。それはあなた方の優位です。

ですが、あなた方は本当に中国社会の情報を集めているか? 残念ながら現地メディアから抜書きしているだけの記者さんも多い。それも「中国政府の動向を知るため」の政府系・党系メディアから。でも今の日本社会で本当に求められている情報というのは本当に共産党情報ですか?

新聞社の方はアドバイスがほしければ、その事実をもう一度きちんと分析してお考えになるべきではないでしょうか。わたしは同じこと、散々言い続けてきましたが。

このアカウントは、完全フリーランスのライターが運営しています。もし記事が少しでも参考になった、あるいは気に入っていただけたら、下の「サポートをする」から少しだけでもサポートをいただけますと励みになります。サポートはできなくてもSNSでシェアしていただけると嬉しいです。