【ぶんぶくちゃいな】スカスカに終わった米中首脳会談
物事って他人がつけた段取りにのっかっても、うまくいかないものはうまくいかないよね、という見本のようになってしまった米中首脳会談。
お雛様のようにひな壇にすえられて黙っていれば下々がすべてお膳立てしてくれる首脳と、やはりすべての前面に立って指揮をしなければ、という義務感のある首脳は見事に違うのだということを、画面左右非対称で見せてもらったような気がする。
2月に電撃電話会談を行い、世界をあっと言わせたトランプ大統領と習近平国家主席。当時日本のメディアは安倍首相との首脳会談直前(当日)ということもあって、日米首脳会議の話題を優先したが、英語メディアでは明らかに米中電話会談、特に「一つの中国政策を尊重する」というトランプ氏の弁により高い注目が集まっていた。日本のメディアで情報収集していれば気づかない、ニュースの「国際序列」である。
この電話会談については、このメルマガ「ぶんぶくちゃいな」171号でも触れたように、1月末から中華圏で始まった新年「春節」にトランプ大統領がお祝いの言葉を送らなかったことに慌てた中国政府関係者の働きかけの結果、といわれていた。
今回の米中首脳会談が決まったのも、この電話会談に起因するという情報もある。春節の祝賀をもらえなかった中国政府関係者(駐米大使館)が電話会談を提案した際に、首脳会談とセットで持ちかけたというのだ(そこにトランプ氏の娘婿のジャレット・クシュナー氏が深く関わっている)。
さらにその提案は、台湾との関係を強化するかのような発言をしたトランプ氏に中国側の主張する「一つの中国」政策を認めさせる一方で、中国側は北朝鮮問題をさらに突っ込んで今回の会談で話し合うことを受け入れたともいわれる。
わたし個人はトランプ大統領はあまりアジアに関心がない、というか、アジアを「あっち側」としか思っていないふしがあると感じてきた。なので、前述のような中国側と対話する上で「北朝鮮」話題がどれだけトランプ政権にとって魅力的だったのだろうかと、話としては面白いが少々懐疑的でもあった。
ただ、「ニューヨーク・タイムズ」(NYT)や「ワシントン・ポスト」などの主要英字紙が米中首脳会議が近づくに連れ、さかんに北朝鮮問題に触れていたので、トランプ氏の心の中はどうであれ、アメリカにおいても重要課題の序列として北朝鮮問題が受け止められているのは明らかだった。
●「北朝鮮問題」はどこいった?
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