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【ぶんぶくちゃいな】崩れ落ちた新ビジネスモデルと「ネジ釘」

今週は2つの「事件」が中国の中産階級の注目を浴びた。

一つは、メルマガ135号「繰り返される『記憶』:文革、そして庶民の不審死」でも触れた、雷洋氏の不審死事件が新たな進展を見せたことだ。

この事件は、北京の郊外に暮らしていた雷洋氏が空港に着く親戚を出迎えるために家を出たが空港に姿を表さず、心配していた家族たちとその数時間後に警察で遺体となって対面したことから始まった。警察側は、雷氏の自宅付近で風俗店の取り締まりを行ったところ、店にいた雷氏を拘束したが暴れたので取り押さえた後で急死したと主張した。さらにはこのとき連行された女性がテレビで「雷氏を担当した」と「告白」、家族たちの訴えを退けようとした。

だが、家を出た時間と取り締まりの時間を照らし合わせると雷氏が風俗店にいたとされる時間はわずか数分間、また雷氏は家族に急き立てられて遅れ気味に家を出たという。家族の訴えが大きな反響を巻き起こし、雷氏が卒業した名門、中国人民大学の同窓会までもが支援の声を上げた。

その結果、事態は急進展する。5月には雷氏を連行した警察署の関係者5人が拘束される。そして再度の検死が行われた結果、27日に雷氏の死因が最初に言われていた「心臓発作」ではなく、「窒息死」であったことが明らかになった。窒息の原因となったのは、「胃の内容物と一致する物質が呼吸管に入ったため」という。

新たに明らかになったこの検死結果により、北京市検察院は警官らを「職務怠慢罪」容疑で正式に逮捕し、起訴を見据えて操作中だと語った。

●人命は「公共財産」?

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